別ブログより 娘の強い尖足に効果のあったもの | みんな違ってみんないい♪

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双子の一人がPVLによる脳性麻痺と診断され、生後2ヶ月からハビリ(ボイタ法)をしています。母である私は娘へのボイタの効果に感動してPTにまでなっちゃいました。ハビリのこと、かわいい子どもたちとの日常、悩み、ちょっとしたお役立ち情報などを気まぐれに綴ります


今回は、麻痺の方に起きやすい「尖足」に関して書こうと思います。娘も生後3〜4ヶ月の頃から足首が硬くて曲がりづらく、これまで何度も手術の話が出たほどです。


この尖足、下腿三頭筋というふくらはぎの筋緊張が強くなることによって起きるのですが、筋緊張が強くなる原因には主に下の二つがあります。

①体幹・股関節の筋の弱さを補うために足首を硬くしているもの。

②麻痺による脳からの直接の指令によって下腿三頭筋が硬くなるもの。

程度の差こそあれ、どちらの要素も絡み合ってお互いに影響を及ぼしているケースが多いです。

そのため、リハビリでは、①のケースは体幹や股関節周囲を鍛える、②のケースは足首を曲げるストレッチを行うなどをして改善や維持を試みたり、短下肢装具を使ったり、逆に足首を曲げる筋肉を鍛えたりすることが多いと思います。

ただ、なかなかそれだけでは追いつかず、ボトックスを打ったり、手術をすることになるケースも多く聞きます。

ではボトックスや手術で解決するかというと、このボトックス、効く子には効くけれど3ヶ月ほどで効果がなくなってしまうこと、腱への負担や慣れて効きにくくなることから永続的には使えない療法であるという課題があります。
そのため、その後に手術となることが多いようですが、手術でもよくなって発達が進むケースとそうではないケースがあるようです。

特に①の要素が強い子はボトックス、手術とも改善が得にくいと聞いたこともあります。

娘はまさにそうで、②の要素も強いですが、体幹、股関節とも「よくこれで歩けている」と言われていたほど低緊張です。

ボトックスは2度試しましたが、どちらも足首の固さは少ししかとれず、体幹はグラグラになりました。2度目は歩行ができるようになっていた時ですが、本人は「足が重たいし感覚がわかりにくい」と言いながら足を引きずってしまうようになり、歩きづらそうでした。以後ボトックスはしていません。

かといって手術も、体幹や股関節の弱さとふくらはぎの筋緊張の強さゆえ、切りすぎると歩けなくなる可能性、少し切っただけではすぐ緊張が戻ってしまう可能性を示唆され、危険な賭けに挑戦することはできず。


悩ましい娘の尖足ですが、そんな娘の尖足にも効果のあったものを紹介します。


ボイタ
これまでにもブログで紹介してきたように、ボイタは強い尖足に即効性があるとまでは言えませんが、身体の幹となる部分を強化しながら、尖足にも確実に効いてくれています。小さい頃はもちろん、大きくなった今でも、ボイタの親子入院を2週間ほどすると、肩や体幹、股関節が強化されるだけでなく、足首に柔らかさが出て、娘は足の感覚もわかりやすくなると言います。


キャスティング(ギプス 療法)
足首にギプスを巻いて2週間〜1ヶ月半ほど固定するという古典的な方法ですが、娘にはとても効果がありました。
一般には可動域を広げる効果をうたわれることが多いですが、娘には明らかに筋緊張の強さも軽減し、踵が楽につけるようになりました。
娘の場合、1ヶ月半、2週間、3週間と試しましたが、改善度と生活への負担(お風呂に入りづらい、歩きづらい)を天秤にかけ、3週間がベストだと判断しています。一度でかなり長い間柔らかさをキープできる子もいるようですが、元々かなり緊張の強い娘、だんだん硬さは戻ってきてしまい、今は年に一度キャスティングをすることでいい感じをキープできている状況です。
※当時はこう書きましたが、11歳の現在は、最後にキャスティングをしてから約3年経っていますがある程度の柔らかさをキープできています。整形のドクターには定期的に繰り返し行う必要があると言われていたので、今しなくて済んでいるのはボイタのおかげだろうと思っています。

ボイタPTさんもボイタでないPTさんも、娘にはキャスティングがいいねと言ってくれています。
手軽なボトックスの方が病院で採用されやすいけれど、キャスティングの方が効果が出やすいと言われるPTさんやドクター、結構いる印象です。

両足ギプスでも踵を高くしてもらうことで立ったり歩いたりできます。足部も安定するため、その間に体幹や股関節のトレーニングもしやすいです↓
5年前、初めてキャスティングをした時のものになりますが、キャスティング前と後の比較です。

(キャスティング前)


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(キャスティング後)






フットフィット(EMS機器)
前にブログで触れたEMS(電気刺激)機器の紹介です。

このフットフィット(もしくはフットフィットライト)、23分間座って足を置くだけで歩くのに必要なふくらはぎ、前すね、足裏の筋肉をバランスよく鍛えてくれるというものです。
※フットフィットとフットフィットライト、どちらも試しましたが、使用感はほぼ一緒でした。ライトの方がリモコンがついていたり、軽くて、当時少し安かったので、わが家はライトの方を持っています。

買うとちょっとお高めですが、ダスキンなどで1ヶ月レンタルもできるようですよ。

現在は新しいものも出ているようですね。あったかくなったり、ふくらはぎにピンポイントで刺激できたり、充電できたりしてよさそう!そして見た目もオシャレに。立てておきやすくもなったようですね。

フットフィットがいいよという話は、私の仕事上の師匠であるベテランPTさんに教えてもらったんですが、座ってじっとしていられる子〜大人まで尖足のある方によく使っていて、合う人には合って筋緊張緩和、歩容改善といった効果が出ているんだそうです。そして、終わった後にストレッチをすることで可動域改善もしやすくなるとのことです。

ジェルもいらないし、軽い刺激ならピリピリもほとんど感じないのに、最中は自力では動かしにくい前脛の筋肉がピクピク働いているのがわかるし、終わると足首の硬さが和らぎ、娘も歩きやすくなるのを感じるようです。刺激の強さも大事で、娘の場合は一番軽い刺激が合うようです。

というわけで、娘がテレビを見ている時などに週末を中心に使ってます。習慣付けできて毎日できるともっと効果が出そうだと思いながら、わが家の中で優先順位がまだ高くなくて、私の根気がなくてできてません💦 またもし毎日チャレンジできたらレポしますが、実現するかな😅

今回、私がこれまで関わってきたPTや医師の方々に聞いたり調べたりして自分なりに理解している情報や、娘の尖足に効果のあったものを書かせていただきました。

いろいろな意見があり、人によって効果も様々、これが絶対という話ではないので、あくまで参考程度に読んでくださいね。



追記
言葉足らずだったと思ったので追記します。
「①(体幹・股関節の筋の弱さを補うために足首を硬くしている)の要素が強い子はボトックスや手術で改善しにくいと聞いた」と書きましたが、体幹や股関節の弱さと一口に言っても程度は様々で、独歩がある程度楽にできている子(GMFCSでいうと1や2の子)は、一般にはあまり心配要らないようです。

また、ここでいう「改善」とはあくまで「歩行能力の改善」のことです。生活の質を改善する目的で行ったりする場合もありますし、ドクターやPTさんはボトックスや手術後の生活を想定していると思いますので、ボトックスや手術の話が出た場合は、不安な点はしっかり確認して納得した上でするかどうかを決めてほしいなと思います。

ボトックスや手術に反対というつもりはなく、ただ合う子ばかりじゃないのかなということ、娘のように合わない子にもこんな対策があるよというつもりで書きました😌

また、コメントの返事をしていて思い出しました。

振動刺激も筋緊張の抑制にいいようです。
家庭用のハンディマッサージャーを、尖足ならアキレス腱に3〜10分当てると筋緊張が弱まるそうです。
30秒以下と短すぎる場合は逆に筋緊張が高まるので注意が必要です。

筋緊張が強く、全身に力が入ってしまいやすいお子さんの場合、丸く抱っこしながら更に小刻みに揺らすことで緊張が落ちやすくなるんですが、同じ原理なんでしょうね。

娘で振動刺激を試してみたことはないんですが、ハンディマッサージャーが入手できたら試してみたいと思っています。


コメントの回答
尖足が強い方がフットフィットが効果的に使えるかどうかの質問をいただき、多くの方をみている師匠に確認したので、その返答を載せます。

尖足が強い方は、低い椅子に座って、まず最初は足裏をペタッと付けられる位置まで膝を伸ばしてスタートするといいそうです。
【スタート時】

すると、2〜3分ほどで段々緊張が緩み、足首が曲げやすくなってくるので、足裏がつく範囲で膝をなるべく90度に近いところまで曲げて続きをするといいんだそうです。

【緊張が緩んだ後】


ただ、なかなか緩みにくい人、可動域が狭くなってしまっている人で、膝を曲げていくと足裏がつかなくなってしまう場合は、ある程度伸ばしたままでも足裏をつけていられれば効果はあるそうです。

※あくまで個人差があるので、参考程度にしてもらって、レンタルして試していただくのが確実かなと思います!

※青字部分は2024年1月に追記させていただきました。


コメントも載せます。
写真を切り貼りしないと載せられなくて😭
見にくくてごめんなさい🙏