別ブログより 黒板を書き写すのが苦手な娘と視覚認知対策 | みんな違ってみんないい♪

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双子の一人がPVLによる脳性麻痺と診断され、生後2ヶ月からハビリ(ボイタ法)をしています。母である私は娘へのボイタの効果に感動してPTにまでなっちゃいました。ハビリのこと、かわいい子どもたちとの日常、悩み、ちょっとしたお役立ち情報などを気まぐれに綴ります

2021年1月に書いた記事です



脳性麻痺をもつ娘は小学2年生普通級に通っています。


知的に遅れはないものの、健常の子たちの中で授業についていくのは、一苦労な部分もあります。



その要因としては、手の苦手さ、姿勢の崩れやすさ、目の苦手さ、同時作業の苦手さなど複雑に絡み合ってはいるのですが、なかでも大きいと思っているのが、視覚認知の問題です。


PVL(脳室周囲白質軟化症)の子は、脳室周囲に下肢を司る神経だけでなく目の神経も通っていることから視覚認知障害も起きやすいと言われますが、娘もまさにそれです。


発達検査でも、見る力の弱さを指摘されます。


乱視による弱視はあるものの視力自体は悪くないんですが、落としたものを見つけにくかったり、何かする時に目が違う方を見ていたり、迷路ができなかったり、ボールが目で追いかけられなかったり、小さい頃から生活の中でも気になるところはいろいろありました。



そんな娘が授業で日常的に困っていることは、


1. 黒板を写すスピードが追いつかず、結果話も聞きもらしてしまい、授業についていけないことがある


2. 丸つけについていけないことがある


3. 音読していてもどこを読んでいるかわからなくなることがある


の3つだそうです。



それでも普通級で学びたい娘や同じように困っている子のために、親として何ができるか、調べてまとめてみました。




1. 黒板を写すスピードが追いつかない問題


これには、①先生の話を聞く・黒板を見る・ノートに書く、といった複数の作業の同時進行が苦手なこと、②前方の黒板と手元のノートの「視線の往復運動」が苦手で、焦点を合わせているうちにどこをうつしとっていたのかわからなくなってしまうこと、③教室内の掲示や周りの友だちの動きに目がいってしまうこと、④見たものを覚えておける範囲が少ないので、何度も黒板を見なければならないこと などが理由として考えられるそうです。うん、娘の場合、どれもあるな💦


対策としては、


席を黒板の近くにしてもらうようお願いする

 →黒板が近くなることで、視線の往復を減らす環境が作れるし、場合によっては先生にこっそり読み上げてもらえるケースもあるとのことです。黒板以外のものに目がいってしまうことも避けられますね。


黒板をすらすら写すためのトレーニングをする

 →ある単語までをひとまとまりとして覚えて、そこまで一気に書くという練習を繰り返しさせることで、その方が早く写せることを体験し、定着させていきます。たしかに、娘、1年生の頃は一文字読んで一文字書いてってしてました。単語で書くと楽だよって教えたら、以来それは定着したようですが、もう少し長めに覚えさせる練習もしていこうと思います。

 また、そのトレーニングと並行して、語彙力をつけていくことも重要だそうです。わからないものよりわかるものの方が覚えやすいのでね。


カメラで黒板や友達のノートを撮らせてもらう

→これができるといいなと思います。健常の子たちと同じ学びの場にいるからって、全部同じようにしなくちゃならないなんてことはなくて、苦手なことは便利な道具を使って補っていけばいいんだと思います。学ぶために必要な工夫をするということは、とても大事なこと。

ただ、学校側としては、管理が大変、特別扱いはできないなどといった理由で、容認してくれないところもまだ多いそうです。場合によっては専門家の力も借りて学校に理解してもらい、子どもたちからもずるいと言われないような説明をしてもらえたらなと思います。わが家も、娘が気乗りするなら、今後学校に相談してみるつもりです。


近くの子に休み時間にノートを写させてもらう

→授業中に書ききれないのなら、無理なく書けるところまでにして、後は耳で先生の授業をしっかり聞いておいて、休み時間に近くの子にノートを写させてもらうというのも手ですね。それがきっかけに仲良くなったりもできるかも⁈ 


カメラの交渉が先か、友達にノートを写させてもらおうとするのが先かは、状況や考えによって判断が分かれるところかもしれませんね。



2. 丸つけについていけない問題


これは娘の場合、算数の単純計算の問題などでよく起きます。問題数が多くて、先生もパパッと言っていってしまうので、目がついていけないんですよね。


対策として、わが家ではシンプルですが指で問題を追うようにしたらだいぶ改善しました。どこやってたっけ?と、一から探すというのがなくなったんです。


ただ、それでも追いつかないこともあるので、その場合は、後から誰かに見せてもらったり聞いたりするしかないかなと思います。娘は先生に休み時間に聞きにいくそうです。優しく教えてくれる先生なのでありがたいです。



3. どこを読んでいるかわからなくなる問題


視線の移動が難しい娘は、行をとばしたり、語尾をしっかり見ていなかったり、本当に読むのが苦手です。


できる工夫として、こんなアイデアがあります。


読んでいる行をわかりやすくする工夫




単語や文のまとまりがわかりやすくなる工夫



こちらからお借りしました↓


娘は、家で使うものにはこれらのことをして読む練習をして、効果もありましたが、できれば学校で使うものには書いたり特別なものを使ったりしたくないんだそうで。

今は学校ではわかりにくいものは指で追っていてそれがわりと読みやすいそうです。また、教えてもらった方法ですが、下敷きや定規で次の行を隠して読むという方法もいいです。娘はまだ面倒くささが勝って学校ではやっていないようですが、見やすいので困ったら学校でもやると言っています。




以上、学校生活での主に視覚認知面での困りごとの対処法をまとめてみました。



・・・


参考までにですが、


これまでにも、娘の視覚認知問題は、先輩ママさんや先輩脳性麻痺の方たちに教えていただいたり、OTさんに教わったり、自分で調べたりしながら、わが家なりにいろいろ取り組んでもきました。


簡単なパズルをやったり、

最初はこれも難しかったっけ。

2年生の今は時々ですがこんなパズルもやってます。


iPadのアプリで迷路をやったり。

https://apps.apple.com/jp/app/toddler-maze-123-pocket/id579465066

ルールを定着させるまでにも一苦労でしたが、わかるようになってからは双子の姉とともにはまってました😌



立体迷路もいいです。


かなり難しいですが、いまだに大人も一緒に楽しんでいます!



目と手の協調を目指して、本人が音楽好きなこともあり、ピアノを習ったり。



視覚認知の日めくりをトイレにおいて気が向いたらやれるようにしたり。

手軽さがいいです!


あちこち自分で動き回って探索したり、身体を使って遊ぶことも、立体感覚、空間把握能力を身につけるためにいいと聞いて、家の中でも危なくない範囲でいっぱい自由に遊ばせました(手抜きにもなる笑)



少し前から利用している放課後デイサービスではコンピュータを使ったビジョントレーニングがあり、ありがたく利用させてもらってます。




本人の好奇心と努力が大きかったと思いますが、そんな練習の成果もあってか、同年代と比べると遅れはあるものの、できることはどんどん増えていっています。


苦手さはあってもちゃんと伸ばしていけるんだなーと嬉しく思います。




長くなってしまいましたあせる


少しでもどなたかの参考になれば嬉しいです。


また、他にこんなことしているよとかあったら教えてくださいねひらめき電球




猫しっぽ追記猫あたま


今回、どんな授業にも関係している困りごとを書きましたが、教科内の細かい部分で、視覚認知の問題によって、少し苦労してきた部分もあるので、これもあくまでうちの例ですが、参考までに書いておきますね。


たとえば漢字。目で見たままを写すのは苦手なので、「空」なら「上からウ ハ エ」と書くなど、言葉で教えてきました。でも、それでなんとかなってます😊 一度覚えてしまえばもう使えるのは変わらないので、知っている漢字が増えるほど、新しい漢字の習得も楽になってきたように感じています。


そして、定規で線を引くこと。片手で定規をおさえて、もう片手で線を引くのは、同時作業の苦手な娘には至難の技、加えて、目盛りを読むのが超苦手です。何度も練習はしていますが、今でも指示された長さ通りに、真っ直ぐに引くことはできません。もうこれは、今の娘の精一杯あせる

なので担任の先生には、「評定はみんなと同じ基準で構わないんですが、同じようには引けないので、多少線が歪んでいても、長さが大体合っていて、単元の趣旨を理解できていると先生が判断できたら普段の授業では⚪︎にしてやってください」と頼んであります。

そんな配慮と、このすべりにくい定規↓のおかげでこの単元も何とか乗り切りましたランニング

これ、コンパスも使いやすいですよ!

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