これまでにも多くの憶測が流れていたダイアナ元妃の死。2011年4月、英国高等法院で「ダイアナ元妃は不当に殺害された」と判決が出ましたが、それを後押しする出来事...2011年5月、カンヌ映画祭出品の『Unlawful Killing』で、死に行くダイアナ元妃の衝撃的事故写真が公開されました。
仏パリで1997年8月31日に起きた、英国のダイアナ元妃と当時の恋人を乗せたベンツの壮絶な自動車事故。
チャールズ皇太子と1981年に結婚し、二人の王子に恵まれたが、皇太子は以前からの交際相手カミラ・パーカー・ボウルズ（2005年に再婚）との密会を続け、ついに1996年に離婚したダイアナ。
王室の職員と恋仲も噂され、特にエジプト系の大富豪ドディ・アルファイド氏との熱愛は順調に進みました。ディナーを終えてレストランを出てきたアルファイド氏とダイアナを乗せたベンツは、しかしパパラッチに追いかけられ、運転手は一般道路を160キロものスピードで走行。
ジャンクションの直前で白いフィアットの合流があり、それをよけようとしてハンドル操作が狂うと、次々とトンネルの壁に激突して車体は大破。婚約かと騒がれた矢先に、ダイアナはたった36歳の若さにして命を落としてしまいました。
Lady Dibody was returned to England from Paris about 16 hours after the fatal crash. Lady Di 's two sister along with Prince Charles escorted the body to England.
パリから16時間かけてイギリスへ戻ってきたダイアナ。姉2人に付き添われて。
A small cascade of white roses road on the front of Diana's Casket with the simple had written word - Mommy !
ダイアナの棺に載せられた王子たちによるメッセージカード。『マミー』
after they arrived at Kensington Palace to view tributes left in memory of their mother Princess Diana in London, Friday, Sept. 5, 1997.
1997年9月5日（金）ダイアナ妃の葬儀で。キングストンパレスで。
2007年12月のロンドン高等法院の審問でパリからテレビ証言したボランティアの消防隊員が（現場に駆けつ女性が元妃とは気づかなかった）が大破した車から煙が立ち上り、「パパラッチ」と呼ばれるカメラマンが周りに群がっていたこと、警察が撮影を続けるカメラマンを排除しようとすると１人が「俺たちはこれで金を稼いでいる。放っておいてくれ」と吐き捨てたこと。別の目撃証人は、カメラマンが「早く戻ってこい。彼女は生きているぞ」と同僚を呼び戻すのを聞いたと証言。大破した車内で元妃が息も絶え絶えに「オー・マイ・ゴッド（なんていうことなの）」と２度繰りしていたのが最期の言葉だったようです。カメラマン9人とバイクの運転手１人は罪に問われませんでした。
同じく2007年12月にはドディ氏の父親で、英百貨店ハロッズのオーナー、モハメド氏の弁護士が息子とダイアナの２人の親密な関係を証明するため法廷に、元妃が不慮の死を遂げる18日前の1997年8月13日付の手紙に「ドディ様。このカフスボタンは私が世界で一番愛している父から授かったものです。特別なあなたの袖にはめてもらったらどんなに喜ばしいことか。ダイアナより」としたためられたものを提出。
長い長い時を経て、
2011年4月7日、英国・高等法院はダイアナ元妃と同妃と当時交際していたドディ・アルファイドはドライバーのアンリ・ポールが飲酒運転をしていた事と後続のパパラッチの車に追跡された事などが起因し死亡した、との判決を下しました。
今回の判決では、専属運転手の飲酒運転が直接の原因となり、そこにパパラッチの車が必要以上にダイアナ元妃の乗ったメルセデスを追跡したため運転手の自由が奪われて事故が起きた、と結果づけました。
加えて、ダイアナ元妃とドディ氏はシートベルトをしていなかったことも死につながった、との判決が下されました。
イギリス王室による暗殺説がまことしやかに囁かれたこともあり、今なおもって根強いダイアナ元妃の死を巡る世界中の疑惑の目。とくに、ドディ・アルファイド氏の父親でイギリスのデパート『ハロッズ』のオーナーでもあるエジプトの億万長者モハメド・アルファイドは、事件後ハロッズから「英国王室御用達」の看板をはずし、自分の息子が英国王室によって暗殺されたと現在も叫び続けています。
2011年5月13日、フランス・パリで行われているキース・アレン氏による映画、カンヌ国際映画祭の出品作品、『Unlawful Killing（原題）』で公開された元妃の最期を捉えた写真。また足をはさまれ体も動けず、“Leave me alone.” （もう私をほっておいて、ひとりにして）と言いながら苦痛に顔をゆがめていたダイアナに救助の手も差し伸べず、その息が絶えゆく様子を撮影し続けたパパラッチ。
ドディ・アルファイド氏の父で実業家のモハメド・アルファイド氏による資料提供と協力を得て、あの事故までの経緯を大変リアルに仕上げたというのだそう。彼らの狙いは「あれは計画的殺人（誰かの命令でMI6がおこなったもの）であり、6か月の死因審問もイギリス政府によるでっち上げ」と改めて訴えることだそう。
ダイアナ妃の長男ウィリアム王子がめでたくも結婚したこのタイミングに、なぜまたそんな暗い話題をと眉をひそめる人も多いですが、1993年別居直後に、ダイアナ元妃が直筆で友人に
「わたしは自分のデスクの前に座ってる10月、誰か私をハグして励まして。頭を高くあげていられるように。
人生が最も危険にある。夫は私の車をブレーキの故障の『事故死』、深刻な頭部外傷を計画している。Tiggyと結婚するための道をを明確にするために。カミラはおとりにすぎない。」
などと手紙を残しており、海外ではイギリス情報局秘密情報部（MI6）による暗殺という陰謀説が広まり、関連書籍もいくつも出版されていましたた。
ダイアナ妃の直筆のレター。「I am sitting here at my desk today in October, longing for someone to hug me and encourage me to keep strong and hold my head high.
"This particular phase in my life is the most dangerous. My husband is planning an accident in my car, brake failure or some serious head injury in order to make the path clear for him to marry Tiggy（Tiggy Legge-Bourke）. Camilla is nothing more than a decoy so we are being used by the man in every sense of the word."」
彼女の忘れ形見である若い王子二人は、ふたりで主催したダイアナ元皇太子妃追悼式典10周年でなお、母を思わぬ日はないと語っています。
ヘンリー王子は「メディアの注目の中でもわたしたちにとっては世界で最高の母でした。今でも毎日、母のことを考える。」と語り、毎晩眠る前のキスをしてくれたダイアナ妃の愛情を思い出を振り返っていました。
そして約8割の英国市民は「そのような悲惨な写真は見たくない、モラルが欠けている」と反発しており、そのためアレン氏は「英国では上映しない」とも語っているそうです。王子たちも映画の公開に恐らくは複雑な思いでしょう。
ウィリアム王子＆キャサリン妃の結婚式で。ふたりの靴が気になる。
少し前まで模範的な兄、問題児の弟と比較されてばかりだった兄弟ですが、それぞれ軍隊や慈善活動など活躍の場所を見つけながら、いつまでも仲の良い2人の姿はきっとダイアナ妃に届いているでしょうね。
ウィリアム王子は4月29日にロンドンのウェストミンスター寺院での結婚式の数日前、キャサリン妃（当時ケイト・ミドルトン Kate Middleton）さんと、万感の思いを込めて王子の母、故ダイアナ元妃（Princess Diana）の墓参りをしたそうです。ダイアナ妃は実家であるスペンサー伯爵領（ノーサンプトンシャー州にある1万4000エーカーもの広大なオルソープ・エステートの敷地）に眠っています。
母ダイアナは世間から隔絶された環境に苛立ち、王室は一般市民とは 別格の存在だという考え方に反旗を翻し、息子たちを自分の手で育て、マクドナルドに連れて行き、虐待を受けた女性の保護施設やエイズ患者の病室を夜遅くでも訪問し、カメラのない場所で一人ひとりに声をかける彼女に 励まされた人々は皆、その誠実な姿を忘れませんでした。そういった精神性と、父親からは王室メンバーとしての伝統と威厳、教育を受け継いでいくのでしょうね。