今日から4年に一度の単一スポーツ種目では世界で一番大きいイベントであるサッカーのワールドカップが始まる。選びぬかれた国々の選抜チームが競い合う大式典だが、開催される一ヶ月間、サッカーによって世界が結ばれると言っても過言ではないだろう。日本人の多くは80年代まではサッカーに余り関心を示さなかったが、後にその魅力に気づき、選手の技術レベルも大いに上がったので毎回ワールドカップに出場する国へと変身している。
中米でもサッカー強国が数々ある-狂国の方が多いが-ラテンアメリカ地域の国々であるだけあって、サッカーに対する情熱は大変なものだ。例えばこれは余談だが、小職の職場でも昨日は大会の観戦に向けてプラズマテレビを職場に何台設置するのか、と言った冗談が飛び回ったり、ワールド・カップの第一戦が放送される今日はカジュアル・フライデー(金曜日は私服で出勤しても良いと言う方針)である事を利用して、好きなブラジル・チームのユニフォームシャツを着て出勤している職員も数名居るほどだ。
中米のサッカーのレベルもそれ程悪くはない。例えばFIFA(国際サッカー連盟)の国別ランキングによると、日本は 45位だが、ホンジュラスとコスタリカはそれより高い38位と40位のポジションにいる。中米全てを合わせても人口4千万人にならない国々の内、二国もが世界で通用するサッカーを繰り広げられるのだから、中米のサッカーも馬鹿にしたものではない-。
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ここで話を一転して、中米統合について少し綴りたい。中米統合とは簡単にまとめれば、中米5カ国と呼称されるグアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカを一国にまとめる事を最終目標とした中米地域各国の政策を指す。元々これらの国々は、植民地として支配されていたスペインから独立した1823年から1840年までは中米連邦と言う一つの国の下にまとまっていたので、その状態に戻すと言う訳だ。中米諸国は人口、国土面積、経済等どれをとっても極めて小さい国々なので、一国でまとまっていた方が他国との様々な交渉において優位な立場となるし、経済効率も良いので国として現状以上の発展が期待出来る。
貧しい国々の集まりである中米諸国にとって、更なる発展以上に手に入れたいものは無いはずなのだが、各国が統合によって自治権を無くしたくないと言った理由の為に、1960年代から経済統合を柱とした地域統合は中米連邦の再建にまでは至っていない。だが、中米統合は1990年代から更に加速され、特定の分野に限ってではあるがコツコツと進んでいる。中米諸国は完全なる統合を達成すべく、力を合わせて一緒に働ける分野をどんどん協調していくべきだ。
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話はまた半分サッカーに戻るが、中米統合の精神にのっとってサッカーに関して中米統合チームを形成し、そのチームでワールドカップ予選他国際試合に挑むのはどうだろうか。中米には既に良いランキングを誇るチームが二国あるので、他国の優秀な選手も合わせればそれなりの力を持ったチームになるだろう。この統合チームが世界戦で良い結果を出せば、一般庶民の間にも統合の理解を得られるどころか、自分が単に中米の中の一国の国民であるのではなく、中米人なのだと言う意識や誇りも生まれるだろう。
大方は先進国の集まりである欧州連合の例を見ても、多数の国々を一国に統合する事は至難の業だ。しかし、中米の場合は既に一国であった時期があり、言葉、文化、習慣などに関してはこれらの国々の間の違いは欧州連合諸国間の違いには全く及ばないものであると言う利点がある。中米地域の更なる飛躍の為に、中米国民に愛着があるサッカーの様な次元から、草の根的な統合促進策を検討し、実行していってもらいたいものだ。