『エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE』映画鑑賞 | うさぎくんのお薦め映画ブログ

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『エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE』映画鑑賞。ブラジル映画。主人公はリオ・デ・ジャネイロ軍警察の特殊部隊(BOPE)の中佐ナシメント。舞台は南米一の犯罪都市リオ・デ・ジャネイロ。この街では毎日スラムを根城にするギャングと軍警察との攻防が繰り広げられていた。冒頭、刑務所内でギャング同士の抗争が勃発する。暴動鎮圧に向かう主人公率いるBOPEだが、任務遂行時のある行為が失態とみなされ、親しい部下ナチアスは降格され、主人公はリオデジャネイロ州司法省の次官に異動となる(地位としては出世なのだが、上層部の陰謀で実質は現場を外された格好だ)。ナシメントが警察特殊作戦部隊を増強させることでスラム街のギャングは力を弱めるが、それが逆に裏金を目当てにしていた腐敗警官たちに金が入らないことになってしまう。腐敗警官は自らギャングから街を守る名目でスラム街の統制を始めるが、腐敗の構造は現場の警察官に留まらず、上層部さらには政治の中枢部にまで至っている。本作品は腐った社会とシステムに戦いを挑むナシメントの苦悩を描いた作品であると言ってよい。単なるクライムアクション物にとどまらない社会派映画である。ブラジルの暗部をこれでもかと見せつける傑作。ドラマ性溢れ、先の読めない展開。この手の作品としては年間ベスト級の凄まじさ。日本未公開。前作があり本作はシリーズ第2弾となる。私は前作は未見だが、十分に本作品を楽しむことができた。お薦め。