ニューヨーク市を上回る回復スピードが鮮明に!

アメリカのオフィス市場に、はっきりとした回復の兆しが出ています。
不動産サービス会社 Transwestern(トランスウェスタン) の最新分析によると、サンフランシスコとニューヨーク市はいずれも回復局面 にありますが、回復のスピードと性質は大きく異なる ことが分かりました。

結論から言うと、
👉 サンフランシスコは急回復
👉 ニューヨーク市は安定的・段階的な回復
という構図です。

🚀 サンフランシスコ:全米トップの回復率

📈 オフィス需要は前年比+112%

サンフランシスコでは、

  • 2025年Q3のオフィス需要:前年比+112%(全米最大)

  • 過去2年での賃貸面積:+158%

  • Q3の賃貸契約面積:約650万SF

  • 進行中の検討案件:約740万SF

と、圧倒的な回復を示しています。

🏙️ 都心の活気が戻る

  • テナントの都心回帰

  • 小売・飲食・人流の回復

  • 新市政によるビジネスフレンドリーな政策

により、ダウンタウンの雰囲気が数年ぶりに明るさを取り戻しているとTranswesternは分析しています。

📉 空室率と賃料

  • ネット吸収:Q3は+64,144SF

  • 年初来吸収:+115,356SF

  • 空室率:▲100bps改善

  • 賃料:

    • 平均:$62/SF/年

    • Class A:$74.50/SF

    • 眺望付きプレミアム:$100/SF

💡 テック投資が最大の原動力

  • ベイエリアVC投資:年初来1,500億ドル

  • 全米VCの 54%

  • AI関連VCの 75%(980億ドル)

👉 AIブームの中心地が、再びサンフランシスコに戻っている ことが明確です。

🗽 ニューヨーク市:堅実で持続的な回復

一方の ニューヨーク市 は、派手さはないものの、非常に安定した回復基調 を見せています。

📊 5四半期連続で改善

  • 強いネット吸収が継続

  • サブリース(転貸)スペースが減少

  • テナント心理が改善

📈 賃貸活動

  • Q3の賃貸面積:前年比+34%

  • 四半期平均:930万SF

    • コロナ前5年平均にほぼ並ぶ水準

  • 平均契約面積:12,500SF

    • 2023年の底から +40%

🏢 すべてのマンハッタン地区でプラス

  • Class A・Class Bともに 5四半期連続でプラス吸収

  • 空室率:▲10bps

  • 空室含む供給率:▲390bps

💰 賃料動向

  • Class A/トロフィー物件:$200/SF超

  • Class Bも緩やかに上昇

  • 新規供給が少なく、需給は改善方向

🚇 人流・雇用も回復

  • オフィス出社率:53%

  • 地下鉄利用者数:Q3に過去最高

  • 失業率:4.9%(2020年の21.5%から大幅改善)

  • VC投資:年初来233億ドル

🔍 なぜ差がついたのか?

項目 サンフランシスコ ニューヨーク市
回復スピード 非常に速い 安定・持続型
主因 AI・テック投資 多様な産業構成
出社率 42.5% 53%
賃料 高止まり 底打ち回復

👉
サンフランシスコ=テック主導の急回復
ニューヨーク市=分散型経済による安定回復
という違いがはっきりしています。

📝 まとめ|日本人投資家への示唆

✔ 米国オフィス市場は「都市ごとに全く別物」
✔ テック集中都市は回復が早いが変動も大きい
✔ ニューヨーク市は長期・安定志向に向く
✔ 投資判断では「回復スピード」と「持続性」を分けて考える必要あり

オフィスは終わった資産ではない。
ただし、「どの都市・どのグレードか」がこれまで以上に重要 になっています。