ヨハネによる福音

 〔そのとき、イエスは天を仰ぎ、祈って言われた。〕17・20「彼らのためだけでなく、彼らの言葉によってわたしを信じる人々のためにも、お願いします。21父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。彼らもわたしたちの内にいるようにしてください。そうすれば、世は、あなたがわたしをお遣わしになったことを、信じるようになります。22あなたがくださった栄光を、わたしは彼らに与えました。わたしたちが一つであるように、彼らも一つになるためです。23わたしが彼らの内におり、あなたがわたしの内におられるのは、彼らが完全に一つになるためです。こうして、あなたがわたしをお遣わしになったこと、また、わたしを愛しておられたように、彼らをも愛しておられたことを、世が知るようになります。24父よ、わたしに与えてくださった人々を、わたしのいる所に、共におらせてください。それは、天地創造の前からわたしを愛して、与えてくださったわたしの栄光を、彼らに見せるためです。25正しい父よ、世はあなたを知りませんが、わたしはあなたを知っており、この人々はあなたがわたしを遣わされたことを知っています。26わたしは御名を彼らに知らせました。また、これからも知らせます。わたしに対するあなたの愛が彼らの内にあり、わたしも彼らの内にいるようになるためです。」

 

 イエスは弟子たちのためだけでなく、弟子たちの言葉によってイエスを信じるようになる人のためにも祈ります。

 イエスの祈りは、イエスを信じるわたしたちにも及んでいます。

 エキュメニズム(教会再一致運動)は1910年のエディンバラ世界宣教会議に端を発していると言われます。それは、「世界の福音化」を目標に、プロテスタント諸教派が教義の壁を越えて一堂に会した集まりでした。

 第二次世界大戦を経て1948年に世界教会協議会(WCC)が発足しました。参加したのは主にプロテスタントと正教会の諸教会でした。

 第二バチカン公会議(1962年~65年)でそれまでエキュメニズム運動に距離を置いていたカトリック教会が参入しました。

 「父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。彼らもわたしたちの内にいるようにしてください。」というイエスの祈りがエキュメニズム運動の核にあります。

ヨハネによる福音

 〔そのとき、イエスは天を仰ぎ、祈って言われた。〕17・11b「聖なる父よ、わたしに与えてくださった御名によって彼らを守ってください。わたしたちのように、彼らも一つとなるためです。12わたしは彼らと一緒にいる間、あなたが与えてくださった御名によって彼らを守りました。わたしが保護したので、滅びの子のほかは、だれも滅びませんでした。聖書が実現するためです。13しかし、今、わたしはみもとに参ります。世にいる間に、これらのことを語るのは、わたしの喜びが彼らの内に満ちあふれるようになるためです。14わたしは彼らに御言葉を伝えましたが、世は彼らを憎みました。わたしが世に属していないように、彼らも世に属していないからです。15わたしがお願いするのは、彼らを世から取り去ることではなく、悪い者から守ってくださることです。16わたしが世に属していないように、彼らも世に属していないのです。17真理によって、彼らを聖なる者としてください。あなたの御言葉は真理です。18わたしを世にお遣わしになったように、わたしも彼らを世に遣わしました。19彼らのために、わたしは自分自身をささげます。彼らも、真理によってささげられた者となるためです。」

 

 新共同訳で「彼らのために、わたしは自分自身をささげます。彼らも、真理によってささげられた者となるためです。」と訳される箇所を、小林神父は「彼らのためにこの私は私自身を聖別しようとしています、彼らも真理のうちに聖別されているものであるために。」と訳しています。

 ささげる、聖別すると訳されるギリシャ語はハギアゾーです。

 祭具が聖別されると他の目的で使うことはできなくなります。ダニエル書5章では、ベルシャザル王が、父王ネブカドネザルがエルサレム神殿から略奪してきた金銀の杯を宴会の場に出させ、聖なる器で貴族や側室たちと酒を飲み、その夜に殺害されたことが語られます。

 イエスは自分が父なる神の計画を果たすためだけに取り分けられた存在となり、それによって、弟子たちも世に取り込まれず、神の真理のうちに取り分けられた存在となります。

 弟子たちは世にありながら、世から取り分けられた存在になります。

ヨハネによる福音

 〔そのとき、イエスは〕17・1天を仰いで言われた。「父よ、時が来ました。あなたの子があなたの栄光を現すようになるために、子に栄光を与えてください。2あなたは子にすべての人を支配する権能をお与えになりました。そのために、子はあなたからゆだねられた人すべてに、永遠の命を与えることができるのです。3永遠の命とは、唯一のまことの神であられるあなたと、あなたのお遣わしになったイエス・キリストを知ることです。4わたしは、行うようにとあなたが与えてくださった業を成し遂げて、地上であなたの栄光を現しました。5父よ、今、御前でわたしに栄光を与えてください。世界が造られる前に、わたしがみもとで持っていたあの栄光を。

 6世から選び出してわたしに与えてくださった人々に、わたしは御名を現しました。彼らはあなたのものでしたが、あなたはわたしに与えてくださいました。彼らは、御言葉を守りました。7わたしに与えてくださったものはみな、あなたからのものであることを、今、彼らは知っています。8なぜなら、わたしはあなたから受けた言葉を彼らに伝え、彼らはそれを受け入れて、わたしがみもとから出て来たことを本当に知り、あなたがわたしをお遣わしになったことを信じたからです。9彼らのためにお願いします。世のためではなく、わたしに与えてくださった人々のためにお願いします。彼らはあなたのものだからです。10わたしのものはすべてあなたのもの、あなたのものはわたしのものです。わたしは彼らによって栄光を受けました。11わたしは、もはや世にはいません。彼らは世に残りますが、わたしはみもとに参ります。」

 

 告別説教の後、イエスは地上に残される弟子たちのために父である神に祈ります。

 イエスは世界が創造される前に父である神のみもとにいたと言います。イエスは父である神が与えた使命を果たして、父である神のみもとに戻ります。

 世に残る弟子たちのために父である神に祈ります。

 イエスと父である神との近さが祈りのことばに感じられます。