佐渡の山旅6 宿根木 | 森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

「世界の国の人と自然」を愛するヨメが
「岩と雪と氷」を愛したダンナと
日々のつれづれを発信します。

トキのほっかむりをした女将さんと来年の再会を約束して、ホテルを

出発し、宿根木集落へ。

 

ガイドさんたちから『先生』と呼ばれてる本間さんによる丁寧かつ

軽妙な解説を受けながら小一時間観光。

戦国時代以降、金山直轄地の『相川』と廻船港『小木』は大きく発展

した。小木港のすぐ東にある宿根木には、廻船業を営む人々が住んで

おり、佐渡の富の3分の1を集めていたと言われるほど栄えていたという。

 

船大工さんの技術がひかる三角屋や、宮大工と船大工合作のお寺の

門などを見学。本間ガイドの上品な冗談に、輪をかけて笑いをとる

私たちのグループ、それをまた引き受けて冗談を被せる本間ガイド! 

非常に奥の深いご案内なのに、なぜか笑いがたえない。

...

ホテル送迎のドライバーさんのご厚意で宿根木のカフェでコーヒー

タイムもとらせてもらった。このマスターがまた大爆笑のおもしろい

オジサマで、もうおかしくておかしくて(笑)!

この互いのコミュニケーション力はなんなんだろう!
大阪、宿根木、いずれも人の往来の多い港町に共通するDNA

だろうか(笑)? それとも北前船が繋いだ昔からのご縁ゆえ(笑)? 

各地から配流された貴族や文化人の知慧やウィットが島民に転化

したのか(笑)?

とにもかくにも旅の締め括りに相応しい心地よいひとときでした。 

佐渡の自然の素晴らしさはもちろんなのだけれど、千手杉のエコガイド

の後藤さんや山のガイドの塚本さんを含め、佐渡の方のお人柄に

触れることができた、本当によい旅だった。

また来年も訪ねたい!白根葵ちゃんだけでなく、佐渡のお人柄にふれに。

 

添乗さん、見てってぇ~、とさりげなく私に振ってくる女将さん

 

宿根木のバス停のすぐ前は海。

古くから廻船業で開けた集落だ。

船を繋いでいた「船繋ぎ石」が7つ。そのうちのひとつにカモメが2羽、

羽を休めていた。

 

屋根が飛ばないよう、石に穴をあけて細工をしてあるのが、この集落の

家の特徴。これはミニチュアのお家の形をした郵便受け。

石を手に取ったあと、穴にきちんと刺すのがちょっともどかしい。

が、さすがの本間ガイド!この石を我々の方を見ながら、刺したり

抜いて見せたりを事もなげに繰り返す。

足元もおぼつかない感じのジイサマなのに、完璧な弾丸トークと

次から次へと繰り出すジョーク、そしてこの、石の入れ戻しが絶妙!

 

世捨小路。集落奥にある神社やお寺(=山)と海側をつなぐ小道。

亡くなった人の魂が出てゆく道でもあったのだとか・・・。

 

鋭角な形をしたおうち。ちょっと前まで人が住んでいたというから

びっくりぽん!右側の庇の下は、トイレのくみ取り用。

ここは京都のように間口の狭い細長い家が多かったため、当時の

佐渡奉行は考えた!窓の大きさで年貢を決めようと!

こっちも負けてへんで~、なるほど、どこも窓が小さい!!

 

この鋭角っぷり!!

狭い土地なので、手に入れた土地を有効活用するため、こんな

いびつな家が多くなったのだそう。

が、この地の船大工の技術は非常に優れていて、土地に沿って

上手に家を建てたのだそう。そう言われれば、側面が緩やかな

弧を描いていて、船の曲線を思わせる。また、一番下の腰板は

船を再利用したものだそう。

 

上2枚の写真の平面図。

 

称光寺の山門は、宮大工さんが作ったもので、釘を使わないなど、

素晴らしいのだが、時が経つにつれて劣化し、仕方なく船大工さんが

片方だけ、見よう見まねで作ったとか。

右と左を見比べてみると、違いはほとんど分からないのだけれど、

唯一、板と板のすき間が、船大工さんの方が殆ど見られないほど

ぴったりくっついていた。船に隙間は禁物、というのが門にも表れて

いて、おもしろかった。

 

ドライバーさんに無理を言って、コーヒーブレイク@茶房やましたさん

船主の納屋を利用した店内には、たらい舟のテーブルが・・・。

マスター、今回の旅一番の強烈キャラ!コーヒーを出したと思ったら

いきなり、女性二人の間に座り込み、自由奔放なトークで周りを

笑いの渦に・・・爆!

 

再び、フェリーあかねに乗り込む。

アニーローリーのメロディーで離岸してゆくのを眺めていると、何だか

とても長い旅を終えたような気になった・・・涙

ちょうど1年前にも食べたお弁当を再びいただきながら、撮った写真を

眺めなおす。旅の思い出を反芻できる、1人の隙間時間が大好きだ。