「眠っている資産」を活用するアメリカの住宅オーナーたち
アメリカでは住宅価格の上昇によって生まれた ホームエクイティ(住宅資産価値)を活用する動きが加速しています。
金融データ会社Intercontinental Exchange(ICE)の調査によると、2026年第1四半期の住宅担保融資額は470億ドル(約7.5兆円・1ドル160円換算)となり、2021年以来で最も高い水準となりました。
なぜ今、住宅担保ローンが増えているのか?
大きな理由は「ロックイン効果」です。
2020~2022年、多くのアメリカ人は3~4%という歴史的低金利で住宅ローンを借りました。
現在の30年固定住宅ローン金利は6.5%以上。
もし借り換えをすると金利負担が大きく増えてしまうため、多くの住宅所有者は既存ローンを維持したまま、住宅価値の上昇分だけを借りる方法を選んでいます。
その代表的な商品が、
- HELOC(住宅担保信用枠)
- Home Equity Loan(住宅担保ローン)
です。
これらが今回の借入全体の**54%**を占めています。
アメリカの住宅資産は過去最高水準
2020年5月の中古住宅価格中央値は、28万4,600ドルでしたが、
2026年5月には 42万9,300ドルまで上昇。
わずか6年間で約51%値上がりしています。
その結果、アメリカの住宅所有者が利用可能なホームエクイティは、約11兆ドル(約1,760兆円)という巨大な規模になっています。
専門家が注意を呼びかけ
一方で専門家は、「ホームエクイティは無料のお金ではない」と警鐘を鳴らしています。
現在の住宅担保ローン金利は
- HELOC:約7.4%
- 5年固定住宅担保ローン:約8.1%
と決して低くありません。
住宅のリフォームや資産価値向上のための投資なら合理的ですが、
- 旅行
- 高級車購入
- 日常生活費の補填
などに利用すると、長期間にわたって高い金利を払い続けることになる可能性があります。
日本との大きな違い
日本では住宅ローンは「返済するもの」という考え方が一般的ですが、アメリカでは
「住宅は資産であり、必要に応じて資金調達に活用するもの」という考え方が広く浸透しています。
資産価値が上昇した住宅を担保に、新たな投資やリフォーム、事業資金などを調達することは珍しくありません。
