PA外でボールを拾ったダニーは、そのまま猛然と前へ運ぶ。
長身ながらスピードのあるドリブルで、センターサークルまで一気に進んだ。
追走する近藤は、足は速くない。
ボールを運ぶダニーの前方には、名古屋司令塔イヴァン、そして長身FWのクリントン。
両サイドからはウィングが1人ずつ駆け上がり、ダニーを追い越していく。
対する大阪のディフェンスは、CBの山田と下沢、アンカー的CHの大神。3人のみ。
右SBの加井が名古屋左ウィングと併走して捕まえているが、大阪から見た左はフリーの状態で駆け上がっている。
名古屋の左を考慮しなければ、4対3の局面だ。
ダニーはセンターライン付近を大きく超えた位置のイヴァンの足下にボールを出した。
背後に大神を背負った状態。
イヴァンはシンプルに右にはたき、そのまま大神を引き連れて前線へ駆け上がる。
スピードに乗ってタッチラインを上がってきた名古屋ウィングはフリーでボールを受け、アタッキングサードへ侵入した。
最前線 クリントン対山田
シャドー イヴァン対大神
そして、右サイドのウィングの対応に、下沢が向かう。
が、下沢が近づこうとした瞬間にはもうクロスがあげられた。
PAを少し入ったあたり目がけ、緩い弾道の高いクロスが打ち上げられる。
山田はクリントンに背中をぶつける。
固え・・・!
そう思った瞬間、クリントンの手が、山田の肩にかけられた。
しまった!!
クリントンに押さえられながら、山田も必死に飛ぶ。
それを利用したクリントンはさらに高く飛ぶ。
ほとんど飛べない山田のはるか上、クリントンは頭ではなく、胸でボールを落とした。
PA内で、ボールが跳ねる。
そこに飛び込むのは、大神を腕で押さえながら走り込んだイヴァンだった。
ゴール真正面、至近距離から放たれたシュートに本田は反応できず、ボールはネットに突き刺さった。
前半26分。
ポゼッション 大阪 90:名古屋 10
シュート数 大阪 8本:名古屋 1本
名古屋が先制した。