オトンが救急搬送された翌日。

私自身は、この日どうしても外せない大事な本番を迎えていた。
先生にもこの日は昼の1時間しか病院に来れない旨は説明済み。

昨日駆けつけてくれた弟には、午後でも夜でもいいので1日分の着替えと雑貨の差し入れをお願いしておいた。

昼前ぐらいに前日に預かっていた現金と携帯を渡そうと病院に行くも、検査中であと数時間は帰って来ないと看護師さんに聞き、明日また出直そうと病院の1階に着いた時にまさかのその病院から電話。

交換士さんから「担当のMから入電です。」と。

何事かと思い電話を繋いで貰うと、
「予定通り内視鏡で昨日の止血の状況確認と生検へ回す細胞採取を3箇所ほど行ったところ、出血が止まらなくなりました。
 このままだと危険な状況ですので、昨日ご説明した通りカテーテルでの止血処理を口頭でいいので了承していただきたい。
 ただ、この処置をすると腎臓が傷付いてしまった場合には透析が必要になる場合があります。」
との事。

これは、昨日に既に可能性として聞いていた話で、意識があったオトン本人も「全てお任せします」と言っていたので、そのまま了承の意思を伝える。

「先生、私いま病院の1Fに居るんですが、署名書きに行きましょうか?」と尋ねるも、
「後日署名をいただければ大丈夫です。今日はお急ぎですよね?また何かあれば午後にいらっしゃる弟さんかお姉さんの携帯に連絡します。」
との事だったので、どこに頭を下げたらいいのか分からないまま病院の正門に一礼をし、両弟に状況だけ報告して病院を後にした。