1.5倍速タルカス、サックス版ピアノフェイズetc…尖鋭的SAX奏者●小埜涼子『Undine』 | 愛しのジャンポール

愛しのジャンポール

友だちはスズメとカエルさんだけ


元BASSIST、現在ALTO SAX吹いてます♪

ヘンな音楽とかフツーの音楽とか、楽器、サクラ大戦、スズメ、カエルさんとか… 
ドーデモイイ日記ですがよろしくよろよろですのだ (・o・)

 
6月10日(金)晴れ


みなさま
ごまークマ



先日、たまたま通った公園にいたよ↓


160530_114537.jpg
クジラ。


160530_114646.jpg
かわいいね。


160530_114831.jpg
うしろ。


160530_114441.jpg
鯛? 金魚?



160530_114929.jpg 160530_115059.jpg


以前、あさみんさんの「公園手帖 コンクリート動物百景」という本を紹介(←過去記事LINK)しましたが…
私もコンクリート遊具を見掛けたら写真を撮るようにしています。
しかしなかなか見掛けませんね。実は今回が初めてです。

そう、コンクリート遊具は絶滅の危機に瀕しています。
みなさんも見かけたら是非、カメラに収めましょう。
次に行った時にはもう無くなっているかもしれません。





話カワル。


今日、チャラン・ポ・ランタンの『たがいの鍵穴』を買いに行きました。
インディーズ時代に出した3部作の1枚です。そろそろ買っておかないとヤバいかなと思って…


大阪城公園で記念撮影↓
160610_194136.jpg
「サックス・ワールド」という雑誌があったので買ってみた。

初めて見る雑誌です。それもそのはず、「Vol.1」と書いてます。
しかもどうやら今日が発売日らしいです。

「サックス&ブラス・マガジン」から模様替えするも、たった3号で廃刊になった「サックス・マガジン」…
その編集スタッフ陣がほぼそのままで、出版社とタイトル変えて復活したというのが当雑誌のようです。

セルマー・マーク7特集が素晴らしい◎
渡辺貞夫、土岐英史がマーク7の魅力について語っています。
マーク7といえば私にとっては梅津和時、そしてクリス・ハンターです。
(本田雅人は最近マーク6を使ったりしてるので×)
クリス・ハンターはともかく梅津さんが載らないというのは非常に残念。この雑誌も甘いな。

この手の雑誌はもう買わなくなって久しいですが、「サックス・ワールド」は今後も少し気になります。
しかし1620円… 本って高いなぁ。





話カワル。


今日ネットをチェックしたら、非常にショックなことがありました。
それは、セオ・ワニーのマウスピース・リフェイシング・キットが売り切れてしまったことです。


【過去記事】
セオ・ワニーのリフェイシングキットが欲しい!(ジョン・ゾーンのマウスピースがヘンです。)
http://ameblo.jp/avant-sax/entry-12146344197.html



イシバシ楽器が販売する、マウスピース職人のセオ・ワニー氏のリフェイシング・キット。
これはハズレのARBメタル・マウスピースを何とか自分でリフェイスしたい私に、絶対に必要なのです。

※画像はイシバシ楽器のサイトより無断転用。


しかし、30,240円という小金がなかなか捻出できなくて直ぐには買えなかった私。
売り切れていないかとヒヤヒヤしながら毎日のようにネットを確認していました。

それで、やっと今月末に買えるだけの小遣いの余裕が出来ました。
だというのに…

今日、売り切れてしまいました。
再入荷予定は立っていないとのことです。


しばらくは立ち直れません。

売り切れたあとも、毎日ネットを覗きます。
これからもずっと覗きます。





話カワル。


最近とても気になる日本人女性サックス奏者が2人います。
しかもかなり先鋭的でアヴァンギャルドなアルト奏者です。

今日はその1人を紹介します。
この方です↓


小埜涼子 小林雅典 デュオ・ソロ improvisation

初めはギターとのデュオですが、3:30~はサックス・ソロです。


今更ではありますが、小埜涼子さんです。

以前からYouTubeで動画は色々チェックして見てたのですが…
先日やっと彼女のファースト・ソロ・アルバム(2012年発売)を買ったので、やっと記事にします。
(去年10月にはセカンド・ソロもリリースされてますが、そちらはまだ買ってませんガーン



小埜さんは名古屋を拠点に活動するサックス/フルート奏者。
2006年にドラマーの吉田達也さんとサックス・ルインズを結成し注目を浴びることになりました。


SAX RUINS Live at valentine drive in Nagoya , Japan



サックス・ルインズは「サックスの多重録音とドラムでルインズの曲を再構築するプロジェクト」。
ライブではサックスは多重録音の代わりにエフェクターを駆使して音の厚みを出しています。
ルインズの特徴であるプログレッシヴな変拍子やキメの嵐も難無くこなすその技量は相当なもの!

小埜さんの音楽性、そしてジャンルの広さと深さもタダモノではありません。
そもそも「サックス奏者で最初に衝撃を受けたのはジョン・ゾーン」とのこと!
そして「昔から一貫して好きなのはスティーヴ・コールマンとグレッグ・オズビー」だそうです。
(当時は私、M-BASEは苦手で避けてきましたが、今になって物凄く聴きたくなってきました。)

90年代の所謂オルタナ/ミクスチャー世代で、大学時代には想い出波止場をよく聴いてたという彼女。
「『大音楽』の1曲目の〈アストロ・ヴォルカノ・ブレイク・ダウン〉のドッカーンという爆発音をCDプレーヤーにタイマー・セットして毎朝目覚ましにしてました。」とのことです。

お見それしました。


[参考]
インタビュー:【小埜涼子】異能のサックス奏者が、多彩で奇抜なソロ・アルバムを発表!
http://www.cdjournal.com/main/cdjpush/ono-ryoko/1000000753






お気に入り動画をあと2つほど貼りますのだ↓


Usui Yasuhiro & Ryoko Ono Duo Improvisation
名古屋の即興シーンを代表するギタリスト、臼井康浩さんとのデュオ。
臼井さんメガシブ! フリーインプロのギタリストでは私が最もライブを見てみたい人です。

小埜さんは名古屋即興シーンの重鎮こと柳川芳命さんともデュオをしてますが、動画は無さそうです。
因みに柳川さんは、若松孝二監督「エンドレス・ワルツ」の阿部薫役のサックス演奏の音を当てた人。




Mikawa Toshiji+Ono Ryoko(part3)@Shibuya Bar Isshee(2012.5.19)

私の最も好きなノイジシャン、美川俊治さんとのデュオ。
小埜さんはサックスの他にラップトップのエレクトロニクスも演奏。



動画はアヴァンギャルドなものばかりですが、小埜さんは普通のブルースやロックのバンドでも活動。
過激な音楽ばかりでなく幅広いジャンルをこなすところもカッコイイですね。





アルバムレビューも一応…↓



dms-145.jpg
CD小埜涼子 『Undine』



2012年リリース、何かと話題になった初のソロ・アルバムです。
基本、彼女自身によるサックス(アルト&ソプラノ)、フルート、キーボードの多重録音及びソロの作品。
2曲のカヴァーを除き全曲彼女の作曲です。

その2曲のカヴァー曲は大変話題となりました。
まず1曲はスティーヴ・ライヒの「ピアノ・フェイズ」です。
2台のピアノが同時に同じ音型を反復演奏し、1台が微妙にテンポを変えていく典型的なミニマル音楽。
2台の演奏のズレからモアレが発生し、やがて1周遅れで追い付かれて再びピッタリ重なるアレです。

動画ばかり貼ってすみませんが文章より分かりやすいので↓


Reich: Piano Phase



これを小埜さんはサックス2本(オーバーダブ)でやっています。
この最後まで息継ぎ場所が無く途切れることのない演奏を、循環呼吸を駆使して吹き切っています。
是非とも聴いて欲しいのですが、残念ながら音源は見付からず。

全然関係ないけど代わりにこんなユニークなのを発見↓


Game Boy Phase

ゲームボーイ・フェイズ!




さて、もう1曲のカヴァーは、本アルバムで最も話題となったエマーソン・レイク&パーマーの…
1.5倍速「タルカス」!

この曲では吉田達也(ds)がゲスト参加。
サックス・ルインズで共演してるだけあって、ただでさえ複雑な曲が1.5倍速であろうと息はピッタリ。

原曲では約20分あるこの曲を、収録時間の都合上どうしても15分で収める必要があったそうです。
一部をカットして15分に編曲して録音するという手もありましたが、それよりも先に…
「だったら1.5倍速で演奏して時間内に収めたらいいや」と。


Ono Ryoko - Tarkus (Emerson, Lake and Palmer)



あとグリフォンの「チェックメイト」と、PFMの「リバー・オブ・ライフ」も録ったそうですが…
タルカスの1.5倍のインパクトが凄かったので、結局タルカスを採用したとのこと。
わぁ~チェックメイトとリバー・オブ・ライフもめっさ聴きたい! 何らかの形で公表して欲しいです。
それにしてもPFMも驚きですがグリフォンって?! 普通、女子が聴く音楽ではありません。
私も久々にグリフォンの『女王失格』を聴きたくなり、最近ヘビーローテーションで聴いてます。



アルバムは他にも聴きどころが満載です。

チャーリー・パーカーの名曲メドレーの「birds」。
白木佐也加さん(vo)がゲスト参加、サックスとユニゾンでヴォーカリーズのように歌ってますが…
なんと歌詞が化粧品ブランドの羅列になっています。
私は化粧品ブランドをよく知らないせいか殆んど聞き取れませんが、「エメロン」だけ分かりました。

「eager beaver」は他の曲に比べるとインパクトが薄いかも知れませんが、私のお気に入り曲です。
オーバーダブによる2本のサックスの演奏ですが、作曲作品のようでもあり即興のようでもある曲。
1本の演奏だったらアンソニー・ブラクストンのコンポジションっぽい感じになりそう?
それは「fluffy」という曲にも言えることで、こちらはアルト1本の演奏で1分半の可愛らしい曲。

「morphing」は1つのフレーズを循環呼吸で永遠と反復させるミニマル的な曲。
モーフィングとは映像作品で使われるSFXの1つで、それを演奏で試みたような曲です。
反復の途中で重音奏法を用いたりアーティキュレーションを変えたりして境目なく変化させていきます。

全13曲収録で、1~6が〈side A〉、7~11が〈side B〉、12~13が〈side C〉と記されてます。
もちろんCDなので続けて1枚に収まってますが、そんなコンセプトもプログレ的といえそうです。




以上です。

小埜さんは演奏テクニックが素晴らしいだけではなく、音楽性も実にヴァラエティに富み素敵です。
「サックス=ジャズ」という固定概念をひどく嫌う私ですが、それを覆してくれるサックス奏者…
既にやり尽くした感のあるサックスという楽器に新たな可能性を感じさせてくれるサックス奏者です。
是非とも彼女をライブで観てみたいものです。


因みに使用マウスピースはラバーで、彼女のブログを遡って読んでいくと恐らくランバーソンです。
ランバーソンの動画がありました。小埜さんのと同モデルなのかは分かりませんが…↓

LAMBERSON 5SB


ティップ付近(息の入り口の近く)にはっきりとバッフルが付いているのが確認できます。
このバッフルによって息の通り道が狭くなり息のスピードが上がり、音色も鋭角的で明るくなります。


あとラバーのデュコフを使ってた時期もあるようですが、結局はランバーソンに戻るそうです。
ヴァンドレンのJUMBO JAVAも購入し所有しているようですが、使用しているかは不明。

とまぁ、最後はやっぱりこんなマウスピース云々の話になってしまいました。


まー。






■先月(5月)の買い物

CD『サックス・レジェンズ Volume1』
CD『サックス・レジェンズ Volume2』
CDDAVID BOWIE 『TVC15 -40th ANNIVERSARY EDITION-』(EP)
CDMARION BROWN 『GEECHEE RECOLLECTIONS / SWEET EARTH FLYING』
CDチャラン・ポ・ランタン 『女たちの残像』(DVD)
CDリヒター 『J.S.バッハ:ミサ曲 ロ短調』
CD小埜涼子 『Undine』
CD『スカヴィル・ジャパン vol.1』
CD『ロシアのジプシー音楽』
CD『ジプシー~ロムの音楽』
CDサード・パーソン 『ラッキー・ウォーター』





ランキングに参加しています音譜

にほんブログ村 音楽ブログ CDレビューへ

↑どうかカエルさんをクリックして下さいませカエル(←懇願)