ミュンヘンでフルートの調整 | 「言葉のノート♪」フルート奏者 塚本絢加の音楽日記

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„Noten“ ノーテンはドイツ語で音符、楽譜の意味があります。残り少ないヨーロッパでの海外生活の様子や、日々思うことを、“言葉の楽譜“として気の向くままに書いていきたいと思います♪
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今日は、ミュンヘンにフルートとピッコロの調整にきました。


とても良いお天気です😎




ザルツブルクの最寄り駅から電車で2時間ほどです。

市内の中心部に、日本人の方がなさっている工房があり、今回久しぶりに調整をお願いする事にしました。



大事な楽器の事、海外でも日本語で色々説明できるというのはとても安心感があり、ありがたいです。



朝ごはんを食べそびれて飢えていたので、近くのカフェに立ち寄りました。


ドイツでは珍しいフランス系のお店。

Münchner Boulangerie




パンやタルト、エクレアなどがキレイに陳列されていて、バターの素晴らしく良い香りが店内に漂っていました。






腹ごしらえを済ませて、工房へ。



日本人の職人さんが1人でなさっている所なのですが、とても丁寧に対応して下さいます。



今日中に終わるような、調整をお願いするつもりだったのですが、どちらの楽器もメカニックに改善すべき箇所があり、2週間ほど預かっていただく事になりました。




フルートはパウエル、ピッコロはバーカートと、

どちらもアメリカの楽器を使っているのですが、

最近のアメリカ式の楽器は、少しメカニックに改良を加える事で、飛躍的に音の鳴りと音程が良くなるのだそうです。



特に、ピッコロの高音域の音程がなかなか定まらなくて、てっきり自分の技術的な問題だと思いこんでいたのですが、どうやら楽器の構造的な問題もあったようです。



フルートの方は、パウエルの楽器に使用されている、やたら崩れやすい素材のコルク(何故それを使うのか謎らしいです。笑) とその摩耗が原因でキーが上がりにくくなっているのでは、との事でした。



大掛かりな調整をするのは久しぶりなので、

どれくらい楽器に変化がでるのか楽しみです♪





後、私の使っているフルートはハンドメイドの緻密な作りで、本っ当に素晴らしい楽器なんだそうです。


楽器を見るプロであるリペアマンの方にそう言っていただけると、とても嬉しいですよね。


大切に使い続けていきたいと思います。



他にも、各メーカーのフルートのモデル、製作事情等もお伺いでき、非常に興味深かったです。





やはり、フルートメーカーもビジネスなので色んな事情があるようです。



某メーカーは大量生産の決して品質が良いとは言えない廉価なモデルを販売したり、


熟練の職人さんが退職して質が一気に変わったり、

同じモデルでも製作人によって品質にムラがあったりするようです。





少し残念だったのが、 


私が今のフルートを購入するまで愛用していた日本の某メーカーのスチューデントモデルがあるのですが、とある事情で、10年くらい前から大きく品質が落ちているのだそうです。


殆ど調整の必要がないくらい丈夫で吹きやすく、

お値段もお手頃。

中学生がお年玉を貯めればなんとか買えるくらいの価格でした。



プロになってからも、

野外での本番では良く活用していました。


今、この当時の某社初心者モデルに匹敵する楽器は残念ながら存在しないようです。



彼曰く、

「世界中の人たちが、この楽器のお陰で、比較的安価に正しい形のフルートで楽器を始める事ができた。」とのこと。


そして、最近の初心者モデルとしてコスパが良い思うのは台湾のメーカー、J だそうです。



正直激安で、使い物にならない印象があったのですが

この数年で品質が向上しているそうで、機会があれば展示会で試してみたいと思います。





しばらくフルートも吹けないので、

引っ越しやビザの切り替え等、生活の体制を整える事に集中しようと思います。