昨日のニュースで、中国の広州だったかどこかで、オーストリアのハルシュタットの
真似をした村が出現、物議を呼んでいるとのこと・・・。
ハルシュタットといえば、昨年行ったばかりの、湖が美しい世界遺産のまち・・・。
ニュースの内容を鵜のみにしてよいかは分からないけれど、中央に映るホテルの建物の
色や形までそっくりにコピーして観光誘致をしているばかりか、本家のハルシュタットの
広報にも一役買っているぞ、どや!というような中国のスタンスが報道されている。
この銅像もそっくりに建てました、と・・・。
人はとかく、二番煎じを嫌がるのに、どうして中国はそんなにコピーしたがるのだろう・・・。
経済力もどんどん強くなり、ゆとりある生活を手に入れつつあるのだから、何かの真似を
して利益を得る便乗商法なんてしなくっても、そんなことに使う頭や労力を、オリジナリティー
の捻出に割けばよいのに・・・。
また、広い国土には、どこの国にも真似のできない自然遺産がそこここにあるし、長い
歴史も持った国、知恵もまわるし、商売っ気だってすごくあるのだから、後ろ指を指され
かねないような手法でお金儲けをしなくっても良かろうもん・・・、と単純に思ってしまうの
だけれど、それは日本人的発想なのかな・・・。
それでも、真似をしたり、何かにリンクさせるというのであれば、その相手先に了解を得たり
互いのメリットを明確にしたり、と、やはりもうちょっと考えた方がよくない???
大国の仲間入りをしたのなら、グローバルスタンダードを知るべきだよね~~~。
この、たわわになった洋ナシやブドウの木が家の壁に絵のように貼りついたのが、強く
印象に残っているんだけど、さすがにこの真似は出来んでしょう???
だって、生り放題は盗まれちゃうでしょ?
この木は私の心を、かんなりかき乱してくれましたわ・・・。
これも、ここだから美味しいんだけどね・・・。
私はやっぱり中国に行ったら、中国の手つかずの自然を眺め、国土がはぐくんできた
美味しい中国茶を飲み、耳に馴染む北京語のおしゃべり聞きながら、まったりした時間を
過ごしたいけどね・・・。
以下、2007年1月に、おなじみ、スラさんの会社「深呼吸クラブ」のお手伝いをしている頃、
スタッフとして書いた一私の文と写真を転写します。
中国が残すべきもの
2007年1月30日
「ヒマラヤの幻の青いケシ」ではなく、中国で峠越えの際にバスを降りて道脇で撮った
青いケシです。清楚で可憐でみずみずしく、しかしながら気品高いその風格は、幻でなくとも
その価値を充分に感じるものでした。
中国は、沿海部と内陸部の経済格差が激しいゆえ、2000年より国家プロジェクトとして
西部大開発という事業を進めました。かつては辺境といわれた中国南西部に、主に道路や
宿泊施設、レストラン、ロープウェーなどを建設し、積極的な観光誘致をしています。
この青いケシにお目にかかれるのも、その開発の恩恵と言えるでしょう。楽に早く快適に
かつての辺境に辿り着けることはうれしい限りですが、中国は巨大な人口を抱える大国家・・・、
観光開発は半端ではありません。
一日に1万人を超える入場がある国家公園などは、トイレの数を考えただけでも自然破壊という
言葉を連想させます。地球規模的な観点から、世界中の自然や文化遺産は、後世に残すべき
我々人類の宝物です。「開発」と「保護」のバランスは、現代の最重要課題ではないでしょうか・・・。
2006年夏、このケシを撮影した四川省に、ジャイアントパンダ保護区群として、四川省5つ目の
世界遺産が誕生しました。発表の日、図らずも私は現地にいて、村に人たちと一緒にお祝いを
しました。
今年はますます旅行者が増えることでしょう。このお祝いが乱開発を伴う村の発展を願うもので
なく、貴重なパンダを守るためますます自然保護を考えねばならないと認識を新たにした
第一日目だったと願うばかりです。