先日、クライマーの山野井さんご夫婦の講演会に行ったことを書きましたが、ダンナが以前読ませていただいたお二人の本を私も借りて読みました。
この本はお二人が書いた本ではなく、お二人のことを書いた本です。グリーンランドのビックウォールに挑まれたお二人のドキュメンタリー本です。成功までの行動がこまかに書かれていますが、どちらかと言えば、遠征の様子より、ご夫婦の素顔が描き出されているんです。世間離れしたストイックな生き方をされているイメージに反し、穏やかに互いを思い遣るお二人の生活が、ほんわかと伝わってきます。
二人とも死ぬのは嫌だから必要以上にロープを結ばない、と講演会でご主人が笑って仰り、私は『なんと冷たいダンナや！ヨメを助けたい、とか、死ぬときは一緒や！と思わんのかい！！』と亭主失格の烙印を押したのは大間違いでした。
ロープを結ばないのは、互いの力量を知りつくし、互いを信頼しているからこそ出来るのだと、この本を読んでよく分かりました。
クライミング云々より、夫婦のあり方を考えさせられる一冊でした。