アヴェロンへの道のり vol.6 | 南フランスの田舎パン アヴェロンのブログ

南フランスの田舎パン アヴェロンのブログ

ヨーロッパの伝統パンにすっかり魂を抜かれてしまったパン屋の店主によるブログです

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平成元年の9月末に“ちゃいはな”を閉店して、11月に埼玉のノヴァに押しかけたわけですが、とにかくパンづくりを覚えることのみが目的でしたから、ノヴァの事務所に布団袋一つを送りました。
ピエール・ブッシュ氏のキョトンとした顔が、今でも思い出されます。
こちらの熱意と勢いに負けたのか、無給で働けることになりました。
それからさっそくアパートを探して住みつくことにしたのです。
11月の埼玉、北本市は、北関東特有の木枯らしが吹いてとっても寒く、電線がビュンビュンと鳴くのが印象的でした。
唯一の救いは、アパート近くの旧中山道沿いに手打ち蕎麦屋の鈴木という店があったことです。
そこの蕎麦はとてもおいしく、心もあったまりました。
この時から無給の厳しい生活が始まりましたが、同時にパン生地を触れる喜びも始まるわけですね。