神戸新聞連載記事より =寒霞渓と星ヶ城山= | 森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

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「世界の国の人と自然」を愛するヨメが
「岩と雪と氷」を愛したダンナと
日々のつれづれを発信します。

台風一過、涼しくなりました。関西ももうすぐ紅葉のシーズンに入ります。

紅葉とハイキング、紅葉とクライミング、素晴らしいですよね!


昨日、ダンナが書いた雪彦山、登山&クライミング&温泉&紅葉を提供してくれる

素晴らしいスポットです。是非、お出かけください。


そういう視点で今日は、小豆島をご案内したいと思います。

クライミングのことはダンナに任せて、小豆島のことを書きます。

というか、以前、知人に頼まれて神戸新聞のアウトドアのコーナー、

『遊歩道』にヨメが書いた小豆島の記事を転載しますね!



2007年11月7日掲載


紅葉に映える奇岩 寒霞渓と星ヶ城山(香川県小豆島町)

今回のみどころ~ (1)寒霞渓の紅葉 (2)星ヶ城山からの眺め (3)遊歩道の岩石群


京都アバンティ・クライミング・スクール

星ヶ城山東峰より播磨灘を望む。晴れた日には明石海峡大橋も確認できる
=香川県小豆島町


 「日本三渓美」の一つとされる小豆島の寒霞渓(かんかけい)。火山活動で生まれた
奇岩が立ち並び、その合間を広葉樹が埋め尽くす。紅葉シーズンはことのほか美しい。


 寒霞渓へは姫路港よりフェリーとバスで二時間半、京阪神からの小旅行として適当な
距離であろう。寒霞渓山頂へは、谷全体が見渡せるロープウェーも良いが、乗車時間は
五分と短いのでハイキングがお勧め。


 遊歩道は「表十二景」と「裏八景」の二コースがあり、いずれもコンクリート舗装され
分かりやすい道だ。表コースには画帖石や烏帽子岩など十二カ所、裏には松茸岩や

石門など八カ所の見どころがある。両コースはロープウェー山頂駅北側の三笠園地で

合流する。同園地には、総工費一億円の名所のトイレも。


 その後は、園地より北側に見える三笠山を越え、瀬戸内最高峰の星カ城山(八一七㍍)

東峰を目指す。道は樹林帯の地道となるが整備され歩きやすい。同山は西峰もある双耳峰

でそれぞれに島の平和と繁栄を祈願して祀られた阿豆枳(あずき)神社がある。阿豆枳が

小豆(あずき)となり、鎌倉時代に小豆島(しょうどしま)と呼ばれ始めたようだ。特に東峰

山頂からの景色は素晴らしく、播磨灘が一望できる。


 島特産のオリーブ、そうめん、佃煮、しょうゆに加え地場産業として知られるのが石材。

鎌倉時代に切り出しが始まり、大坂城築城にも使用された。福田港から寒霞渓への道

すがら、白い雛壇のように切り出された採石場が視界に飛び込むだろう。


 良質の岩はロッククライミングのゲレンデとしても有名。拇指岩(おやゆびいわ)や仁寿峰

(いんすぼん)福田港北側には吉田の岩場がある。花崗岩(かこうがん)の白い岩が立ち

並ぶ景色は見るだけでも心が弾む。近くにキャンプ場や温泉もあるので、マイカーなら

一泊するのも良い。


 この岩場に二十年来通う知人によると「昔、キャンプをしていると、テントや寝袋、

登山具を珍しがって夕方になるとやんちゃな子供たちが訪ねてきた。そのうち大人も

やって来て、家に招かれ食事をごちそうになったりした」という。週末の訪問者を気さくに

受け入れる人情味豊かな気質は、瀬戸内の温暖な気候がはぐくむのだろうか。


 町から赴任してきた先生と、島の児童との心の交流を描く壺井栄の名作「二十四の瞳」も

この地が舞台だ。島の南に岬の分教場や映画村があり時間が許せば訪れたい。

(深呼吸クラブ・森中あゆみ)


=地図省略=

▼姫路港ー(フェリーで約1時間40分)-福田港ー(バス約30分)ー草壁港ー(同約15分)

ー紅雲亭ー(以下徒歩、約1時間)ー三笠園地ー(約1時間)ー星カ城山東峰ー(約45分)

ー三笠園地ー(約50分)ー猪ノ谷ー(バス約10分)ー草壁港


▼バスの便が悪いので事前連絡を。

問い合わせは小豆島町役場企画財政課☎0879・75・1800


※この記事は過去に神戸新聞に掲載されたものです。

内容については変更になっている場合がありますので、お出かけの際にはあらかじめ

ご確認ください。