初日、空港から車を走らせ、セイロン紅茶の産地、ヌワラエリアへ。標高1000~2000mの
冷涼な丘陵地で、英国の香りがプンプンするアジアらしからぬリゾート地といったところ。
翌朝は早起きして、ホートン・プレインズ国立公園に出かける。
2010年に「スリランカの中央高地」として世界遺産に登録されている国立公園。
*ホートン・プレインズ国立公園
*ピーク・ウィルダネス保護区(=アダムスピーク)
*ナックルズ保護森林区
の3つを合わせた世界遺産の登録である。
英国統治時代の総督、ロバートホートンの名前から・・・。
様々な固有種など生物多様性を認められて登録されたのだから、シンハラ語の名前を
付けてほしいなぁ・・・。
標高2000m弱を、トレイルヘッドに向かっている途中で陽が昇る。
雲海が美しい。
そう遠くない距離に、明後日登るアダムスピークがマッターホルンみたいな角度で、
ピンッと立ち上がっている。皆さん、ちょっとビビっておられる。
ズームで撮ってみると、山頂部に建物が見える。その中に、仏足石が祀られていて、
それゆえ、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教、イスラム教の四大宗教が、聖地と崇め、
詣でるようになった。
明後日の今頃は、私たちもあの山頂にいるはずだ!
宿泊していたヌワラエリアのホテルは、現大統領の兄弟が経営してるとあって、用意して
もらったお弁当もなかなか充実(^^♪
駐車場でストレッチをして、ゲートで荷物検査を受ける。
この公園は動植物の固有種が多いのだそう。
動物保護のため、ビニール製品を誤食しないよう、持ち込みには厳しいチェックがある。
ペットボトルの包装は剥がして、個装された飴なども基本は禁止。
公園のライセンスガイドであるニマールさん曰く、昔は小型の象もいたとのこと。
英国統治時代、娯楽としてのハンティングで絶滅したと・・・。釣りを楽しむために虹鱒も
放流し、ほかの魚がいなくなってしまった、と不満が止まらない。
紅茶やインフラ整備など、この国の発展にイギリスはなくてはならない存在だったので
あろうけれど、その影響はあまりにも大きい・・・。NZと同じように、彼らが持ち込んだ
動物から家畜を守る柵代わりのエニシダが、この公園にも繁茂していた。
残念なことは、野生動物保護局がこうやって保護活動を行っているのに、地元の観光
業界が渓流釣り再開を目指しているという・・・。
地域の発展と保護活動、どう折り合いをつけるか…、国の品格が問われるところだろう。
この公園のハイキングコースは、周遊コースになっていて、途中、ワールズエンド、
リトルワールズエンド、ベイカーズ滝と、3ヶ所の見どころがある。
ワールズエンドは、世界の果てという意味・・・。
1000m近い急な崖になっていて、落ちたら最後、的な意味からの名前だと思っていたが、
ニマールさんの説明では、10時頃になるといつもガスが上がってきて何にも見えなくなり、
それが地の果てのようだから、ということであった。
ニマールさんは、公園のベテランガイドさんで、ロンプラ(世界中で販売されている
ガイドブック、ロンリープラネット)にも掲載されているのだそう。
会社に行くような普通のスラックスでワイシャツ着て、大丈夫?と心配になる風貌だけど、
任せて安心な、良いガイドさんだった。
確かドイツ語を話しているようだった。
見るのも怖い~~といううちのグループを尻目に、いろんなポーズで楽しんでる。
ワールズエンドは870mドロップで~~す。
リトルワールズエンドでも200mドロップ・・・。気ぃつけなはれやっ!
ベイカーズ滝は、周回コースから2~3分離れた場所にある。
水量少なし。
歩きだしすぐのところに2005mの基準点?なるものがあり、そこからが周遊コースと
なっている。なので、行きも帰りもここに寄る。
反時計回りの方が体は楽だけれど、ガスが上がる前に少しでも早くワールズエンドに
着くよう、私たちは毎回、時計回りに歩いている。
公園の管理事務所には、ガイドブックやはがきなど、ちょっとしたお土産も置いている。
昨年は埃のかぶったような粗末な小冊子しか見当たらなかったけど、今年はずいぶん
お土産コーナーが充実していた。
けど、相変わらず地図はなかった苦笑!!