追悼・中村とうよう… 19~21ユニバーサル・バンド『ブラスは世界を結ぶ』 | 愛しのジャンポール

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元BASSIST、現在ALTO SAX吹いてます♪

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21日、中村とうよう氏が亡くなりました。
自殺だそうですね。大変ショックです。



私は、6年前のオフノート・レーベルの新譜2作品のミュージックマガジン誌のレビュー…
ちんどん通信社『大阪スタイル』と北村大沢楽隊の酷評事件以来、アンチとうようでした。
その時の点数がちんどん通信社は確か2点で、北村大沢楽隊は0点でした。


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とうよう氏の辛口の評論は有名で0点も珍しくはないのですが、しかしこの時のレビューは
ワールドミュージックの権威である氏にしては的外れなコメントで何だか変だなと思いました。


確かに大沢楽隊は“ジジイ版シャッグス”と言いたくなる代物であり音楽的には0点でも納得。
しかし、絶滅したと思われていた“楽隊”が現存しそれを発掘しCDとして記録したことは、
民族音楽という観点からすればその功績は偉大であり高く評価されるべきです。

一方、ちんどん通信社『大阪スタイル』では(多少の言葉の記憶違いはご勘弁頂くとして、)
チンドンにエレキギターは邪道だとか、クラリネットが下品だとかと批判してました。
しかしチンドン音楽は時代や依頼主等のニーズに合わせて変化しつつ発展してきた音楽です。
実際ちんどん通信社の現場ではエレキギターが登場することもあります。
そして小林信之介さんのクラリネットを私は現場で何度も観ていますがそれは「声」そのもの!
あのコブシの効いた美しくも気持ちが昂るクラの音色はチンドン界随一です。


当時、私はCD店でワールドミュージックのバイヤー担当をしていましたが
この2作品は本当に素晴らしく大プッシュしてました。
なのに何故とうよう氏はあんな的外れな酷評をしたのか?

実は、ここには書けませんが関係者からその裏の事情を聞きました。
ここには書けないけど、これだけは書きます…
公私混同としか言いようがない!
東西屋(ちんどん通信社)さんは理不尽にも とばっちりを食らった訳です。



けど、いつまでも根に持ってても良くないです。
そうそう、ステキな動画を見つけました。

華乃家のケイさんと↓



ゴロスを叩くとうよう氏、ちょっとお茶目ですね(笑)

曲は「たけす」こと「竹に雀」。
チンドンの1日の最初によく演奏されるスタンダード中のスタンダード曲です。







前置きが長くなり過ぎました。



本日紹介するのは中村とうよう氏がプロデュースした1991年の作品。
19~21ユニバーサル・バンドの『ブラスは世界を結ぶ』です。

現代ショーロを代表するエンリッキ・カゼスの“オルケストラ・ブラジーリア”と
故・篠田昌巳率いる“コンポステラ”のブラジルと日本の合同プロジェクト唯一の作品。



収録曲は、ハバネラのリズムで19世紀後半に大ヒットした「ラ・パローマ」で始まり
世界のポルカのメドレー、マルチニーク島のビギン、李香蘭でおなじみ「何日君再来」、
ラグタイムのジョプリン「エンタテイナー」、ショーロの父ことピシンギーニャetc.他…
19世紀終わり~20世紀前半の世界のポピュラー音楽をブラスサウンドで楽しめます。

中でも白眉は篠田昌巳のアルトの音色が美しい国産初のワルツ「美しき天然」。
日本のメロディーの偉大さを再認識させられる演奏です。


因みに篠田昌巳さんは私がチンドンに憧れるきっかけとなったサックス奏者でして…
篠田さんに関しては多大な影響を受けてますのでまたの機会に詳しく紹介したいです。



しかし、もう20年も昔の作品になるんですね。
長らく廃盤ですが、先ほどAmazonを覗いたら結構出品されてて入手し易そうです。
興味のある方、絶対お薦めですのでどうぞお見逃しなく!




数年前には折しもブラス・ブームで『~ブラス』とか『ブラバン~』といった安直なCDが
大量にリリースされましたが、正直吹奏楽をやってる者にしか楽しめないツマラナイ物。

そんな今だからこそ本アルバムのような作品が多くの管楽器ファンに聴かれるべきです。
ブラスは吹奏楽やジャズだけではないのです!






とうよう氏は本当に我々に世界中の色々な音楽をたくさん紹介してくれました。
感謝の気持ちと共に謹んで哀悼の意を表します。







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