帰り際に、その手を握り

「元気でナ」なんて、いえなかった。


僕たちは、別々の道をこの瞬間から

歩いていく。


恋人でも、友達でも、形容しようのない、間柄だから。


ただ、

君は、気遣ってくれた。

それで十分

さあ、旅立っていくんだ。


少しだけ泣いて

沢山、彼女の素敵な未来を期待して、

そして、僕は帰った。


座れるくらいの混み様に、ホッとして

1時間、僕は何を思い出していただろう?


後悔も、喜びも、全部

最後にくれた感謝の手紙に

詰まっていた。


愛しているだけが、

心を満たしてくれるわけじゃない。

もう、2度と会えないとしても、

想い出は、消えない。


Maybe,

こんな愛し方だって、報われるんだ。

























愛した人は、過去の人


別れたその人


久しぶりに尋ねた僕


「何かこの10年、君は変わったかい?」


相変わらずの口ぶりの返事


「変わったこともあるし、変わらないこともあるわ」





「俺が好きだった頃の君だね」

そう言われた事があったと、

君は、僕と付き合っていた当時、

子供の父親に最近言われたと、言ったね。




今になって、僕は、その意味を


心が割れるほど、理解できる。




変わってしまった訳でもない。


元々、そう。


人は、その人の好きな場面しか、


心に受け入れないから。




でも、だとしても、


彼女をこんな人にしたのは僕。


僕のせいだ。

たとえ、生まれてこの方、ずっと

そうやって、生きてきたとしても。




僕の心に、同じ言葉が刻まれていく。








長い長い手紙になるでしょう。

お許しください。

でも、コレで最後です。

もう、話すことも、そして、会うこともないでしょう。

そう、思い出すことも。


沢山の思い出がありました。

どんなに忘れようとしても

消すことは出来ない大切なものです。


アナタが、この世を去って、

私がアナタのことを考えるたび

涙が出ます。


でも、やっと気がついたのです。

それはアナタが一番望まないと。


最近、自分でも驚くほど、アナタを忘れています。

いいえ、やっと、自分の目の前を

見渡すことができるようになった。

私はこの世に残ったことに

気がついたのです。


それに、アナタはきっと

私が神様にお願いしたので、

天国でシアワセになってるはず。

なにせ、

結婚の誓いを、守ったのですから。

病めるときも、豊かなる時も

分かち合ってきたのですから。

司祭の前、祭壇で約束した。

その約束は守ったのですから。


いつも一緒だったね。

どんなときも、一緒だった。

苦しいときも、悲しいときも。


さてこの手紙の最後です。

けして、尽きることの無い思いを

その手紙にどうやって

最後、しまい込もうか悩んだけど

結局、コレだけだとおもいます。


私を世界一愛してくれたアナタに負けないほど、

私はずっと、アナタを愛してきました。

もし、永遠という言葉があるならば、

それだけは絶対に永遠に譲りません。

誰よりも、アナタを愛したことを。ここに。

さようなら。