佐渡の山旅9 薬草 | 森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

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日々のつれづれを発信します。

佐渡で見かけた薬草をいくつかピックアップ!


1.カタクリ

これ、岡本太郎のデザインみたいな形をしてる(笑)!

花が咲くまでの独身時代?を1つ葉で過ごす。7~8年目に葉が2枚になり、

やっと開花。寿命は約4~50年と推測されている。
春に1年分の光合成を目いっぱいして、あとの時期は地中で過ごす。
そんな背景を知ってか知らずか、この花の人気は絶大!
雨や湿気の多い日は閉じるのだけれど、悪天の今日も頑張って開いて

私たちを出迎えてくれた。

 

もう実になっているのが殆ど。

例年よりも10日から2週間早い開花だった感じがする。

 

2.ミヤマトウキ(深山当帰 日本の固有種 山地性でなく高山型亜種)

斜面に群生してる!!プンプン臭う!!セロリのような強い臭いが特徴。

薬草風呂に入っている気分になれる♡

漢方仲間がいたら大騒ぎだったと思う。私は心の中が大騒ぎだった。

 

血の道に効く漢方薬の代表格、当帰のご親戚。女性の強い味方。

産前、産後の薬として海府(大佐渡を囲む北側の海岸線と南側の両津までの

海岸線)の女性たちは山でこの根を採ったそう。

『佐渡国薬種二十四品』の中にも掲載されてるそうだから、かなり実用されて

いたのだと思う。

 

 3.レンゲツツジ

今回の主役は間違いなくこの花!

あいにくのお天気で白く煙った稜線上でも、遠目にも鮮やかな朱色が

とても美しく、滅入る気分を励ましてくれた。

日当たりの良い場所で咲くので、稜線上の禿げた崩壊地に多くみら

れる。樹林帯と、崩壊地が交互にやってくる、というのが大佐渡の
トレッキング。

 

蕾が蓮華上につくところからレンゲツツジ。なるほど・・・。

旧暦の灌仏会(お釈迦様のお誕生日)には、竹竿の先にこの花を

束ねて飾り、庭先などに高く掲げる習慣があり、お釈迦さまに捧げる花

だから、「釈迦花」「上げ花」「高花」「天道花」とも言われているらしい。

お薬師さんの縁日だから「薬師花」という場合も。

 

ツツジはジャムにしたり蜜を吸ったりできるものが多いが、この花は有毒。

葉をリューマチなどの薬に利用すると薬草辞典には記されている。

 

4.ズダヤクシュ(喘息薬種)

喘息のことを木曽の方言で「ズダ」とよぶ。その薬種だからズダヤクシュ。

英語ではレースフラワーとかフォームフラワー(石鹸の泡に見立てて)と

言われるとのこと。佐渡の山は、あっちもこっちもアワアワだった(笑)!

が、『佐渡の花』によると、佐渡での喘息の民間薬はカリンや南天を

利用したそう。ズダヤクシュ、出番なし(>_<)

 

5.コハマナス

ハマナスと野イバラの自然交配種。

昔、山を登るときにハマナスの実をおやつ代わりに持ってゆき、それが

野イバラと交配したという説があるようだが、実際には不明。

いずれにせよ、希少種。ハマナスも山中で見られる。

 

ハマナスの花びらは、月経過多や下痢止めに利用され、実は豊富な

ビタミンがあるので、疲労回復や暑気あたりに薬効があるそう。

山のおやつにまさしくピッタリ!

 

6.ツリガネニンジン

これまモシャモシャ、たっくさん生えていた。

山で旨いはオケラ(白朮)にトトキ(釣鐘人参)といわれるほどの美味!

ご参加者のお一人がしきりに、これは天ぷらにするともっちりして旨い!

を連発されていて、どれだけ食べたい欲がでてしまったことか・・・。

こんなに群生しているなら・・・、と思うものの、国定公園内なので

もちろん採取は禁止。

 

こちらも咳止めや痰切りに根っこを使う。

外用で、皮膚のお薬にも利用できるそう。

 

7.ヤマブドウ

これもまた魅力的な・・・。

昨秋、信州で買ったものをジャムにしたのだが、もひとつ上手に出来

なかった・・・。砂糖がとけずにざらざらしたような、そんな舌触りの

美味しくないジャムになった。ベテランさんに聞いてみたら、酒石酸の

せいだと判明。ヤマブドウはこの酸が多いので、ジュースやワインに

加工しても、ジャムの製品化されたものは少ないのだと・・・。

種も多いし、皮も固い。

 

まぁ、こういう、やってみないと知りえないことを身をもって体験する

ことは大事だと思う。

結論としては、生食が一番エエ~~(笑)!

一般のブドウと同じように、疲労回復や造血作用があるとのことだから、

これまた山のおやつにもってこいだわん♡

 

*佐渡国二十四薬種   マーカー は今回見たもの

タラの木(海桐皮)、イカリソウ(淫羊カク)、コブシ(辛夷)、オウレン(黄連)、

ホクゴミシ(北五味子)、オグルマ(旋覆花)、イトヒメハギ(遠志)、

ノダケ(前胡)、ウド(羌活)、ネナシカヅラ(菟糸子)、アマドコロ(萎スイ)、

ツリガネニンジン(沙参)、ボウフウ(浜防風)、杜仲(冬青衛ホウ)

クガイソウ(草本イ霊仙)、サジオモダカ(沢瀉)、シュロソウ(リ蘆)、

トウキ(当帰)、ツリガネソウ(鬼臼)、サラシナショウマ(升麻)、

山トリカブト(烏頭・附子)、ウスバサイシン(細辛)、オニドコロ(ヒカイ)、

ツクモ(荊三稜)、

 

*その他

カラスビシャク(半夏)、カントウマムシグサ(天南星)、ニワヤナギ(篇蓄)、

アミガサユリ(貝母)、夷草(決明子)、クコ、蔓ドクダミ(何首烏)、

ホソバオケラ(佐渡蒼朮)