『ソハの地下水道』映画鑑賞 | うさぎくんのお薦め映画ブログ

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『ソハの地下水道』映画鑑賞。1944年、ナチス政権下のポーランド。主人公のソハは地下水道の検査官だが、助手とともに窃盗をし盗品を売りさばく毎日。ある日、地下水道でユダヤ人数人を発見する。彼らがいざというときに隠れる場所を作ろうとしていることを知ったソハは当局には黙っていてやる代わりに金銭を要求する。ソハの要求を受けざるを得ないユダヤ人達。そして、そんなある日ユダヤ人の大虐殺が始まる。ユダヤ人は収容所に強制連行されるか、その場で殺されるかどちらかだ。混乱の中、大勢のユダヤ人が地下水道に逃げ込んで来る。成り行き上、十数人のユダヤ人を匿うことになってしまったソハだが・・・。1944年の激動のポーランドを背景にホロコーストを描く。ソハは家族思いだが決して英雄でも善人でもなく、自己犠牲的な博愛的な人物でもない。狡猾な盗っ人であり、金のためなら人の足元をみたり弱みに付け込んだりも平気だ。そして匿われるユダヤ人も善人ばかりでなく、自分勝手な人物も次から次へと出てくる。ステレオタイプな人物像を排し、小さなクライマックスがいくつも断続的に生じ、ストーリーは進行していく。145分。力作。お薦め。