「無知」と「世間知らず」は何とも恐ろしや。
それは20年も昔の出来事。
無敵のマイペースと意地でしかない頑固。
何の裏付けもない自信に満たされた僕は、
幸せな井の中の蛙だったのだろうか。
一切の受験対策を施さず向かった戦は、各大学に
試験料を奉納するだけの無残な結果に終わった。
それでも尚、己の何がいけなかったのか解らず
高校生活と大学生活の不思議な狭間の一年を
謳歌するのもイイか、と相変わらずな楽観人生。
否、何かしら行動を起こさなければならぬと
試験科目に無いイタリア語を猛勉強したり
高度な文化人を目指して「レオン」を3度も観たり
予備校手前のゲーセンで日々「19XX」の腕を磨いたり
労働に目覚めたバイト先で酒にまで目覚めたり、と
結局は受験対策に至らない宙ぶらりんな1年を過ごし・・・。
西新宿で泊まったホテルに親子の姿。
母親は一泊。息子は十泊。
なるほどロビーには受験生応援の文言が。
そんな季節でしたね。
あの日の僕も・・・。
当時から相変わらずの僕は、数打ちゃ当たるとばかりに
10校近い入試を関東地区で計画しました。
てめえの人生はてめえで切り開けとばかりに
志望校の選択から日程組みから宿の手配までてめえ。
左右どころか上下さえも判らぬ東の都へ「いざ!」。
頼るはタウンページと時刻表とテレフォンカード。
若者の怖いもの見たさか、選んだ宿は歌舞伎町・・・。
「駅近し。閑静な繁華街(?)。風林会館ウラ。」
ココは一体ドコでしょうか。
細ぉ~いシングルベッドだけでいっぱいの一室。
外は朝までネオンやらパトカーやらで常時ピカピカっ。
毎朝ギラギラした脳みそで起床し
毎朝近所のミスドで「てりやきパイ」を食べ
フワフワと向かった試験会場では「数学」以外を寝て
「FOXスクリーンフレンド」で映画チラシを漁り
「ディスクユニオン」でプログレCDを貪り
「ベーグル・ベーグル」でイマドキを気取り
毎晩ギラギラした宿へと帰るのでした。
10日間も、飽きもせず。
千葉方面に会場のあった一日だけは
なぜか浦安埠頭の先端を宿に。
歌舞伎町の宿を借りたままのバブリーな計画は
どこまで歩いても辿り着かない呪いを掛けられ、
やっと着いたホテルのカレーは弐千円。
初めて見るカレーポットにアタフタしつつ
少しは歌舞伎町の宿に分けてあげたい程の
広いベッドを持て余した不安の夜。
翌朝、受験生用に持たされたランチ・ボックスは
その筋の娘さんの成人式にでも出向くのか、と
間違われそーな程デカい箱。
置くとこ無いし気になって気になって・・・。
そんなエキサイティングな受験道中も無事終わり
数打ちゃ当たった一校へ無事通うことになり
あれから20年経った現在も無事生きております。
受験シーズン真っ只中の若者達よ。
どんな行動にも無駄は無い。
どんな行動にも価値は有る。
自分がカワイイなら旅をしたまえ。
未来はいつでも貴方達を待っている。
「無知」で「世間知らず」でも大人にはなれる。









