マルコによる福音

 〔そのとき、〕6・30使徒たちはイエスのところに集まって来て、自分たちが行ったことや教えたことを残らず報告した。31イエスは「さあ、あなたがただけで人里離れた所へ行って、しばらく休むがよい」と言われた。出入りする人が多くて、食事をする暇もなかったからである。32そこで、一同は舟に乗って、自分たちだけで人里離れた所へ行った。33ところが、多くの人々は彼らが出かけて行くのを見て、それと気づき、すべての町からそこへ一斉に駆けつけ、彼らより先に着いた。34イエスは舟から上がり、大勢の群衆を見て、飼い主のいない羊のような有様を深く憐れみ、いろいろと教え始められた。

 

 イエスは遣わした十二人がご自分のもとに帰ってきたとき「さあ、あなたがただけで人里離れた所へ行って、しばらく休むがよい」と言われました。

 マルコ福音書は、「朝早くまだ暗いうちに、イエスは起きて、人里離れた所へ出て行き、そこで祈っておられた。」(1:35)と述べます。「人里離れた所」は神に祈る場です。イエスは彼らにただ休みなさいと言ったのではなく、活動の場から離れて静かに祈るよう弟子たちに命じたのです。

 司祭や修道者は年一度一週間程度の黙想会に参加します。この黙想会は英語でretreatと言いますが、それは「撤退する」「避難する」という意味です。戦場や現場を離れて静かに省察するという意味合いがあります。

マルコによる福音

 〔そのとき、〕6・14イエスの名が知れ渡ったので、ヘロデ王の耳にも入った。人々は言っていた。「洗礼者ヨハネが死者の中から生き返ったのだ。だから、奇跡を行う力が彼に働いている。」15そのほかにも、「彼はエリヤだ」と言う人もいれば、「昔の預言者のような預言者だ」と言う人もいた。16ところが、ヘロデはこれを聞いて、「わたしが首をはねたあのヨハネが、生き返ったのだ」と言った。17実は、ヘロデは、自分の兄弟フィリポの妻ヘロディアと結婚しており、そのことで人をやってヨハネを捕らえさせ、牢につないでいた。18ヨハネが、「自分の兄弟の妻と結婚することは、律法で許されていない」とヘロデに言ったからである。19そこで、ヘロディアはヨハネを恨み、彼を殺そうと思っていたが、できないでいた。20なぜなら、ヘロデが、ヨハネは正しい聖なる人であることを知って、彼を恐れ、保護し、また、その教えを聞いて非常に当惑しながらも、なお喜んで耳を傾けていたからである。21ところが、良い機会が訪れた。ヘロデが、自分の誕生日の祝いに高官や将校、ガリラヤの有力者などを招いて宴会を催すと、22ヘロディアの娘が入って来て踊りをおどり、ヘロデとその客を喜ばせた。そこで、王は少女に、「欲しいものがあれば何でも言いなさい。お前にやろう」と言い、23更に、「お前が願うなら、この国の半分でもやろう」と固く誓ったのである。24少女が座を外して、母親に、「何を願いましょうか」と言うと、母親は、「洗礼者ヨハネの首を」と言った。25早速、少女は大急ぎで王のところに行き、「今すぐに洗礼者ヨハネの首を盆に載せて、いただきとうございます」と願った。26王は非常に心を痛めたが、誓ったことではあるし、また客の手前、少女の願いを退けたくなかった。27そこで、王は衛兵を遣わし、ヨハネの首を持って来るようにと命じた。衛兵は出て行き、牢の中でヨハネの首をはね、28盆に載せて持って来て少女に渡し、少女はそれを母親に渡した。29ヨハネの弟子たちはこのことを聞き、やって来て、遺体を引き取り、墓に納めた。

 

 イエスは洗礼者ヨハネから洗礼を受けました。その後ヨハネが投獄されたのを聞いて、ガリラヤで宣教を開始しました。「イエスの名が知れ渡った」のは十二使徒の派遣やパン増やしの奇跡を行った頃のことでしょう。ヨハネの処刑が行われたのはその頃のことだと思われます。

 人間の首の重さは5キログラム程度だと言われます。牢ではねたヨハネの首は血がしたたり落ちていたことでしょう。それを盆に載せて衛兵が少女に渡します。宴会の余興としてはあまりに凄惨な場面です。

 ヨハネの斬首は、ヘロデにとっても衝撃的なことであったに違いありません。彼は「ヨハネは正しい聖なる人であることを知って、彼を恐れ、保護し、また、その教えを聞いて非常に当惑しながらも、なお喜んで耳を傾けていたから」です。

 イエスのうわさを耳にしたヘロデが、「洗礼者ヨハネが死者の中から生き返ったのだ。」というのはヘロデがヨハネの亡霊におびえていたからかも知れません。

 先の大阪万博のバチカン館でカラバッジョの『キリストの埋葬』の展示が話題になりましたが、カラバッジョは『洗礼者聖ヨハネの斬首』の絵も描いています。

https://bijutsufan.com/baroque/pic-caravaggio/malta_baptist/

 

聖アガタおとめ殉教者については女子パウロ会ホームページをごらんください。

https://www.pauline.or.jp/calendariosanti/gen_saint50.php?id=020601

マタイによる福音

 〔そのとき、〕28・16十一人の弟子たちはガリラヤに行き、イエスが指示しておかれた山に登った。17そして、イエスに会い、ひれ伏した。しかし、疑う者もいた。18イエスは、近寄って来て言われた。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。19だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、20あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」

 

 マタイ福音書1章23節で天使がヨセフに現れ、マリアが聖霊によって子を宿していることを告げた後、「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」と言います。

 マタイ福音書は、「神はわれわれと共におられる」と呼ばれるイエスの誕生に始まって、イエスの「あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」というイエスの宣教命令で閉じられます。

 日本26聖人殉教者たちは、「神は我々と共におられる」ことを血で証しした方がたでした。

 一宮教会一階ホールには日本26聖人殉教者のうち尾張出身の5名を讃える銅板のエッチングが飾られています。

 彼らの名前は、竹屋コスメ、茨木パウロ、茨木ルイス(ルドビコ)、烏丸レオン、鈴木パウロです。

 日本26聖人殉教者については女子パウロ会ホームページをごらんください。

 https://www.pauline.or.jp/calendariocappella/cycle0/festa0205.php