俳優のニコラス・ケイジさんが、マリブにある自宅に住めなくなったというニュース。
【「いまはちょっとホームレス」】
『リービング・ラスベガス』でアカデミー賞を受賞し、『ザ・ロック』『フェイス/オフ』『ナショナル・トレジャー』などでもおなじみのニコラス・ケイジさん。
10月31日、ロサンゼルス・コミコンに登場した際にハロウィンの予定を聞かれ、
“I’m currently a little bit homeless”(いまはちょっとホームレスなんだ)と答えました。
マリブの家に「ちょっとしたことが起きた」ため、いまはホテルを転々としているそうです。
今年は近所の子どもたちを家で迎えられないので、4歳の娘さんを連れてサンタモニカでトリック・オア・トリートをすると話していました。
冗談めかした言い方ですが、事情はかなり深刻です。
【自宅前に約9メートル四方の巨大な穴】
始まりは今年9月でした。
熱帯低気圧マリーがもたらした大雨と高波で、自宅前の私道が崩れ、約30フィート×30フィート(約9メートル四方)の陥没穴ができました。
深さは最終的に約25フィート(約7.6メートル)に達し、AFPは、穴に海水が流れ込む様子も報じています。
近所の住民によると、最初は8フィートほどの穴で、すぐに直せると思っていたそうです。ところが一晩で一気に広がってしまいました。
消防隊はガス漏れの通報を受けて出動し、そこで陥没穴を見つけています。
【周辺31戸にも避難命令】
被害はケイジさんの家だけでは済みませんでした。
マリブ市は「地域緊急事態」を宣言し、周辺の31戸すべてを「危険」と判定しました。緊急車両が住民のもとへ確実にたどり着けなくなったためです。
アメリカ赤十字は、避難した住民のためにマリブ高校へ一時避難所を設けました。
この地域は、カリフォルニア有数の富裕層や多くの著名人が暮らす高級海岸エリアです。
【物件の概要】
ケイジさんがこの家を買ったのは2024年で、価格は1,050万ドル、面積は約372㎡。日本円にすると約15億円です。
売主は、リーバーマン・ブロードキャスティングの共同創業者レナード・リーバーマン氏でした。購入前は、月2万5,000ドルで賃貸に出されていました。
それでもケイジさんは、この家を手放すつもりはないようです。
陥没の直後に3件の許可を申請しており、その中には、波と海岸侵食から家を守る土のうを置くための緊急申請も含まれています。
がれきの撤去、土壌サンプルの採取、敷地の補強準備といった工事の許可も取得済みとのことです。
① 海岸侵食は「いつか」ではなく「いま」のリスク
カリフォルニアの海沿いでは、侵食や地盤の問題が昔から指摘されてきました。眺望が良いことと地盤が安定していることは、別に考えなければいけません。
② 家が無事でも、アクセスを失えば住めない
今回いちばん考えさせられたのはこの点です。31戸が住めなくなった理由は、建物が壊れたからではなく、道路が使えなくなって緊急車両が入れなくなったからでした。私道や共有道路を誰が管理し、誰が修繕費を負担するのか。購入前にここまで確認しておく必要があります。
③ 保険の範囲を必ず確認する
米国の一般的な住宅保険では、地盤の動きや洪水による損害が補償の対象外になっていることが少なくありません。海辺の物件を買うときは、どこまで補償されるのかを事前に確認しておくことが欠かせません。
④ 海辺の物件は維持費が高くつく
護岸や地盤の補強、許可の取得には、時間もお金もかかります。購入価格だけで判断せず、長く持ち続けたときの総コストで考えることが大切です。
マリブの海辺は、世界でもとびきり魅力的な住宅地のひとつです。
それでも、自然を相手にする以上「絶対に安全」とは言えません。
魅力とリスクの両方をきちんと見たうえで判断するのが、アメリカ不動産投資の基本だと改めて感じました。
