再度、激激激マニアックです。
これまた、どうでもいい前フリから。
エマールさんの『鳥のカタログ』拝聴のため
約3時間睡眠を減らして臨んだ
15時間の夜勤。
通例の朝方の必須業務の一つが
本日は発生せず、かなり負担軽減された。
やがて日勤者に引き継ぎを終え
慎重に自分の体調をみる。
どうやらいけそうだ。
「来てね」
頭の中で訓子さんの声がした
(イリュージョン③)
ダッシュでフィットネスに行き
サウナ、シャワーを済ませる。
夜勤の上がりのとき、体感上だけど
体温が下がってるみたいで、
採暖すると体が目覚め、
それからシャワーを浴びると
寝てない=だるい気持ちもリセットされるみたい。
次いで24時間営業のディスカウント・ショップに行き、
サングラスを調達。
前回の訓子さんのクセナキス:ルボンで
ビデオ・シューティングしているとは
夢にも思わなかった。
当方後姿でだけど、映ってしまった^~^;
お世辞にもフォトジェニックではない当方なので、
サングラスで防御策というわけ。
本編に関わる前フリ
13時スタートのイベント会場である
相模湖交流センターに11:30に到着できた。
さっそくイベント・スペースをのぞいてみると
いきなり訓子さんに遭遇。
あいさつしてくださった。
(リアル:本当①)
ごあいさつをお返しして
腹ごしらえ。
当方が食べ終わった頃
食堂に入ってきたイベント出演者の方々も
一様に驚くコス・パ¥500。
中央線の中で、何とか30分寝れたものの
早い到着最優先で、
飲まず食わずですっ飛んで来た当方だったので
よけいに美味かった。
もう一度イベント・スペースをのぞいてみたら、
再び訓子さんに遭遇。
「いつも聴きにきていただいて、ありがとうございます」
(リアル:本当②)
「いえ、とんでもないです」
(社交辞令だな、と思いつつ、かなりうれしい。
ちなみに当方、本日で2回目なので)
「3日間来ますか?」
(イベントは5月6日から8日までの3日間だった)
「いえ、明日は仕事なので」
本当は明後日から仕事だけど
5日間の強化合宿状態のシフトに加え
6日目にお受験なので、
体力温存&試験対策で断念せざるを得ない。
非常に残念っ ‼‼
本編
5月6日(祝)
13:00より出演者によるガラ・パフォーマスンス。
音楽を志す若者を応援するプロジェクトとして
アーティスト・インキュベーションと銘打っている。
その出演者によるガラ・パフォーマンス。
インキュベーションとは
保育器(インキュベーター)から派生させた
訓子さんの造語。
優れた素質も、然るべき保護を加えて
育てなけらばならないとする
訓子さん主催のプロジェクト。
開演前の会場
マリンバは左からSAITO、ヤマハ、アダムス。
アダムスが訓子さんの愛機。
オープニングはサウンド・インスタレーションで
野川菜つみさんと岡端恵さんという
二人の打楽器奏者による、
陶器の破片のような物を叩いて、静かに開始。
強いて例えるのなら、
鍾乳洞の中で静かにしたたる
澄み切った水の音。
いっきに非目常へ誘う、
素敵な演奏&演出でした。
アーティスト・インキュベーションは
前述の野川さんと、岡さんの他に
11人の出演で、
個人的には、最後のお二方が強く印象に残りました。
そのうち大トリの前の出演者は
まだ演奏活動はなさっていないようなので
S.O.さんとイニシャル表記にします。
S.O.さんは、大学を卒業すると.
大学にあった多彩な打楽器が使えず
自分の手持ちの、
少ない打楽器でやりくりしなければならないので
それを勘案し作曲してもらった作品とのことで
S.P.シンメルード氏作
『トランジエンツ、フォーマッツ&ジェスチャーズ』の演奏。
開演前に、
「あっ、これも打楽器として使うのだろう」と
撮影させていただいた食器類
食器類の他に、打楽器のセット・アップは
スネア・ドラムとタムタムが2つ。
食器類はマレットで叩いたり、
バイオリンの弓でこすって音を出したりした後、
硬質なヘッドのマレットで食器類を強打する。
そうするとガラスの食器類は割れてしまうわけで、
破片となって飛び散る。
さらに、そうして小さくなった破片をも叩くという
視覚的にも面白く、魅せるパフォーマンス。
また、小さくなった破片は
弦楽器でいうと、コントラバス→
チェロ→ヴィオラ→ヴァイオリンと、
小さくなるほど高い音がでる要領で
当初の食器よりも、非常に高い音が出るのも
意外性に富んでいて面白かった。
さらに、こうしたパフォーマンスが
単なるギミックに終わらず
S.O.さんが目指したコンセプトのとおり
少ないセット・アップで最大の効果を演出していた。
トリは鈴木彩さんのマリンバで
演奏したのは末吉保雄氏の『ミラージュ』。
ごく個人的な感じ方なのだけど
訓子さんのマリンバは
リズム面と音列表現が高い次元で両立されているのだけど
どちらかと言えば
リズム面がちょっと勝っているように感じる。
一方、鈴木さんのマリンバは音列表現が勝っている感じ。
12人の大トリを務めただけに
その表現力のポテンシャルは高そうでした。
こうしてガラ・パフォーマスンスは16時に終了。
フレンドリーで話好きの訓子さん。
ガラ・パフォーマンスは
オープニングのサウンド・インスタレーションが
野川さんと岡さんが一緒のパフォーマンスで
他の出演者が11人なので
ざつくり15分×12で180分=3時間。
出演者によっては、その15分のうち
半分くらいの時間は訓子さんのトークだったような。
訓子さんのライヒは17時開演
それまで、あいにくの雨だったが、
相模湖散策。
17:00より Kuniko Plays Reich
プログラムは、
J.S.バッハ:コラール『マタイの受難曲』より
ライヒ:エレクトリック・カウンターポイント
J.S.バッハ:平均律グラヴィア曲集 第一巻 前奏曲
第1番 ハ長調 BNW846
ライヒ:シックスマリンバズ・カウンターポイント
J.S.バッハ:チェロ組曲 第1番 プレリュード ト長調 BWN1007
アルヴォ・ペルト:アリーナのたダ)に
ライヒ:ヴァーモント・カウンターポイント
ハイウェル・デイビス:パール・グラウンド
ライヒ:ニューヨーク・カウンターポイント
ここでも話好きの訓子さん。
ご自身のコンサートでは
MCというより、レクチャーだった。
趣味趣味&恣意全開の
当方の私見を言わせていただくと、
「ライヒと、○ルックナーの交響曲は、金太郎飴みたい」
( あくまで 「みたい」 です、
どこを切っても皆同じ、とまでは断言しませんっ…)
なので、訓子さんのライヒのCDも、
ほとんど買う気はなかったのだけど、
コンサート直前になって、
訓子さんの解説読みたさにCDを買ったので、
レクチャーがよく分かって良かった。
また、CDに収録された演奏は、後述のとおり
素晴らしくリズミックで、
かつ変化に富み、
微塵も「金太郎飴」ではありませんでした。
訓子さんはどうしても
『エレクトリック・カウンターポイント』を演奏したくて
10年ぶりにライヒさんに (以下 敬称略) オファーしたそう。
しかし、ライヒは、スティール・パン ( 音程が不安定) ~
ビブラフォン~マリンバで構成するという編成に
“Problematic"と言ったそうだ。
(訓子さんは、たしか、こうおつしゃつた。
問題あり、のニュアンスかと)
そして、「あなたの頭の中にある音をデモにしてを送りなさい」
ということになった。
また、「自分が許可しないと、パブリックでは演奏できないよ」と、
自分の作品のアレンジに
非常に厳しかったライヒが
デモを聴いたとたんに、「CDは作らないのか」とまで
気にいってくれたよう。
ステージをドラム缶だらけにした
『スチール・ドラム・ワークス』を経たからこそ
ほぼ正確な音程をスチールパンから叩き出せる
自信があったのだろう。
そうして生み出された『エレクトリック・カウンターポイント』。
画像は『スチール・ドラム・ワークス』の中ジャケと、
現在の、いわばぎゅっと凝縮されたスチールパンを含み
スリムになったセット・アップ。
(画像は一部加工してあります)
『エレクトリック・カウンターポイント』は
前述の楽器編成、スティール・パン ~
ビブラフォン~マリンバで奏され
順にfast~slow~fastの3楽章からなる。
コンパクトなシンフォニーのような趣があり
個人的にはビブラフォンで奏されるslowが特に好き。
赤ちゃんの頭上でゆっくり回るベッドメリー
優しく流れるオルゴール、そんな感じがする。
ところで、手持ちの音源に、
ライヒ&フレンズの演奏があり、
まさに作曲家の意に沿った演奏なのだろうけど
ミニマムに変化していくという
コンセプトの面白さは分かっても
演奏自体はちっとも面白くない。
どうして面白くないかが、長いこと分からなかったが
訓子さんのCDを繰り返し聴いてるうち
ようやく、自分なりに分かった。
訓子さんは明確にアクセントを付けていて
自然に体が動いてしまうくらいリズミック。
なので、肩を揺らしながら
非フォトジェニックな当方がビデオに映ってしまうと
本当におバカなので
相模湖に向かう前にどうしてもサングラス要だったわけ。
あっ、これはどうでもいい話。
で、ライヒ&フレンズは、というと
意図的にリズムにアクセントをつけず
ひたすら淡々とリズムを刻んでいる。
ためしに、まったくアクセントを付けずに
両手で⒗ビートを刻もうとしても
当方にはまったくできん。
平坦で、つまらなく聴こえてしまっても
実は特殊なリズム感に裏打ちされているのだ
と、ここでもようやく分かった。
そうして表現されたものを好むか、
好まざるかは、聴き手の自由なわけで、
自分の好まないほうを
否定してはいけない、と反省。
訓子さんのライヒ、最高です。
全体にコンサートの流れは、
穏やかなテンポの、
ゆったりとしたバッハ等の作品を配することで、
ライヒの作品とで、緩急のコントラストが明白になり
互いに引き立て合う。
訓子さんの、
バッハの演奏に関しての発言をまとめると、
「バッハの時代にはマリンバはなかったが、
打楽器の響きと、バッハの作品との
マッチングを図るのが楽しいし、挑戦です」
というような趣旨だったと思う。
こんなことがあった。
とあるピアニストの演奏会で
バッハの、プゾーニ編曲のシャコンヌを拝聴した。
低域に拡張されたベーゼンドルファーのために
編曲されているところ、スタインウェイの使用で、
上から目線で申し訳ないですが
音離れが悪くて、何を弾いているのか分からなかった。
バッハの時代はチェンバロで、
その後フォルテピアノを経て、現代のピアノになった。
また、バッハの時代は音楽は貴族のもので
演奏会はサロン・コンサート規模なので
楽器はそれ程大きな音が出る必要はなく、
チェンバロもそうした背景を踏まえている。
大きな音が出ない、
また、特に現代のピアノのようには響かないわけで
そのためバッハはチェンバロ曲では
装飾音符をたくさん入れたと思われる。
逆に現代のフルコンで、バッハのチェンバロ曲を演ると
響き過ぎるために、コントロールが非常に難しいのだと思う。
一方、(児玉)桃さんのイタリア風協奏曲は凄かった。
スタィンウェイのフルコンで、
しかも響きの豊かなオペラシティのタケミツメモリアルで
一音一音くっきり、テンポも正確無比で
当方「すっげえぇぇぇ~っ」。
話を訓子さんに戻します。
バッハの作品をピリオド楽器でない楽器、
特に打楽器で奏するのは難しいけど、楽しい、
真摯にバッハと対峙しておられるんだな、
と、理解させていただいた。
ペルトの『アリーナのために』
SAITOの4.3オクターブのビブラフォン
(通常のビブラフォンは3オクターブだそう)
をライブでは初のお披露目とのこと。
ペルトとの作品は、宗教的な作品も多いので
この『アリーナのために』にも
そうした色合いが感じられるのだけど、
天空まで届くかのような倍音を持つ
(多分100kHz以上出てる)
スペシャリテのビブラフォンの
澄み切った音色で奏されると
あたかも、名もなき托鉢僧が自己の最期に
自ら打ち鳴らすレクイエムかのよう。
デイビス『パール・グラウンド』
(マリンバで)ピアニッシモで打鍵されるため
アタック音がほとんど聞こえない。
そのため、マリンバの共鳴管を経た残響のみが
ホールトーンでさらに響き、
残響のみが空間を満たしていく。
相模湖交流サンターは左手にダム、
右手に相模湖を臨むロケーションにある。
そうした豊かな自然の中
音の響きのみが空間を満たし、
また、ホールの照明は落とされ
ステージ上のスポット・ライトが照らす
訓子さんの影がまぼろしのように投影される。
打楽器なのに、打=アタック音を伴わない残響のみの世界。
音の立ち上がりが生命線のライヒ、
戦場の砲火を思わせるクセナキスの作品
(実際にクセナキスは、レジスタンス活動で顔半分損傷した)
とは対極の世界。
訓子さんはもう、次を見据えている。
作曲者のデイビスと、出雲大社で
とあるプロジェクトの予定があるそうだ。
う~んっ、東京から約8時間か。
ビデオ撮りお願いしますm(_ _ )m。
ライヒの『ニューヨーク・カウンターポイント』で
いったんプログラムは終了したが、
ほどなく、訓子さん再登場。
ハヴィエル・アルヴァレスの『テマスカル』という作品で
シンセサイザーの、主に衝撃音に合わせ
マラカスを振るという作品で、
訓子さんはステージを離れ
マラカスを振りながら客席間を歩き回るというサプライズ。
ありがとうございました
徹夜明けに寝ないで相模湖まで来て
本当に良かったです。
19:10 オープニング・レセプション
「ワインが飲めて、訓子さんと話せる。」
の期待どおりだった。
以下、リアル:本当③
「シックス・マリンバズ・カウンターポイントでは
⒗ビートが感じられるのですが、おかしいですか?
「間違いではないですが、ポリリズムです」
当方の⒗ビートとの思い込み。
自分の頭の中で処理できる事項に
事実を歪めてしまう現象。
この現象は面白いので、また別の機会に書ければ、と思います。
「バッハの作品でも⒗ビートが感じられるときがありますが
おかしいですか?」
「間違いではないです」
心優しき訓子さん、フォローしてくださった。
漠然とし過ぎていて分からなかっただろう。
すみません。
特に今日のプログラムでのバッハでは
ゆったりとしたテンポの作品が選曲されていたので、
お聞きするのなら
「バッハの、チェンバロ曲でカデンツァになる楽章などで
⒗ビートが感じられるときがありますが、
当方のリズム感はおかしいですか?」
じゃないと分からないだろう、おバカ。
「普段どんな練習をなさっているのですが?
やっぱりメトロニームに合わせて?」
「私、メトロノーム使いません、グルーヴ感です」
「(クセナキスの)ル・ボンのときも仰ってましたね」
さぞ地道な基礎トレーニングをなさってのテンポ・キープだと
思ったのだけど、そうじゃないんだね。
訓子さんの、ご自身の中でのテンポは絶対に狂わないんだね。
メトロニーム練習不要なのも、やっぱり天性のリズム感をお持ち。
じゃなかったら、マリンバ六重録音なんてできないよ。
以上は、当方の心の中で。
「今日はビデオ・シューティングしてたのですか?」
「いつもの子が来られなくて、今日は撮っていません」
当方、ほっと一安心。
フレンドリーな訓子さん。
結構長い間話してくださった。
もう一度お会いできたら、覚えてもらえるだろう。
いや、
「相模湖まで来てくれるけど、ポリリズムが取れない、
ちょっと軸がブレたおじさん」って
覚えてもらえたかも…。
訓子さんのライヒのCDの解説の最後に
「世界中のたくさんの人々がこのCDを聴いてくれることを
心から願っている」とある。
同感。
6月3日と4日に
ライブ・パフォーマンスもあるので
一助にでもなればと、PRさせていただく。
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