JALとANAの新制度「片道特典航空券」の使い勝手は？

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先日、JALとANAが、片道から特典航空券の交換が可能になった記事を書きました。

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JALも国内線特典航空券が片道（1区間）から交換可能に

ANA国内線特典航空券が片道（1区間）から交換可能に！

では、実際の使いがこちはどうなのでしょうか。

日経トレンディに、「ANA、JALの新制度「片道特典航空券」の使い勝手は？」という記事が出ていたので紹介します。

　この春、ANAとJALのマイレージ制度に大きな変化があった。国内線でこれまで往復（2区間）でしか使えなかったマイルが、片道だけの区間でも使えるようになったのだ。

　そこで、“マイル名人”であるメディア産業研究所代表の櫻井雅英氏が、片道マイルの「損得」や賢い使い方について、わかりやすく解説する。

マイル名人が語る、3つのポイント

●ANA、JALともに、往復の75％程度のマイル数で、片道でも特典航空券が使えるようになった。

●「鉄道旅行との組み合わせで使える」「90日以降間が空く旅行に便利」などのメリットがある。

●海外の航空会社でも片道特典航空券はあるが、こちらは往復の半分のマイル数で乗れるところが多い。

最低交換数が少なく済むため、マイルがより使いやすくなる

――この春から、ANAとJALで、国内線の特典航空券が片道区間でも使えるようになったようですね。

櫻井雅英氏（以下、櫻井）：2011年2月に、まずANAの方が先んじて、4月1日以降の申込・発券分から国内線特典航空券が片道区間でも利用できるようになるとを発表しました。

　今までANAでは、マイレージ制度の改訂は3カ月以上前に発表されることが通例。このような大きな制度変更がサービス開始の1カ月前に発表されたことは、かつてなかったことです。

　そしてANAに追随するかたちで、JALでも3月下旬に急遽、同様の制度を発表しました。ただしJALでは、受付は4月1日以降から開始されていますが、実際の利用は6月1日以降です。

――こうした片道特典航空券の交換マイル数は、往復で必要になるマイル数の半分なのでしょうか。

櫻井：実は、片道だからといってマイル数が半分になるわけではありません。

　ANAは片道利用では、往復（2区間）特典の75％のマイルが必要です。最低7500マイルからの交換（ローシーズン期間で、総旅程600マイル以下の場合）となります。

　JALは交換レートが固定ですが、こちらも、おおむね往復（2区間）特典の75％程度のマイルが必要です。最低7000マイル（JALカード会員のディスカウントマイルA区間利用）から交換できます。

――うーん、少し損な気もしますね…。片道の特典航空券はどのようなメリットがありますか。

櫻井：まず、往復利用よりも最低交換マイル数が少なくて済むのがメリットです。

　往復の特典航空券は、マイルの有効期限内に1万マイルためなければ利用できませんでした。ですが片道利用の制度ができたおかげで、ANAでは7500マイル、JALなら7000マイルから特典航空券に交換できるようになりました。

――ほかにはメリットはありますか？

櫻井：鉄道など、飛行機以外で移動する旅程と特典航空券とを組み合わせられるようになったのもメリットです。

　また国内線の特典航空券は有効期限が90日間なので、復路（2区間目）での空路利用が、1区間目の利用日から90日以上あとになるスケジュールにも使えるようになりました。

海外の航空会社と比べると、マイル交換レートは「損」

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――逆に、片道特典航空券のデメリットは何でしょうか。

櫻井：やはり交換に要するマイル数が、往復（2区間）旅程と比べると50％増となる点がデメリットです。

　また、有償搭乗ならボーナスマイルの積算があるマイレージの上級会員にとっては、マイルをJALならご利用クーポン、ANAならeクーポンと交換し、それを使って割引率の高い事前購入タイプの割引運賃（JALの先得割引やANAの旅割など）を購入するほうが得になる区間があります。

――ちなみに、ほかの航空会社でも片道特典航空券を利用できますか？

櫻井：日本人になじみのある航空会社では、アメリカン航空、ユナイテッド航空、大韓航空、キャセイ・パシフィック航空（アジア・マイル）などでは、片道特典航空券を利用できます。

　これらの片道特典航空券は、利用便など一部制限が付く場合もありますが、おおむね往復利用の半分のマイル数で済みます。

――では、一般のユーザーは片道特典航空券をどう使いこなせばいいのでしょうか。

櫻井：進学する子供さんが航空機での移動となる遠隔地に移住するなど、復路が90日間以上離れた期間になってしまう場合や、往路は鉄道を使って帰路は空路を利用したい場合などに使うと便利でしょうか。

――櫻井さんならば、片道特典航空券は利用しますか。

櫻井：正直言って、海外の航空会社のように往復特典航空券の半分のマイル数なら利用したいのですが、今回のANA、JALでは、片道で使うと往復より交換レートが下がってしまいます。

　マイルの期限切れ対策など切迫した事情がある時以外には、私は片道特典航空券を利用する気になれません。実際のところ、私はためたマイルは2年以内で使用しているので、マイルが期限切れになることは最近はありませんからね。

　ただ、東京から北海道まで寝台特急のカシオペアを利用するなど、片道は陸路での旅行をゆっくり楽しみたい場合には、あえて使うかもしれませんね。