「そんな、おかしいか?」



君の帽子をかぶって見せると

君は腹を抱えて笑った。




君を笑わせることが、とっても嬉しくて

何度も、バカなコトをよくやった。


君の怒った顔も嫌いじゃないけど、
嬉しそうに微笑む君を見ているのが

僕は嬉しい。




約束の時間5分前、


さて、行こうかな。


着慣れない、パリッとした格好で、

渋谷の街を人待ちするのはとても目立つ
柄でもない、オレがスーツを着ている



・・・そんな、かわいいワンピース、もってたんか?


内心、ちょっと、ヤラれてしまった。


お互い背伸びしたデート


うーん・・・



後ろから脅かしてやろうと、

俺は思って、駆け出した。





信号が変わる


歩き出せば、昨日までの生活が終わる


私は、青の点滅を何度、眺め続けただろう




「好きな人ができた」




何時?どこで?


私の中で疑問は記憶という、思い出と一緒に


頭の中を廻る




私が悪かったの?


貴方の気持ちが、何で変わったの?


私が、変わった?




確かなことは、時間が過ぎてしまったこと


二人の時間・・・・


終わりは、始めから決まっていたの?



それとも、貴方の中では、


始まったそのときから、終わりは決まっていたの?


永遠は、ずっとなんて、ないの?




私の気持ちには、終わりの無いノートに


思い出が何時までも、幾らでも綴られて


そして、貴方の事を今と変わりなく


想い続けていくはずだった





信号が赤


そして、青に


車も、人も、動き出す




私は帰るところを失ってしまった



横断歩道を突き進む。


時間と共に、貴方との記憶を消し去ろうとしながら・・・・



返された部屋の鍵を握り締めたまま、アパートの扉の前で、泣いた。



雨が落ちてくる

空が近くて、雑踏にかき消されてるけど
音を立てて、雨は降っている
傘を持たない僕に、何か言っている


別れる君は、僕に何も口にせず
ただ、背を向けた

雨は何を言っているのか、
僕は必死に聞こうとしたけど
駅の雑音がそれを許さない

愛していた
多分、愛していた
ただ自信も無く、別れたいと言った僕に雨は
何か問いかけていた


見上げる空
夜の漆黒、灰色の空
愛していた
何処に行くわけでも、
何かを買うわけでもなく
寄り添っているだけでも
うれしかったあの時間を
雨は、何か、
諭していた


愛していた
抱きしめていた君を手放して
雨は音を立てて、落ちてきた


携帯電話の番号を消して
電車に乗った

もう一人なんだと
雨に聞きたい気持ちで
乗り継ぎの駅を探した。