一生ものを一生履いた夫 | いつも一緒

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スポーツカー好き。
休日は峠を走ってます。
愛車86、CC110は夫の形見。

 よく「一生ものを一生使ってる人を見たことがない」と言うけれど、夫は一生ものと言って買ったレッドウイングを一生履いた。

ソールを張り替えて、20年以上履いたものもある。


若い時はお金がないから、もどきを買ってたんだって言ってたけど、

お金に余裕ができて、レッドウイングを買えるようになってからは、大事に手入れをして、ずーっと履いていた。


下駄箱の中には、ミンクオイルや靴用のブラシがいろいろ入っている。

靴磨き用に、着古したTシャツを切ったものや靴下も置いてある。


夫は家に帰ると、必ずサッと靴の埃を取っていた。

「それだけでも靴の持ちが違うんだよ」と、モノの手入れをしない私は夫によく怒られた。

靴はローテーションを組んで履いていた。


靴磨きをする時は、玄関前に新聞紙を広げて、その上に靴磨き用具を広げて、座って一足一足お手入れしてた。


6年くらい前に、夫が靴磨きをしていた時の写真を見つけた。




雨で何処にも出かけられないので、暇つぶしに靴磨き


と書いてあった。


靴磨きをする夫に「よく一生ものって言うけれど、靴って本当に一生もつの?」と聞いたら、これなんかソールを替えて20年以上履いてるよと、磨き途中のレッドウイングを差して言ってたことがあった。


そう、夫の靴はいつもきれいだった。



下駄箱に無いもう一足のレッドウイングは、夫が旅立つときに履かせてあげた。