― 1億ドル超の利払い不履行で資金繰り悪化 ―
高級百貨店 Saks Fifth Avenue とNeiman Marcus を傘下に持つSaks Global が、米連邦破産法第11章(Chapter 11) の申請を数日以内に検討していることが明らかになりました。
報道によると、同社は1億ドル超(約156億円)の利払いを履行できず、債権者と破産手続きに向けた資金調達の協議を進めています。
📉 大型買収が重荷に
Saks Globalは2024年7月、27億ドル(約4,200億円) でネイマン・マーカスを買収。
この統合は Amazon 支援のもと実現しましたが、巨額の新規債務が経営を圧迫する結果となりました。
・買収後、取引先への支払い遅延が断続的に発生
・一部ブランドが商品供給を抑制 → 売上に悪影響
といった悪循環に陥っています。
🧾 業績と資産売却の動き
・2025年8月2日までの四半期:
売上高16億ドル(約2,500億円)に対し、純損失2億8,800万ドル(約450億円)
・資金確保策:
- ビバリーヒルズ旗艦店の売却検討
- Bergdorf Goodman(49%)の持分売却検討
6月には**6億ドル(約936億円)を社債で調達しましたが、債務総額22億ドル(約3,430億円)**の重圧は続いています。
📉 社債は“ジャンク級”に
Saksの社債は、
・2024年末:額面の97セント
・2025年半ば:35セント以下 に急落。
S&P Global は9月にCCC格付け(デフォルト懸念が高い水準) を付与しました。
🏙️ 店舗戦略にも影響
・ダラスのネイマン本社オフィスは閉鎖
・100年以上続いたダウンタウン・ダラス旗艦店も閉店検討
(交渉により一時的に継続中だが先行き不透明)
🧭 小売・不動産市場への示唆
今回の動きは、
✔ 高級消費が比較的堅調な中での“例外的な苦境”
✔ 買収によるレバレッジ過多のリスク
✔ 百貨店モデルの構造転換の遅れ
を浮き彫りにしています。
一方で、一等地モールへの投資回復は続いており、2025年は単体モール取引が増加。
“強い立地×強いテナント”は引き続き選別される局面です。
📝 まとめ
Saks Globalの破産検討は、ラグジュアリー小売でも財務戦略を誤れば立ち行かなくなることを示す象徴的な出来事です。
今後は、
・債務再編の行方
・不採算店舗の整理
・不動産資産の売却動向
が、米国小売・商業不動産市場に与える影響として注目されます。
