ドイツの音大の器楽教育専攻 1 | 「言葉のノート♪」フルート奏者 塚本絢加の音楽日記

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„Noten“ ノーテンはドイツ語で音符、楽譜の意味があります。残り少ないヨーロッパでの海外生活の様子や、日々思うことを、“言葉の楽譜“として気の向くままに書いていきたいと思います♪
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実技試験がやっと終わった!

ということで、

人と会う大事な用件があったので、
ひさびさにザルツブルクのカフェにきました。


水曜の午後早い時間だったのにほぼ満席でした。

早めに来て、大好きなモンブランを堪能しました。


ケーキもコーヒーもコロナ渦より1ユーロずつ値上がりしています😣



よっぽどの用事があるか、遠出している時くらいしかカフェには入らない、というか入れない。。





さて、

試験の記憶が新しい内に色々振り返ってみようと思います。



周りの友人から良く、以下の様な事を聞かれていたのでこの機会にまとめてみます。

・ドイツの音大、芸大の教育科にはどんな授業があるのか
・語学レベル
・出願や入試の内容
・卒業試験の内容




まずは、入試出願と内容について


出願の際に提出、準備が必要な書類は以下です。
各種証明書は英語翻訳可、それ以外は全てドイツ語での提出が必須となります。


1. 入試出願必要書類(修士)

1.1 出願時
1.1.1 規定の申請書
1.1.2 音楽活動歴を含む履歴書
1.1.3 大学、大学院の卒業証明書
1.1.4 大学、大学院の成績証明書
1.1.5 パスポートコピー
1.1.6 戸籍、出生証明書
1.1.7 受験料の振込書の写し(€30)
1.1.8 B2のドイツ語能力の証明書

1.2 出願受付後
1.2.1 試験のプログラム
1.2.2 伴奏が必要な楽曲のコピー

1.3 試験当日
1.3.1 実技試験のプログラムコピー3部
1.3.2 副科ピアノのプログラムコピー2部



それでは順に説明していきます。

最近はほぼすべての大学でオンライン出願が可能です。

ただ、レーゲンスブルク音大は非常にアナログな部分があるので、オンライン出願をした場合は、後日書類を印刷の上、郵送or持参しなければなりませんでした。


1.1.1 規定の申請書


大学のWEBサイト上で入手できます。


1.1.2 音楽活動歴を含む履歴書(教育科の場合は最重要)


文章ではなく、表に整理して箇条書きにしたものが必要です。抜けがない様、出来るだけ詳細に書いてください。
不自然な部分があると、大学の事務局から問い合わせがくる事もあります。
A4で3から4枚ほどに情報をまとめます。


私の場合は以下の順にまとめています。

個人の連絡先とプロフィール写真
レッスン受講歴
学歴
コンクール歴
コンサート出演歴
マスタークラス受講歴
職業訓練受講歴
職歴
外国語学習歴とレベル
演奏音源のリンク、QRコード


1.1.3 大学、大学院の卒業証明書


英訳、又はドイツ語のものを準備して下さい。

レーゲンスブルク音大は、教育科の学士号を卒業していなくても、修士から入学が可能です。
(オーストリアは不可。またハッキリと要項に書かれてはいませんが、学士入学時の最高年齢は25才程度までとなっています。)

ドイツで同じ専攻の教育科修士課程を修了している場合は出願ができません。
EU圏内ではデジタル化が進んでいるので、基本的に出願の際の学位審査が厳しく、誤魔化しは効きません。ただ、日本やEU圏外のものはあまりチェックが厳しくないようです。
レーゲンスブルクは2023年より、器楽教育科内で同時に2つの専攻に在籍する事が不可能となりました。


1.1.4 大学、大学院の成績証明書


英語翻訳、またはドイツ語のものが必要です。
学歴に対応する全ての分を揃えます。


1.1.5 パスポートコピー


顔写真ページ、及び表紙をコピーします


1.1.6 戸籍、出生証明書


日本の市役所で英語版を発行してもらうか、自分で翻訳してもOKです。たしか、大使館でドイツ語版が発行できたはずです。


1.1.7 受験料の振込書の写し(€30)


まず、出願書類に記載されている大学所定の口座に振り込みます。オンラインバンキングから、または国際送金によって振り込み、証明書を取得して下さい。

ドイツにいる知人、友人を頼るのが、1番経費がかからないかと思います。


1.1.8 B2のドイツ語能力の証明書


ドイツ語能力試験の証明書を提出して下さい。既にドイツ人と結婚している等、場合によっては語学学校のコース修了証明で認められる場合もあります。

ただ、最低でもB2の語学力がないと、ディスカッションやプレゼンテーション等の授業についていくのはまず不可能、卒業課題をこなす事ができないのではないかと思います。



1.2 出願受付後


1.2.1 試験のプログラム
1.2.2 伴奏が必要な楽曲のコピー


大学規定の伴奏員に伴奏を頼む場合は、あらかじめ指定されたメールアドレスにプログラムと楽曲のPDFデータをおくります。ただ、印刷楽譜を求められる場合がほとんどなので、出願書類と共に郵送しておくのが賢明です。


1.3 試験当日
1.3.1 実技試験のプログラムコピー3部
1.3.2 副科ピアノのプログラムコピー2部


審査員のために、プログラムを用意します。
演奏曲の楽譜も全て1部コピーを用意しておくと、もしもの場合にも安全です。

そのまま審査員に渡せますし、
伴奏員が楽譜を紛失する、忘れてくる等の事もあり得るからです。(実際過去にありました)




出願に関しては大体こんな感じです。

出願書類に不備がある可能性も考えられるので、
最低でも期日の1週間前にはオンライン出願が完了するように準備すると良いかと思います。


初回はなかなか大変ですが、
一度書類を揃えて準備しておけば、複数の出願に使用できます。


みんなに明るい未来が訪れますように🌸


少し気分転換できたので、引き続き8日の試験準備頑張ります。。