どぶ板選挙は圧勝したが、無党派層をとりこまないとマーケットは縮小する | 宇田 明の『もう少しだけ言います』

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宇田 明が『ウダウダ言います』、『まだまだ言います』に引き続き、花産業のお役に立つ情報を『もう少しだけ』発信します。

総選挙は事前のマスコミの予想通り、自民が圧勝。
小池希望の党には風が吹かなかった。
日ごろのどぶ板選挙に力を入れていた自民が票を集めた。

イメージ選挙の惨敗。


画像 小池代表のオウンゴール

    「排除」、「さらさら」

    花農家もオウンゴールで価格を下げている

 

これまで5回にわたり、

選挙になぞらえて花の消費拡大を考えてきました。

2017年09月24日消費拡大活動は選挙活動①(カーネーション・スプレーマム編)

https://ameblo.jp/awaji-u/entry-12313385380.html
2017年10月  1日 消費拡大活動は選挙活動②(バラ編)

https://ameblo.jp/awaji-u/entry-12315555946.html
2017年10月  8日 消費拡大活動は選挙活動③(花屋さん編)

https://ameblo.jp/awaji-u/entry-12317681494.html
2017年10月  5日 消費拡大活動は選挙活動④(がんばれ地方の花いちば編)

https://ameblo.jp/awaji-u/entry-12319647590.html
2017年10月22日 消費拡大活動は選挙活動⑤(マンパワー不足の地方いちばはどう戦うか?編)

https://ameblo.jp/awaji-u/entry-12321708225.html

画像 消費拡大活動は選挙活動と同じ

    風頼みの「イメージ選挙」と、握手と利益誘導の「どぶ板選挙」がある

 

その要旨は、花の消費拡大は、選挙で票を集めることと同じ。
選挙には、「イメージ選挙」と「どぶ板選挙」がある。
風を吹かせ、ブームを起こし、

無党派層を投票所に足を運ばせ、

政権交代までもたらすインパクトがあるのは、イメージ選挙。
かつての民主党の政権交代選挙や、

小池百合子知事による都民ファーストの都議会選挙。
イメージ選挙には強いリーダーがいて、

世間をねじ伏せるような強いリーダーシップで、

風をふかせなければならない。

イメージ選挙のターゲットは無党派層。
花の世界では、花を買ったことがない、あるいは買わないひとたち。
この層に花を買ってもらうには相当な腕力がいる。
お酒を飲まないひとに、ビールを売るようなもの。
営業の醍醐味ではあるが、いまの花産業では力不足。



図 最近1年間に花を買いましたか?

  毎年行っているMPSジャパン(株)のアンケート調査

  花を買わない人が年々増えている

  花のマーケットは縮小し続けている

 

一方、どぶ板選挙はだれでもができる。
日常活動そのものがどぶ板選挙といえる。
ターゲットは、花農家では花屋さん。
花屋さんでは、固定客、いつものお客さま。
まず、このターゲットを取りこぼさない。
そして、リピータに誘導。


花屋さんには利益誘導。
その生産者・産地の花を仕入れても損はしない、

利益があると実感してもらう。

花屋さんの固定客には、「モノ」より「ヒト」
商品ではなく接客。
笑顔とお愛想。

さて、そうやって、堅実に固定票を集めても、

生産者、花屋さん、全員が当選できるわけではない。
固定票=マーケットが年々、小さくなっているから、

当選できる=生活できる生産者、花屋さんも減っていく。

選挙に勝つには、固定票だけでは不可能で、

花を買ったことがない、買うつもりもない

無党派層をとりこまなければならない。
この層は確信犯。
「花がなくても困らない。」
ちょっとやそっとでは振り向いてはくれない。
裸足の国の住人に靴を売るようなもの。

お酒を飲まないひとに、ビールを売るようなもの。


画像 無党派層=花を買ったことがないひと、買うつもりもないひとに花を売るのは、

    お酒が飲めないひとにビールを売るようなもの

 

その不可能を可能にしたのが、日本の企業戦士。
トランクに商品を詰めこんで、

アフリカの奥地にまで出かけていった営業活動。

残念ながら、花業界にそのエネルギー、モチベーションはない。

正面突破の営業活動はむりだとすると、

無党派層をとりこむ別の方法を考えよう。



画像 裸足の国で靴を売る

 

マーケティング教科書の定番「裸足の国で靴を売る」
タナカキミアキ氏の話のオチ。

どんなオチでもつけられる。
http://setsuyaku.ceo/post/1376/%E8%A3%B8%E8%B6%B3%E3%81%AE%E5%9B%BD%E3%81%A7%E9%9D%B4%E3%82%92%E5%A3%B2%E3%82%8B%E5%96%B6%E6%A5%AD%E3%81%A8%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AF%E8%80%83%E3%81%88%E6%8A%9C%E3%81%8F%E7%99%96%E4%BB%98%E3%81%91%E3%82%92

 

「裸足の国に出向いた営業マンは、

サッカーボール持参し、サッカーを教えた。
次に行ったときには3足の靴を置いて帰った。
裸足の国の住民は、

サッカーは靴を履いた方がやりやすいと気づいた。
次に行ったときには何十足かの靴を買ってくれた。
隣村との試合の時には、こちらのチームは靴を履いている。
次に行ったときには隣村の人が大量の靴を買ってくれた。」
  「 ・・・ 」


画像 アフリカの少年は裸足でボールを蹴っている

    「靴を履いたほうがやりやすいぞ」

    「そんなことはわかっている」

    「靴を買うお金がない」

    マーケティングはどんなオチでもつけられる

 

花を買ったことがないひとに花を買ってもらうには、
「サッカーを教える?!」
ではなく、直截的でないはたらきかけ。

それは何だ!


図 花産業の負の連鎖

  待遇が悪く、授業員満足度がダウンし、モチベーションがダウン

  余分な仕事をする時間も意欲もない

 

それは、若いひとに考えてもらおう。
花業界に蠢いてきた住人は、どぶ板選挙に徹し、

これ以上のマーケットの縮小を少しでも、くいとめよう。

従業員の満足度をアップし、負の連鎖を断ちきり、
若もののモチベーションを高めることの手助けをしよう。

 

「宇田明の『まだまだ言います』」(No.95 2017.11.5)

2015年以前のブログは

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