よって件のごとし | aya風呂

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ちょっとまた書いてみようかな(´u`)

夏は怪談
大好物は長編
長編をゴクゴクゴクっと一気読みしたい
心が温かくなる長編、長いなら長いほど嬉しい

三島屋という商家の客間で、語り手一人、聞き手一人、語られる話は一つだけという百物語が行われている
人には信じてもらえない、人には言えない心の内を吐き出し、話し終わった頃にはすっきりしてかえっていく

THE傾聴

怪談の形をとった癒やしというシリーズである

百物語は語り終ると幽霊が出る、だからといって途中でやめるとやめた数だけ幽霊が出るんだそう
だから99まで続けなきゃならないと、宮部さんが書いていた
99話続くってことは長編になる、嬉しい
しかも、単行本は挿し絵がとても可愛い

35話で目玉の神様が出てきた
合掌


でちぃん、 でちぃん、奇妙な音は近づいてくる。階上(うえ)から階段を降りてくるのだ。
(中略)
薪小屋ほどの大きさのある巨(おお)きな目玉が、でちぃん、でちぃんと軽く飛び跳ねながら、階段の先の廊下を進んでいく。
目玉は一つなのに、瞳はいっぱいある。蒸かしたての団子にごまを振りかけたみたいに、でっかい目玉は瞳まみれだ。
それらの瞳がちゅばちゅばと瞬きする。あっちを向いたりこっちを見たりする。そして、ひっきりなしに何かしゃべっているようだ。小鳥の囀りみたいに。


「よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続」宮部みゆき [文芸書] - KADOKAWA