スミレのお里 | 森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

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「世界の国の人と自然」を愛するヨメが
「岩と雪と氷」を愛したダンナと
日々のつれづれを発信します。

ずっと前から気になっていた「いがりまさし」さんの『日本のスミレ』・・・、買いたいけれど
プレミアがついて1万円越え(;'∀')

植物の同定には、いがりさんの検索システムを利用させてもらっているが、やはり読み物と
しての本を手元に置いておきたくて、折衷案でkindle版を購入。


そして、先日みた花がアケボノスミレか確認しようと本を開くと、このスミレのコラムに目が
いった。


 
アケボノスミレは、日本海気候と太平洋気候、どちらにも属さない内陸部に分布して
いるのだそう。お里は中国や朝鮮半島で、日本列島がまだ大陸と地続きだった頃は
今よりもっと広い地域に生息していたのだと。日本が大陸から離れ、日本海側、太平洋
側の気候が顕著になると、徐々に分布地を内陸部に狭め、今に至ると書かれていた。
なるほど、今回見た地域と一致する。


先日、山で出会った植物博士が、アケボノスミレは葉っぱと茎が離れて生えている、と
仰っていた。大抵のスミレは花の足元に矢じり型やハート形の葉っぱが広がっている
のに、これは花柄がいきなり地面からヌボーっと伸びていて葉っぱは離れている…、
そういえば花の色も珍しい。スミレの中ではちょっと異色な感じがした。


日本が島となって気候が変化し、それに合わせて植物も分布やその姿を変えていく中、
大陸を離れた小さな日本丸(=日本)から下船し損ねたアケボノスミレを想うと、少し胸が
痛む…。


私は大陸生れ、皆とはちょっと違うの…。


いがりさんの本を読んで、アケボノスミレのそんな独り言が聞こえた気がした。