ドイツの音大の器楽教育専攻2 | 「言葉のノート♪」フルート奏者 塚本絢加の音楽日記

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„Noten“ ノーテンはドイツ語で音符、楽譜の意味があります。残り少ないヨーロッパでの海外生活の様子や、日々思うことを、“言葉の楽譜“として気の向くままに書いていきたいと思います♪
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先日ストライキについて書きましたが、



12火、またもやストライキが行われました😭

急遽予定を繰り上げて月曜にレーゲンスブルクに行って来たのですが、精神的なストレスが凄くて..



家探しは難航中ですが、

本当に早く引っ越したいです。。





さて、前回から少し間が空いてしまいましたが、

出願方法に続いて、教育専攻の入学試験の内容について書きます。



大学や専攻によっても多少差が出てくるのですが、

レーゲンスブルク音大の器楽教育科(修士)の場合、


大きく分けて以下の3つの試験があります。



2. 試験内容

2.1 専攻実技試験 30分

2.2 副科ピアノ 15分

2.3 模擬指導 (学士の場合はなし) 20分+質疑応答10分



いずれかの試験が一度不合格の場合、

他の試験課題の合格を保留したまま、もう一度挑戦する事ができます。


同じ専攻、課程は2回まで入試を受ける事が可能です。



ウェブサイトより




2.1 専攻実技試験


一番大事な試験です。

フルート専攻とバロックフルート専攻についてまとめます。



ウェブサイトより



約30分


試験課題:

全部で5曲用意する


モダンフルート

-バロックのソナタ

(緩急各1楽章ずつ)

-古典派の協奏曲

(1楽章のみ、暗譜)

-ロマン派の作品1曲

-20,21世紀の作品1曲

-エチュード1曲

(技巧的な高難度の作品)


バロックフルート

-1750年以前のフランスの作品1曲

(例: オトテール、フィリドール、クープラン等)

-バロックのフルート協奏曲

(1楽章のみ)

-バロックのソナタ1曲

(装飾的な要素を含むゆっくりの楽章+速い楽章、各1楽章ずつ)

-18世紀後半の(ドイツ?)多感様式の作品

(例: C.P.E.バッハ、クヴァンツ等)

-難易度が高めのソロ作品1曲

(例: テレマンのファンタジー、クヴァンツのカプリス等)




課題曲は、ほぼ全てを一通り吹く事になります。

1曲目は自分で選択でき、後は審査員が順番を指定します。ただ、協奏曲は途中でカットされる可能性が高いです。(伴奏者が大変なので)




2.2 副科ピアノ

ピアノ科以外の全専攻共通
3曲15分

-バロックの作品1曲
-古典派のソナタ1曲
(緩急各1楽章、もしくはヴァリエーションのある曲を選択)
-ロマン派、または近現代の作品1曲


こちらも、1曲目は自身で選択可能。私の時は、3曲全て通して弾かされました。

プログラムとしては、バッハのフランス組曲、ベートーヴェンのソナタ、ショパンのノクターンを選択しました。

教育専攻では、この副科ピアノの試験が非常に重要で、評価も厳しい傾向にあります。



2.3 模擬指導 (学士課程の場合はなし)



大学側が準備してくれる生徒役の方に対して、20分程度の模擬レッスンを行います。


あらかじめ、生徒のレベルや課題曲の時代区分は教えて貰えます。それに応じて、大体のレッスンの流れをイメージしておくと良いかと思います。


その後に、レッスン内容や指導に関して審査員からの質問に答えます。



それ以外にも、必ず聞かれるであろう質問が以下のような内容になります:


これまでの指導歴

なぜ教育専攻で勉強したいか

日本の音楽教育、レッスンについての印象と意見(専門楽器)



あらかじめドイツ語で内容を整理してシミュレーションしておけば、落ち着いて臨めるはずです。





次は授業や卒業試験について書きます。