こんにちは。
神宮寺三郎DSの4作品のうち、2作目である『神宮寺三郎DS きえないこころ』をプレイしました。

前作同様、ソフト名にもある『いにしえの記憶』の他に、携帯アプリ版のストーリーが5つ収録されています。

収録作品は以下の通り。
・6枚の犯行
・亡煙を探せ!
・アオイメノリュウ
・キトの夜
・四角の罠
・きえないこころ

※※ネタバレ注意※※




6枚の犯行

所要時間:75分
今作最大の美女、僕っ娘大学生妊婦の久住さやかが出てきます。それだけでも属性盛りすぎなのに犯人ですからね、この子。

このお話は犯人からの手紙で始まるのですが、犯人が僕って言っているせいで容疑者を男だと思い込んでしまうんですよね。そのせいで終盤ずっとお兄さんを犯人だと認識してしまってました。

それで最後の最後に、属性てんこ盛りの子が犯人だと分かって衝撃を受けたせいで、正直それ以外の情報が記憶に残らなかったです。

殺人が2件ともトリックが分かりやすいせいだというのもあります。ついでに被害者が両方ともクズなせいで記憶から抹消したいというのも。組織とか何も関わってこない単なる殺人事件だったっていうのも大きいです。
…いやなんだかんだ結構覚えてるかもしれませんね。


とりあえず、せっかく子供が産まれるのだから、出所したらさやかさんには幸せになってほしいところです。


​亡煙を捜せ!

所要時間:90分
洋子さんと熊さん視点のお話です。神宮寺さん視点のないエピソードをプレイしたは初めてだったので、ちょっと新鮮でした。

有能っぽいキャラが本人視点になるとなんかイマイチに感じる場合がありますけど、洋子さん視点は逆に異様なくらい有能に見えてきます。人の会社のデスクを堂々と探っていく様なんかは「さすがは探偵!リスクを冒してでも情報を手に入れてくるんだな!」と感動しました。

それなのに熊さん視点で見ると、洋子さんがかな〜り怪しまれていることが分かります。ある意味、現実味があるかもしれませんが。
その場しのぎだったとはいえ、ちゃんと周りもおかしいと気づいてたんですね…。


神宮寺さん成分が少なくなったなあと思いながら進めると、終盤に偽物のフリをしていた神宮寺さんがババーンと正体を現しました。


ハイ、すっかりだまされました。滅茶苦茶カッコいいです。

そのまま右フック一発で相手をKOしちゃうのも素晴らしい。
「今作不意打ちでやられることが多過ぎたのは、きっとここで格好良さを使い果たしたからなのでは?」というほどに良かったです。


アオイメノリュウ

所要時間:65分
前作で「アカイメノトラ」っていうエピソードがあったので、似たような感じかなーと思いながらプレイ。

真田組が関わっているところ以外はあんまり似てませんでした。


プレイ直後のこと、洋子さんの髪型がショートからセミロングのくるくるになっていることに驚きました。

いや元から洋子さんは作品によって変化することは聞き及んでおりました。ただ前作の洋子さんはどのエピソードでも同じ髪型でしたからね。今回も統一するものとばかり考えていましたよ。
まあ美人ですからね。偶には髪型変えてオシャレするものでしょう。


今作後半に付いてくる坂口という探偵助手がなかなかに良いキャラをしていました。
見た目も言動もチンピラなのに、似顔絵が上手かったり、友人とは言えヤクザさんを信じて匿っちゃったりするお人好しなところがギャップがあって楽しい。ついでにこの人が助手をしている探偵の竜さんが妙に曲者なのもポイントが高い。

それだけにサラッと殺されたのが残念でした。竜さんも最後にちゃっかり金を貰っているとはいえ、内心悲しかっただろうな。


え?初登場でいきなり神宮寺さん殴り倒してたって?
まあそれだけ友人が大切だったということでしょう。多分。



キトの夜

所要時間:90分
本命の殺人事件そのものは分かりやすく、後味も悪いのですが…

『ホセ』というキャラクターが、このエピソードの魅力を担っていましたので、まあまあ良エピソードとなっていました。

この人は、冒頭で「お勘定を押し付けてくるのに、なぜか憎めないキャラ」として登場します。その後、前回の坂口さん同様、神宮寺さんについてきて捜査の協力(?)をしにきました。

とんでもなく怪しさ全開の状態で。

とにかく言動の全てが怪しすぎて、逆に犯人じゃない感がすごかったです。だからこそ、神宮寺さんが殴られたときには「え?やっぱり悪い人なの?(今更)」ってなりました。

エクアドルから来たやつで、考え方も違って行動が荒っぽい。出会い系サイト立ち上げた人を普通に殺しているところからやべーやつだとわかります。さすがにあの情報を手に入れるためだけに殺された人は可哀想でした。これについては7割方ホセが悪いと思います。

とはいえあの母親からホセの事情を聞いて、さらに妹との手紙のやり取りとかを踏まえると、どうしても同情してしまいます。

妹との手紙が心の支えだったんだな( ; ; )
こんな状況で妹が殺されたら、犯人許すまじって気持ちになるのわかります。

だから最後になぜか銃を持っている折原さんに撃たれて終わったのが後味悪かったです。結局ホセも折原さんも敵討ちできてないですからね。


…あれ?むしろ自分ホセのことを貶してません?
プレイしているときはカッコ良く見えたのに、おかしいですね。まあ自分の理屈では説明がつかない格好良さということで。


とりあえず清掃員姿の神宮寺さんで癒されるとしましょう。



四角の罠

所要時間:80分
洋子さんのボーナスを支払いたいがために超怪しい依頼を引き受けたら、やっぱり超怪しいことに巻き込まれたお話でした。


せっかくの大阪出張なのになんか微妙かも?と思ってしまうのがこのエピソード。
多分調査パートナー(?)である中居さんがダメなんでしょうね。

今ソフト内の相棒枠でも、坂口とホセには愛嬌ありましたのに、この話では飲んだくれのおっさんですからね。いきなり手錠かけてくるし鬱陶しいし、第一印象から最悪すぎました。

自分の中ではホセ〉坂口〉〉〉中居くらいの好感度です。

総合格闘技やっていたくらいじゃ大して変化しませんよ。


冒頭にマスク被った人が死んでいる時点で「あー中の人入れ替わってるんだろうなー」と大抵の人は考えると思います。そうしたら犯人が誰かがなんとなく見当つきますから、事件自体の出来は普通な印象。

そこにゲストキャラの魅力がないことを加えると、どうしてもイマイチなエピソードに感じてしまうのでした。


きえないこころ

所要時間:約4時間
このソフトの新エピソードです。
前作の『いにしえの記憶』が微妙だったせいか、今回のお話は丁寧でボリュームたっぷりな作りをしています。ストーリー自体は前回が荒いけど派手だったのに対して、時間は地味だけどしんみりする感じになっていました。

というか元々小学生が自殺した事件の調査だけあって、最初から最後までなんとなく鬱々とした気分にさせてくれました。

最初の4年生のときいじめていたことを悔やんでいたあの人とか、あの小学校の4年生のギスギス感とか、最後に人は突き落とせても本命のお義父さんが殺せなかった犯人とか、
なかなか幸福になれる部分がないのでこちらも読んでいてドヨーンとなりました。

最後の最後に遺書(詩)の本当の意味を知るところとかもう、どうしてこんなことに…としか言いようがないです。

もっと「お義父さんが虐待してくるよ!でも仕返しする気とかはないよ!」みたいに率直に書いていれば、今回の事件は起きなかったし、みんな20年間もやもやせずに済んだはずなのですが…まあ小学生だからしょうがない。

こういう妙に暗いお話も嫌いじゃないけど、最後にこのエピソードを持って来られたから鬱屈した気分が抜けませんでした。あとで謎の事件簿に癒されるとしましょう。
(後にパスワードから後日談を見て癒されました。見てなかった人は要チェックです!)


さてシステム面ですが、今回は所々に”トークプロファイル”というものがでてきます。相手の表情とかを観察しながら、話の内容を選んだり推理したりして相手から情報を喋らせるシステムです。これがなかなか雰囲気があって、相手から情報を引き出しにかかる感がありました。

聞き込みと言えば、今回chaptet1で神宮寺さんと洋子さんそれぞれで聞き込み失敗した家を、もう一度聞く人を入れ替えて尋ねに行っていましたね。で入れ替わったらすんなり話せたという。


どちらの聞き込み方が優れているとかじゃなくて、それぞれの方法に合う人合わない人がいたのが良かったです。


シナリオは人によるとして、
今作の問題は人名多すぎて覚えきれないことと、chapter2と4のマップが面倒臭いところです。

人名はプレイ時間に換算するとそう多くも無いでしょうが、十数名もずっと覚えていられるはずもなく、選択肢を総当たりすることになりました。

chapter2の小学校のマップは死ぬほど場所の選択肢があって泣きそうでした。
chapter4の道もぐるぐる巡るのがだるかった、いや本当に。



謎の事件簿

今回は全体的に推理しやすいお話が多いです。

1.恐怖!元旦おせち事件
まさかの30問のクイズ。後半は警察とか一切関係なしの常識クイズでしたしね。
1回目は22問正解で普通エンドを迎えました。
2回目は軽く調べて1問ミス( ; ; )
全問正解って意外と難しい。


2.消えた凶器!殺人事件
某有名推理アクションゲームで、砂利で殴ったって言うのがあったからすぐに分かりました。
あっちは靴下だったなーと思ったせいで、うっかり靴下を選択して大失敗。
でもハンカチで砂利包むって難しくないですか?

今回セーブしても全証拠を集めないと推理させてくれないから、やり直すのが面倒くさかったです。


3.湯煙温泉殺人事件
さっぱり矛盾ないしどうしよか思って当てはまる選択肢選んでいたら、状況だけの推測だけで終わってしまいました。証拠ないのに、それで逮捕可能なんですか。
2周目のオーブンの方が難しいレベルなんですが。

4.偽装アリバイ殺人事件
普通に簡単だからなんとも。

5.美人女優殺人事件
最初文章で説明されたときは誰がどこにいたかごちゃごちゃになりましたが、後にタイムラインを公開されたので難なくクリアできました。
タイムラインを写真に撮っておくと、スムーズに答えられます。



パスワード

当然全部見つかるはずもなく、半分くらいは攻略サイトから入手致しました。


エクアドル料理が美味しそうでした。

今回も謎じけおまけが難しかったです。普通に暗号の難易度高いの何なんですか。
一応謎じけ5だけは自力で解けましたよ。方眼紙に写して、照らし合わせるのに結構労力使いました。

暗号が難しかったぶん、ラストの脱出ゲームはかなり簡単でした。



まとめ

『いにしえの記憶』のときと比べて、だいぶんとクオリティの高いエピソードが多かったように感じました。DS用に新しく入った事件もボリューム多く読み応えがありました。

でも最後のエピソード以外は殺人事件バンバン起こるし、全体的に後味が悪過ぎるのがちょっと残念です。前作にあった『時の過ぎゆくままに…』みたいなスッキリ終われる作品が欲しかったのが本音。完全に好みの問題ですね、ハイ。


最後に一つだけ…。

小学校に喫煙ルームがあるっていうところに時代を感じました。今はもう学校でなくとも見かけませんよね。現在は当時以上に喫煙者に厳しい世の中です。
今事務所で吸えない神宮寺さんはどこで吸っているのでしょうかね。



○シリーズ次作感想


○シリーズ前作感想