ラストパス 9 | Jリーグが好きやねん

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安井はこまかいタッチで、SBに迫る。

SBは半身で安井の足に集中する。


 右足で触ってる。こいつ、左SBのやつだったよな・・・


間合いを詰めた安井の左足が、ボールをまたぐ。


 中だろ!?


またいだ瞬間、安井の右足がボールを右方向へ押し出す。

そしてそれを読んでいたSBも同じ方向へ動く。



直後、ボールを押し出した安井の右足が、さらにボールの進行方向を鋭角に変えた。

アウトサイド、インサイド。

ダブルタッチでボールが縦に走る。


安井は名古屋SBを完全に振り切り、名古屋ゴールに迫った。


角度がない位置で、奈良沢と1対1。



迫る安井との距離を詰めながら、奈良沢は安井の足を見ていた。



安井の右足が強く地面を踏む。

 まだ・・



左足が大きくテイクバックする。

 まだ・・・



振り下ろされた左足がボールを叩いた瞬間、奈良沢は体を倒しながら、前方へ飛んだ。


奈良沢の膝がボールをはじき、PA外でダニーがボールを抑えた。



マジかよ・・・



安井は悔しいというより、愕然とした。
今のセーブが、たまたまのビッグセーブではないことは、安井がよくわかったからだ。
例えフリーの1対1でも、あの角度ではこのキーパーは破れない。




「DAN!!」



その直後、センターサークル手前でイヴァンの声。


それを合図に、名古屋の選手は一斉にサイドを駆け上がった。