吹けの悪さが改善しつつあるジール.今回は冷却系統のオーバーホールを行いました.
まずはドレンボルトからラジエター液を抜きます.やや黒ずんでいました.ラジエターを水で洗い流したら茶色い水がたくさん出てきました.
再生計画の時はラジエター液の交換のみでした.その後もパッキンの交換はしましたが,ポンプのみしか分解しておらず,サーモスタット側は分解清掃していませんでした.
ラジエターの働きを時系列的に記します.
- エンジンの温度が上がる.
- ラジエター液の温度が上がる.
- サーモスタットが働いて,ラジエターに流れ込み,ラジエターで冷やされる.
- ラジエターが一定以上の温度に達するとラジエターファンが回る.
- 冷やされたラジエター液がエンジンに戻ってエンジンを冷やす.
現状考えられる症状を時系列に照らし合わせてみました.
- エンジンの温度が上がる.
- ラジエター液の温度が上がる.
- サーモスタットがきちんと働いておらず,ラジエターに流れ込まないので,ラジエターは仕事をしない.
- ラジエターの温度は上がらないのでラジエターファンは回らない.
- ラジエターが循環しないのでエンジンの温度はさらに上がる.
3番のサーモスタットが悪さをしているようです.分解清掃と点検を行いました.
サーモスタットの内部がこちら.若干の汚れはありましたが,破損は見受けられませんでした.
次にサーモスイッチの点検.左から,温度警告灯用,サーモスタット,ラジエターファン用です.
ラジエター液を熱して,規定温度で作動(導通)するか確認します.問題ありませんでした(テスターで導通している写真を撮り忘れたました).
合わせてラジエターキャップも交換しました.だいぶ劣化していました.
交換したものがこちら.デイトナ製で,耐圧値が一番近い1.1kg/cm3にしました(純正は0.9kg/cm3).1.3とか1.8kg/cm3の高耐圧のものもありましたが,あまり耐圧値が高いものを使うと,いろんなところからラジエター液が漏れたり,最悪吹いてしまう恐れがあります.
すべてを組み直し,ラジエター液を補充して実際に走らせてみましたが,エンジンが異常に熱くなることがなくなりました.サーモスタットがきちんと作動し,ラジエター液が循環しているようです.
その証拠にラジエターファンが回るようになりました.
吹けの悪さは,エンジンが異常に熱くなっていたことがひとつの原因だったのかもしれません.
オーバーホール後,快晴の日にライディングスクールに参加しましたが,エンジンが異常に熱くなることもなく,ラジエターファンも回っていましたし,吹けの悪さも全くありませんでした.
アイドリング中に止まってしまうことを除いては.
油面調整をしましたが,エアスクリューは調整していなかったので,次回はエアスクリューを調整してアイドリングの不調を改善してみたいと思います.