49 チャンスはいつでも目の前にある。
それに気づくかどうかが人生の分かれ目だ。
ある日、洪水が発生しました。男は大急ぎで自分の家の屋根に登り、「神様、どうか私をお助けください」と祈りました。
そのとき、小舟が目の前を横切りましたが、男はそれを無視し、「もうすぐ神様が助けに来てくださる」と信じて祈りつづけました。
水位はますます上昇し、男はひざまで水にっかりました。そのとき、別の小舟が目の前を横切りましたが、男はふたたぴそれを無視し、「もうすぐ神様が助けに来てくださる」と信じて祈りつづけました。
やがて水位はさらに上昇し、ついに男は首まで水につかりました。そのとき、さらに別の小舟が目の前を横切りましたが、男はまたしてもそれを無視し、「もうすぐ神様が助けに来てくださる」と信じて祈りつづけました。
数分後、男はついに溺れ死にました。そしてあの世に行って神様に文句を言いました。
「あんなにお願いしたのに、どうして助けてくださらなかったのですか、」
それに対し、神様は平然と答えました。
「何回も助け舟を出してやったのに、お前はすべて無視したではないか、」
男は驚いて言いました。
「えっ!それならそうと、なぜおっしゃってくださらなかったのですか、」
神様は答えました。
「そんなことをしたら、いつも私の戸が地上に響いてうるさくなる。だから、いつも黙って人びとに救いの手を差し伸べることにしているのだ」
挿絵:「洪水と小舟」(アルフレッド・シスレー)