ブータンの花 | 森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

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「世界の国の人と自然」を愛するヨメが
「岩と雪と氷」を愛したダンナと
日々のつれづれを発信します。

2ヶ月ほど前になるか、新聞を読んでいると、「ブータンの花」という本が出たという文字に

目が留まった。


今や大人気のブータン、私は幸運にも、二度、ブータンへ仕事で渡航させてもらっている。

初めて足を踏み入れたのは1995年、今から20年近く前のことである。

出発前に勉強しようにも、ガイド本はあんまりなくて、地球の歩き方は「フロンティア版」で

ブータンがあったけれど、それ以外の旅行者用のガイド本は見当たらなかった。


読んでおくべき本として、ブータンで農業技術指導で活躍された西岡京治さんの「ブータン

神秘の王国」と、中尾佐助先生の「秘境ブータン」の二冊を教えてもらったけれど、中尾

先生の本は手に入らなかった。行ったこともない国だし、イマイチ、ピンと来てなかった

けれど、中尾先生は大阪府大の教授、西岡さんはその教え子ということで、うちの近所の

大学と縁があることで、ちょっとだけ身近に感じられた。


そうそう、昭和天皇ご崩御の時に、今の国王のお父さんが来日されていて、日本の着物に

似た服を着ていたことだけは頭に残っていたっけな・・・。


まぁ、とにもかくにも、本屋に行ったって、ブータンの本なんて売ってるのかどうか、という

感じだったのに、今や、いろんな人がブータンの本を書いているみたい。

本屋には、ブータンとタイトルにつく本がいっぱい並んでいる。


ブータンといえば、国民総幸福量、というのがキーワード。

このことは、ちょっとじっくり語りたいので、今日はやめときます!


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新聞を見て、紀伊国屋に速攻出かけたけれど、売ってなかった!

で、お取り寄せ!!!


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この本は、1984年に朝日新聞社から刊行された本を、ブータンの何とかいう環境保護

基金みたいな組織の依頼を受けて、再編集したものらしい。


これは単なる花の写真集や図鑑ではなく、植物を、ブータンの文化や人々の生活から

切り取って紹介した民俗学的な要素が入っているので、見ているだけでも面白い。


私が渡航した時ですら、80人ほどを乗せた飛行機が週二便、みたいな、まだまだ

鎖国状態みたいな国だったのに、その30年前にお出かけになられていたお二人・・・、

日本におけるブータンのパイオニア的な存在ともいえるんじゃないでしょうか。

植物の本を書くにしても、まずはブータンとは・・・、という導入が必要だったろうから、

民俗学的な本になって当たり前か・・・。


大きくてハードカバーの装丁本は、買い求めるのにちょっと躊躇するけれど、この本は

迷いなくレジに直行しました!

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ブータン最高峰チョモラリ。

2004年春、チョモラリベースキャンプにて撮影。

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ベースキャンプから日帰りハイキングで、ジチュダケを見に行く。

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現地ガイドのツェリン。

奥さんは日本人。奥さんが出産の時、彼も来日して、うちに泊まりに来た。

初日は、晴れ女さんと3人で京都見物。

翌日は、ふみえちんと六甲を歩き、有馬温泉で日本のお風呂を体験!

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こちら、ターキンというウシ科の動物。

国王も可愛がっているらしい。この子の名前はタシ君なんだって!

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ブータンの正装のツェリンと、所属会社の社長夫人(日本人)。


男性はゴ、女性はキラという民族衣装を着ているのだけれど、ゾンという政治と

宗教の両方を司る建物に入る際は、カムニやラチューと呼ばれる布を肩から

かけて完全な正装でなくてはならない。


2004年に行ったときは、まだ家の外に出る時は民族衣装を必ず着なくては

ならなかったと思う。

今は、役所や学校に行くとき以外は、平服(洋服)でも構わないのだと、ちちん

ぷいぷいで西さんが取材していた。


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このキラキラさをみてもらうと分かると思うけれど、全部、絹。

ブータン最大のお祭りツェチュ当日、ツェリンの知人や親せきの人たち。

ちょっと裕福な層の人たちだと思うけれど、そうでない人もみな、この日はイッチョウラで

会場へお出ましだった!


ブータンは裕福とは言えない国だけれど、国民皆が、着るものにこれだけお金をかける
というのは、やはり心が豊かでないと難しいと思う。

この衣装を見たとき、国民総幸福量、というのを肌で感じた。


養老孟司は、ブータンのことを「周回遅れのトップ」と言った。

なるほど、既にモノにあふれた生活をしている私たちには気づきにくい小さな幸せは、

貧しいがゆえに感じられるものかもしれず、国民総幸福量という感覚が時代の最先端に

思えるのは、ある種の錯覚かもしれないな・・・。


国民総幸福量、というキーワード、紐解かねばなるまいて・・・!