高校生時代、僕には不思議な不思議な友人がいました。
出席番号1番違いの彼はピアニストである父の血を
ひいてか異常な音楽才能を持っていました。
体育館や武道場へクラス全体で移動する時、彼は
必ず僕の背後で「高木ブー伝説」を歌っていました。
自らラジカセを改造したMTRで次々にオリジナル曲を
作り出し、クラスでカセットテープを売り捌いていました。
大槻ケンジとケラとプリンスと平沢進に傾倒していた
彼の歌は、世にも恐ろしいダミ声にもかかわらず
ポップでキャッチーな名曲揃いでありました。
マッド・サイエンティストな風貌の彼は3年生の文化祭で
演劇部のマドンナと超実験ミュージカルを発表するまでに
勢いを増しました。
彼のお蔭で髪型も脳ミソもオカシクなった僕は
小室ミュージックにイカれ出し、彼とは少しづつ疎遠になったものの
色々な偶然があって今だにメールのやり取りだけはあります。
心の闇や世の矛盾、死の世界を歌った彼の曲に
輪廻転生を扱った訳の解らない一曲がありました。
先日観た映画「クラウドアトラス」は正に輪廻転生を
映像化した大作であります。
東京と名古屋の映画の観方は実は微妙に違います。
東京ではその日の最終回か下手をすれば
飲み途中のド深夜が圧倒的に多く、
酔いと大音量でグニャんグニャんの鑑賞が常でした。
名古屋では車で向かうことが多いので、なるべく酒に
飢えない時間帯すなわち初回の上映が狙いになります。
世の中が動き出した時間に暗闇と大音量に身を置く優越感。
映画鑑賞ひとつでココまで感覚が違うものなのです。
ま、結局はどちらにせよ7割方寝てるんで
内容はサッパリ分からないんだけど・・・。
「クラウドアトラス」は3時間の大作な上、春休みの
子供映画に押されシビアな上映タイミングでした。
久し振りの深夜0時超えを4人しか居ない暗闇で堪能しました。
今時のシネコンでまさかの
「ガラガラなんでお好きな席どーぞ」!
かの「マトリックス」をさらに進化させた啓示CG大作。
6時代を大物役者が断片的に繋いで繋いで繋ぎまくる
目まぐるしい展開と進行とドラマと謎。
ハリウッド版「火の鳥」なんて観方もできる。
1時代1作品にしても完成度は非常に高く
怪しい時間帯にもかかわらず寝ることはなかった。
要は人の道理を弁えましょう、なんだけど
映像美だけを堪能するにも一押しの作品です。
すぐにでもDVD化されるでしょうから是非是非ご覧あれ。
トム・ハンクスの器用さとペ・ドゥナの神々しさに酔いましょう!
しっかし、相変わらず感動を伝えるの下手ですなぁ・・・。









