救急搬送の翌日に着替えも持って行けなかった上に、急いで赴いた1時間もオトンに会えないまま、電話の口頭同意しか出来なかった罪悪感はやはり半端ではなく、出来過ぎた末弟の差し入れリストを元に、足りないであろう物品を用意して病院へ向かった。
病室へ行くと、またもタイミングが悪く検査中で不在のオトン。
ただ待っているのももったいないので病室のロッカーを確認してみると、送ってもらったリスト以上に末弟が色々と持って来てくれた事が判明。
弟ではなかったら直属の部下に欲しいと常々思っているようなヤツだったけど、今回も脱帽。
姉弟で読書の趣味がオトンと似通ってるのが唯一私だったので、メルカリで売り残してた小説をベッド脇に置いてみる。
家に残して来た子ども達と連絡を取りつつ談話室で検査終わりを待つ事2時間。
担当の先生が「お待たせしました。ちょっといいですか?」と面会室へ。
昨日のカテーテル処置の後日同意書にサインをするには大仰だなぁと思いつつ入室すると、ドアを閉めた瞬間若干の緊張感。
「これは何か重要な話が始まるのかもしれない。」と着席。
まずは「昨日は口頭での同意をいただいですみませんでした。緊急の処置だったので。」と先生。
言いたい事はそっちでは無いだろうと、次を促す。
昨日の処置の状況を画像付きで説明してくれた後、
「まだ確定ではありませんが、、」
「一昨日の造影CT検査の画像を画像診断専門の医師に詳しく診てもらったところ、、」
「十二指腸ではなく、膵臓癌の可能性が極めて高い事が判明しました。」
ここから「絵を描いてのご説明でもいいですか?」と断ってから、もの凄く丁寧な説明が。
ただ、中学受験を数か月後に控えていて研修生医向けの本を読む事が趣味の息子を持っている私は、膵臓と十二指腸がどの位置にあるのかは絵を描いて貰わずとも把握していて、、、
膵臓癌→浸潤して十二指腸へ→吐血=肝臓・リンパの転移の可能性は診立て通り
というのは話を聞きながら分かってしまい、それでも一生懸命私の反応を見ながら説明してくれてる先生の話はちゃんと聞こうと目を逸らさず伺い。
手術適応では無い事。
抗がん剤治療をメインとし、放射線治療の可能性もある事。
元々体力がある人なので、通院治療へ持って行ける可能性が高い事。
寛解・完治は難しいながらも、癌の進行をコントロールしながらQOLを探る事。
この告知は出来れば私1人では聞きたくなかったなぁという私情を一切すっ飛ばして、淀みなく説明が終わった。
「何か質問ありますか?」と先生。
「2日前に姉弟で決めたんですが、確定診断がついたら本人告知をしてもらって構わないという方針なので、来週にその診断が確定した後にでも告知してもらって構わないです。」と答えた。
すると先生、困った顔で「マーカー値を見ても通常の100倍なので、癌ではない可能性はほぼありません。僕としては抗がん剤治療に向けてご本人様にも把握してもらった方がいいと思っています。明日から抗がん剤に耐えられるかの全身検査と体力を養うためにリハビリも行っていただきたいです。」と。
おぉ、、ドラマで観ていたような「先生!本人には最後まで黙ってて!」なんて話は今は無いのかぁ、、と変な感動をしつつ、先生が次に言った言葉が私的には中々衝撃的だった。
「今からお父様に告知しませんか?隠していても不安が募るだけだと思うので。出来れば娘さんもご同席で。」
先生?それはいつから予定されていた事だったんでしょうか??
そっちこそ事前に電話連絡が欲しかった、、