はい。

あと少しで他動詞の過去形の説明をします、インシャーアッラー。


今まで自動詞の

・過去形

・現在完了形

の説明をして来ました。


今回は「過去完了形」について説明します。


「過去形」と「現在完了形」の違いはざっくり


・過去形はとにかくいつであれ過去の話

・現在完了形は「そうなった(そうした)」事が今に至る


というかんじですが、


過去完了形は

①「過去のある時点でその動作が完了した」

②「過去にその動作をした事がある(経験)」

という表現です。


例文と説明の前に、過去完了形の作り方説明。

過去形 +主語の性・数に合わせた hōnā の過去形


主語が男性単数なら tHā(ター)

主語が男性複数なら tHē(テー)

主語が女性単数なら tHī(ティー)

主語が女性複数なら tHīN(ティーん)


hōnā の過去形の詳細はこちらをご覧ください


①「過去のある時点でその動作が完了した」


例えば

「誰か来た?」と尋ねる場合


過去形(※今いるかどうかは気にしない)では

kōī āyā?(コーイー・アーヤー?)


現在完了形(※今いるかどうかも気になる)では

kōī āyā hai?(コーイー・アーヤー・ハィ?)


過去完了形(※今はもういないようだがその前に来たか?)では

kōī āyā tHā?


となります。

なので例えば「誰か来た?」と尋ねられて


「はい、来ましたが行ってしまいました」は


(来た)…(行ってしまった)……「誰か来た?」


こんな感じで「来た」は過去に終わってしまった案件なので


jī, āyā tHā magar chalā gayā

(ジー、アーヤー・ター・マガル・チャラー・ガヤー)


となります。

※説明していない表現なので「行ってしまいました」の部分は読み流して大丈夫です


因みに。

上の文では主語をウルドゥーでも表していませんが、「男性1人の誰かが来た」事は動詞を見ればわかります。


そして更に。

一般的に「誰か」ときたらこれは男性単数ですが、例えばうちでは誰も食べないような渋い趣味のお茶受けが置いてあるのを見て「誰か年輩の人か偉い人でも来たのかな?」と思ったら、その気持ちを反映させたくて


「どなたかいらしてたの?」

kōī āē thē?

(コーイー・アーエー・テー?)


とする事もできます。


おや、若い女性が好きそうなお菓子が出てる。女性のお客さんが来たのかな?

という気持ちを反映するなら


kōī āī tHī(コーイー・アーイー・ティー)?

又は

kōī āī tHīN(コーイー・アーイー・ティーん)?


と「誰か女性が来ていたのかな?」とする事も可能です。

でも「絶対そうしなくてはならない」という事ではありません。そうやって意味を付加する事ができる、という事です。


この質問の返事で、もし女性ではなく男性だった場合、わざわざ

来た、じゃなくて来たの」と応える事も可能。


例文がずーーーっと ānā の過去形ばかりですが、もう少し爆笑


「誰か来た?(今はいないみたいだけど)」

kōī āyā tHā?

(コーイー・アーヤー・ター?)


と訊かれて

āyā tHā(アーヤー・ター)

ならば「男性1人が来たけど今はいない」


āē tHē(アーエー・テー)

ならば「男性複数か尊敬すべき男性1人(または複数)が来たけど今はいない」


āī tHī(アーイー・ティー)

ならば「女性1人が来たけど今はいない」


āī tHīN(アーイー・ティーん)

ならば「女性複数か尊敬すべき女性1人(または複数)が来たけど今はいない」


もう少し練習しましょう。

「寝る」はsōnā(ソーナー: 語幹は sō)。

「寝た」は

男性単数: sōyā(ソーヤー)

男性複数: sōē(ソーエー)

女性単数: sōī(ソーイー)

女性複数: sōīN(ソーイーん)


「私は8時間寝た。でもとても眠い」

男性ならば

maiN āTH gHanTē sōyā tHā magar bahut nīnd ātī hai.

(マィん・アーとぅ・ガンてー・ソーヤー・ター、マガル・バホット・ニーンド・アーティー・ハィ)


女性ならば

maiN āTH gHanTē sōī tHī magar bahut nīnd ātī hai.

(マィん・アーとぅ・ガンてー・ソーイー・ティー、マガル・バホット・ニーンド・アーティー・ハィ)


②「過去にその動作をした事がある(経験)」


前回 jānā の過去形は jāyā/jāī…ではなく gayā/gaē/gaī/gaīN となると説明しましたが。


「あなたはパキスタンに行った事がありますか?」

「あなた」が男性ならば

āp kabHī pākistān gaē tHē?

(アープ・カビー・パーキスターン・ガエー・テー?)


「あなた」が女性ならば

āp kabHī pākistān gaī tHīN?

(アープ・カビー・パーキスターン・ガイー・ティーん?)


となります。

kabHī は「いつか」です。

「(未来の)いつか〇〇するだろう」

「(過去の)いつか〇〇した事がある」

というように。


「経験を訊く場合は kabHī を必ず付ける」というルールは無いのですが…

やはり kabHī を付けないと「それをしたかどうか」の質問になり、「した『事がある』かどうか」というニュアンスにはならないですね…


ちなみに。

2回繰り返して kabHī kabHī は「時々」。


話が過去形から逸れますが、kabHī kabHī から。

kabHī kabHī mērē dil meN(時々私の心に)

kabHī kabHī mērē dil meN khayāl ātā hai

(カビーカビー・メーレー・ディル・メん・ハヤール・アーター・ハィ)

時々/僕の心に/考えが来る(=考えが浮かぶ)


「もしや君は僕の為に創られたのではないかと」と歌詞が続きます。

超有名なボリウッドソングです。


似たような単語を一緒に説明すると混乱する恐れがあるので、もう一つある似たような単語(そしてよく使う単語)についてはまた今度。インシャーアッラー。


ウルドゥーとイラストのLINEスタンプ作りました