ルカによる福音
〔そのとき、〕10・38イエスはある村にお入りになった。すると、マルタという女が、イエスを家に迎え入れた。39彼女にはマリアという姉妹がいた。マリアは主の足もとに座って、その話に聞き入っていた。40マルタは、いろいろのもてなしのためせわしく立ち働いていたが、そばに近寄って言った。「主よ、わたしの姉妹はわたしだけにもてなしをさせていますが、何ともお思いになりませんか。手伝ってくれるようにおっしゃってください。」41主はお答えになった。「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。42しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」
この物語は「もてなし」ということについて考えさせます。誰かをもてなそうとごちそうを並べるよりも、相手の話に聞き入ることの方がもてなすことになるのです。
傾聴は、アメリカの心理学者カール・ロジャーズが提唱した「来談者中心療法」の核となる考え方に基づき、主に以下の3つの要素で構成されます。
1. 共感的理解 (Empathy)
話し手の感情や視点に立って物事を捉え、理解しようとすることです。「あなたはいま、そんな気持ちでいるのですね」ということを相手に伝える姿勢です。単に「かわいそう」と同情することではありません。
2. 無条件の肯定的配慮 (Unconditional Positive Regard)
相手の話を善悪で判断したり、評価したりせず、「あなたはあなたのままで価値がある」という肯定的な態度で受け入れることです。相手の考えや行動に同意できなくても、人間としては尊重する姿勢を保ちます。
3. 自己一致 (Congruence)
聞き手が自分自身に偽りがなく、正直であることです。話を聞くときに、聞き手の表情や態度と、心の中で感じていることが一致している状態を指します。これにより、話し手は「この人は信頼できる」と感じ、安心して話すことができます。
エルサレムへの旅の途中で、マルタとマリアの家によったイエスはご自分の思いを受けとめてくれる聴き手を求めていたのかもしれません。
ロザリオの聖母については女子パウロ会ホームページをごらんください。
https://www.pauline.or.jp/calendariosanti/gen_saint365.php?id=100701