こんにちは!
獣医師エリコです。
現在シモベさん探し中の猫さまは↓↓
今日は子供の日ですね!
皆様いかがお過ごしでしょうか
さて、子供の日といえば
5月は猫の出産ラッシュですね
「乳飲み子を拾った!!どうしよう!」
という相談が一番多い時期ではないでしょうか。
そこで今回は、もし乳飲み子を保護したらどうしたらいいか、というお話です。
まず乳飲み子は、
低体温=低血糖=死
ぐらいのイメージを持ってちょうどよいくらい、
すぐに状況が変化します。
なのでまず低体温を防ぐために必ず保温!
湯たんぽ、またはお風呂くらいの温度のお湯を入れたペットボトルを用意しましょう。
そして低血糖を防ぐために、数時間おきの授乳が必要です。
粉ミルクの缶には、新生児で3-4時間おきの授乳と書かれていますが、
保護したての乳飲み子は、すぐには初めての人工ミルクやほ乳器を受け入れられない、
または弱っていて、なかなか一回で目標の量を飲めないことも多く、
そのためもっと頻回の授乳が必要になることも多いです。
哺乳器のメモリでは、一回でどれだけ飲めているかわかりづらいので、
必ず授乳前・授乳後の仔猫の体重を測り、何グラムのミルクを実際飲めたのか必ず確認しましょう。
哺乳器でどうしても飲めない子猫は、シリンジでの授乳を試してください。
それでもだめなら、栄養カテーテルでの授乳に切り替えます。
栄養カテーテルでの授乳方法は、胃にミルクを流し込むので、初めは獣医師の指導が必要ですが、
慣れれば難しくありません。
むしろ、仔猫の吸いつき力が落ちているときに無理に哺乳器やシリンジでねばったほうが、
誤嚥性肺炎を引き起こすので危険です。
栄養カテーテル授乳で十分に体力を回復させてから、哺乳器授乳に戻していきます。
なんか、ミルクの飲みが悪いな・・・とか、飲んでるのかどうかよくわからない、というときは迷わず獣医師に相談しましょう。
そしてミルクの後は(前でもいいです)お尻をティッシュで軽くマッサージして、排尿、排便をさせてあげてください。
仔猫は3週齢までは自力排尿・排便ができません。
うんちは数日出ないこともよくあります。
3日以上出ないときは、少しミルクを薄めに作ってみてください。
それでもなお数日出なければ、獣医師に相談して下さい。
便秘でもミルクをしっかり飲んでいればそれほど心配いりませんが、あまりに便秘をほっておくと
ミルクの飲みが悪くなってくるので注意しましょう。
こうした一連のお世話は、必ず記録用紙を作って記録しておきましょう。
記録用紙には、
日・時間・授乳前体重・授乳後体重・排尿・排便
を記録できる表を作成し、それに記録をしていくことで
ちゃんと体重が増えていっているか、便秘になっていないか、を
表で確認できるようにしていきましょう。
一日に、だいたい10から15gずつくらい体重が増えて行っているとOKです。
仔猫が危ない時の緊急サイン
●ぐったりしている、ひきつけを起こしている、体が冷たい
→低血糖の可能性が高いです。
すぐに保温・ブドウ糖を飲ませて、動物病院に駆け込んでください!
●呼吸が速い、舌が青い、ミルクを飲めない
→肺炎を起こしている可能性があります。
哺乳器での授乳を中止し、動物病院に駆け込んでください。
そして3-4週齢位になって、ちいちゃな歯が生えてきたら、ようやく
離乳への一歩です。
ここまで来たら、乳飲み子期は終わり、キッズ期へ向かいます。
里親を探す場合も、このころから探し始めると良いでしょう。
出産ラッシュのこの時期、いつどこで子猫と出会うかわかりません。
最近猫の手術室でも、妊娠猫さんが手術待ちをしている間に捕獲機の中で産気づき、出産しました。
お母さん猫は避妊手術を行い、リターンしました。
産まれた子猫は保護主さんが育児し、すくすくと育っています。
猫の手術室では、野良猫が院内で出産した場合は上記のようなパターンになります。
仔猫を病院で預かり、育児することはできません。
ですので、お腹の大きいノラ猫さんを捕獲して、手術室に預ける場合は、
新生児を保護することになる可能性も考慮していただきたいと思います_(._.)_
さて、何かと大変な赤ちゃん仔猫ですが、
一番大変な時期を乗り越え、1か月齢位になると、それはそれはカワユイです
赤ちゃん仔猫に出会ったら
初めは困ること、戸惑うことも多いですが
かわゆさを存分に楽しんで下さいね
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