手作り保存食 その1 | 森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

「世界の国の人と自然」を愛するヨメが
「岩と雪と氷」を愛したダンナと
日々のつれづれを発信します。

山ブキの佃煮を作りました。



スーパーで山ブキ発見、居ても立ってもおられず、思わず4束買ってしまいました。

手術した右手は水に濡らせないため、左手で時間をかけて洗って、

長さを揃えて切って、湯がいてあく抜きし、お醤油とお酒と必殺「味の素」で炊きこみました。


これは、たぶん誰が食べてもあんまし馴染めない味かも・・・。

かなり醤油辛くてあまりにシンプルな味なので・・・。

でも私は、冷やご飯と冷たくひえた麦茶でお茶づけして、この濃味のフキを食べるのが

この上なく大好きです。これを食べなきゃ春が来ないという感じ。


私の両親は山歩きやドライブが大好きで、小さい頃から、春には大峰方面に

家族でドライブに行って、みんなでフキやスカンポを摘むのが恒例行事の一つでした。

ジュリーの歌をカセットでかけて、妹と絶唱し、舗装道路がガタガタ道に変わると

河原や土手にフキの葉が目立つようになります。

アクで手が真っ黒になるフキは両親が摘んで、折ると「ポン」と大きな音の鳴るスカンポが

もっぱら私たち子供の仕事でした。といっても、スカンポはその時にカシカシと酸っぱいのをかじって

ポイッチョして終わりなんですが・・・。


梅干しのおにぎりとテルモスのお茶、河原で楽しいお昼ごはん。

種だけの「アタリ」は誰が食べるか?も毎年恒例の「お楽しみ」のひとつ。

食後、川で私たちが遊んでいる間、花好きの両親は、気になる山野草を拝借していたような・・・?


家に帰ると、父はゴルフをテレビで見て、私たちは遊び疲れてグーグー。

母は摘んできたフキをせっせと掃除してあく抜きし、炊き始めます。

すごい量を摘んでくるので、洗うだけでもひと仕事、大鍋でもこぼれそうなほどの

量を、ひとり黙々と炊いてくれていました。

うたたねしながら嗅いでいた、お醤油とフキの絶妙な匂いは、

今も私の鼻の奥にしっかりとインプットされています。


私も妹も嫁ぎ、母もなくなった今、春の恒例行事はもうありませんが、

母が炊くフキの味だけは、何とかこれからも受け継いでいきたいと思っています・・・。