加齢とともに自然の美しさが身に染みる | さなじゅんオフィス

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宇宙人物語・じいじとばあば・恋愛・時事評論のブログ


若い頃は、自然の摂理は俳句のごとし、何気なく過ぎ去り
これと言って、季語はビジネスライクに感じていた

他人の感嘆詞に合わせ相槌を打ち
時は流れて行った

桜の花の妖艶さも
ツツジの花びらの舞も
薔薇のトゲを避けて出る見事な蕾の膨らみも、気づかないフリで通り抜けた

紆余曲折な人生と戦って勝ったり負けたりして歳を重ねると

人生のラインの矢印に従い、歩き出すと、ふと世の中に飽きてしまい、大きく息をして立ち止まる



季節感がなかった私も、ゆっくり
ただゆっくりする時間をそぞろ歩くと、自然に吸い込まれて行く

草木の息吹が伝わる年代は、自分の人生と重ねてその美しさを発見するのだ

薔薇が綺麗
紫陽花が恥じらって準備をしているのも見つけて、余裕の心が染まる

水連の鮮やかなコントラストに足を止めて見惚れてしまった
薔薇の顔が全部違うし、やまぼうしの咲く季節も当てられる

上品なその姿に交わす言語が見当たらない「花菖蒲」に抱擁してみた

季節は順番に従って、精一杯に輝く
今日は、アザミの中に「白い花」を見つけた

次は短命なユリが、育ちのよさを誇っている
自然は色気たっぷりに季節の七変化を奏でて、今はその美しさが
私には分かる歳になった

時はまさしく新緑の候、
あまりの美しさに心が癒やされて
ずっと座り込んでいたいと季節に酔いつぶれて行く