『3回観た映画アナ雪2とサーミ族』 | 天川 彩の こころ日和

天川 彩の こころ日和

作家・自然派プロデューサーである

天川 彩(Tenkawa Aya)が

日々の中で感じたこと、出会ったこと、
見えたものなどを綴る日記です。

先日、2ヶ月後に公開される映画のことを書いたので、今日は2ヶ月前から公開されている映画『アナと雪の女王2』のことを書きます。今さらながら…という感じかもですが、まだ上映中でもあるので、まだ観ていない方には是非オススメしたく…。世界的大ヒットとなった前作とは、全く別物。大人が観るべき作品です。

正直なことをいえば、前作は、個人的にはストーリーが浅すぎてあまり好きな作品とは言えませんでした。なので、続編は観るつもりもなかったのですが、アナ雪2公開直後から友人たちがFacebookに書いていた感想を読み興味を持ち、まぁ観てみようかな〜という軽い気持ちで行ってみることに。最初に観たのは昨年、出張で滞在していた福岡で。想像以上の、いや想像を遥かに超えた作品にビックリ‼️

多分それは、北欧先住民サーミの歌ヨイクを
映画を観る直前、生で聴いていたこともあるかもしれません。


左の男性が前作のアナ雪、そして今作のアナ雪2でも
オープニング他重要なシーンで使われるサーミの作曲家フローデさん。右は世界的な角笛奏者のヒルデグンさん。

昨年は私自身もサーミの人々との出会いの年でもありました。

✴︎北海道の北方民族博物館でサーミ文化のレクチャーを受けた日に。

北欧の先住民、サーミの人々の存在はほとんどと言っていいほど日本では知られていません。フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、そしてロシアの一部にまたがる地域に、太鼓から続くアニミズム文化を守り暮らしている人々でトナカイを飼いながら暮らしています。



2013年に公開された『アナと雪の女王』(原題:Frozen)でも前記したようにフローデさん作曲のサーミの音楽のメロディーが使われ、さらにサーミの人々が着る服に似た洋服を登場人物が着ていました。
でも、前作はそんなサーミの文化的背景は一切消されていた為に、批判が巻き起こったそうです。

そこでディズニーは続編の『アナ2』を制作する折に、サーミの代表者と契約を結び、彼らから様々な面で助言を受け文化を尊重した上で、映画の中にサーミの文化の描写を取り入れ完成した作品だったのです。



この写真は、ご自身もサーミであり、民族学者でもあるエリカさんから見せてもらった資料の本。
確かに、衣装がそっくりです。

前作の『アナ雪』では描かれていなかったことが、今作品に多々盛り込まれているのは、こうした背景があったのだと納得。

日本のアイヌの人々やアメリカ先住民の人々同様、サーミの人々も北欧で差別され蔑まされた歴史があります。映画の中では、そうした過去を無かったものにする訳ではなく描きつつも、
大自然の中に鎮まる精霊たちの世界、そして、異文化を理解しあう尊さ、融和していく心…が描かれている素敵な作品です。

最初に観たのは日本語吹き替え版だったので、
2度目は年末字幕版で。そして今年に入り、3度目も字幕版で観ました。

個人的には字幕版をオススメいたします。

珍しく、3枚組のサントラ版も購入してしまいました^ ^

まだ観ていない方は、ロードショー公開しているうちに、是非♪

映画『アナと雪の女王 2』
配給: ウォルトディズニーピクチャーズ