前日、真っ暗な道を歩いたが、途中携帯の電池がなくなり、ナビが不能になり、あと50mあたりまで来ていたはずだが、発見できず退散。街灯は時々あるがJR滝尾の駅を降りるとものすごく静かで暗かった。翌日夜、電車賃を節約するため、真っ暗な道を歩いた。それでも昨晩の恐怖感はない。

歩くならば滝尾ではなく敷戸駅が正解だったろう。こちらは大きな国道沿いで夜でも不安にならず歩いて行ける。
結構、大きな電飾看板があるが、こちらの通りまでは目が届かなかったので見過ごす。昼間見ると、半地下状に建物が土に埋まっている感じの変わった佇まい。
ドアを開けると、奥さんらしき人が1人。客は他になし。昼は菓子パンしか食べていないので超空腹。アドリブ定食880円というメニューが目に留まった。家庭料理だが結構ボリュームがあって品数も多かった。ささみと野菜天ぷら、ホウレンソウの和え物、きんぴらごぼう、味噌汁、白ごはん、ドリンク。
■再生リスト
1) Lenny Tristano "The New Tristano"
2) Mike Moreno "Another Way"
食事の時は音量小さ目だったが、終わるころには音を上げてくれた。音量は43dB程度。
Altec A7とMcIntoshという構成。パワーMC-252とプリC-41。CDプレーヤーはEsotelic X-30とあった。A7っぽくない、レンジが広くきれいな音がしていた。これまであまりいい印象を持っていないA7だが、だいぶ印象が違った。偏見は持たない方がいいようだ。
途中、マスターが帰宅する。いらっしゃいとの一言で通り過ぎる。
A7があんまりきれいな音だったので、勝手にビデオで少し録画した(これは当方の勉強のためでどこかに公開する予定はないので、ご容赦頂きたい)。
その後、常連さんと思しき女性が用事で来る。奥さんとの会話の腰を折って恐縮だったが、電車の時間があるので、お勘定をしてもらった。そして写真撮影の許可を得て、千葉から来ている云々の話をする。遠方からだと知ると、中2階のロフトのような所に引っ込んでいたマスターが下りてきて、会話に加わる。かなり明るい人だった。九州ジャズロードではオフレコの話が全部乗ってた、あまり読まんでくれとのこと。私は熟読していないので、どのような部分を言うのかわからなかった。
半地下の構造は防音を意識したものだと思ったので聞くと、防音の効果はあまりないとのことだった。もともとの設計思想に含まれていないのだそう。サラリーマン時代に100万円かけて後から防音したと言う。夜12時まで音だし可になっている。今日もこれから音楽仲間が集まって大人の部活動が繰り広げられるということだった。
マスターはジャズ喫茶めぐりもされているようで、入って右手の壁にはマッチ箱が飾ってあった。
追記:せっかくなので、マスターの話をかいつまんで載せてみる。
・うちは店主は愛想悪いし、昼間は来るなと言ってるし最低のジャズ喫茶。でも良く来てくれた。
・某オーディオ雑誌が○適マークを選定してたが、うちはそんなものに選ばれるはずもない。
・(私があるジャズ喫茶での体験を話す「四国のある店で開店時間後に行ったが、真空管アンプの電源を今頃入れて、立ち上がりが悪いため、テレビの音を1時間ほど聞かされたという体験)あーそれやっちゃいかんのだよ。(私「それを考えるとBasieはつくづくいい店だと思う。」)そう、一関Basieに行って、九州から来ましたって菅原さんにあいさつしたら、「あ、っそ」程度。でも、あそこは一流。盤によって設定、カートリッジまで変えてる。
・俺はこの界隈でも変わり者。
・また来てくださいよ。その時は一度来たって言ってね。忘れちゃうから。ギャハハハ。
ジャズの音遊びに参加していったらどうだ、泊まっていったらどうだ、と色々勧められたが、今日は深夜にフェリーで四国に渡るつもりだったので、お暇した。奥さんに車で駅まで送ってもらった。
このマスターの性格、ジャズ道にまい進する求道者とは映らなかった。九州ジャズロードを読むと、なぜかジャズ屋の店主がすべてこうした求道者に思えて、ものすごい尊い空間のような気がしてくる。それがあの本の狙いであり、マジックであるのだが、それは、小林秀雄が「ボバリー夫人は私である」と言ったように、書き手の意識が反映されたもののような気がするのだ。あの本の著者はジャズ道という尊いものに出会うたびにジャズロードを歩まれている。これは確かだが。
いや、こちらのマスターが邪道ということを言おうとしているのではない。相当にユーモアもあり、ジャズがマイナーであることも充分わきまえた、分別のある大人として楽しんでおり、謙虚な人という印象だった。



Jazz喫茶 NAIMA
大分県大分市曲7組
097-567-1517
18:00~24:00、日月休
JR豊肥本線・滝尾または敷戸駅