名古屋監督の語るとおり、大阪の失点数は、ベスト4の4校の中では群を抜いて多かった。
4試合で15得点もトップだが、10失点もトップ。
大阪は、攻撃に人数をかける。
サイドバックもウィングのようなものなので、攻撃時には自陣サイドに広大なスペースが生まれる。
そこに単純なロングボールを送れば、センターバック2枚、山田(3年、キャプテン)と下沢(2年)のうち1枚がサイドに吊りだされる。
そして、中はセンターバック1枚と、ボランチ大神(3年)で見ることになる。
特に山田と大神は、守備能力がかなり高い。
キーパーの本田(3年)も、得意の飛び出しで、何点も防いできた。
守備陣の能力が低いわけではないが、その攻撃偏重のシステムのため、予選から一度もクリーンシート(無失点試合)を達成していない。
誰の目から見ても、守備が弱点である。
「特に、サイドだ。サイド攻撃がファーストチョイスのうちは、分がいい。」
これも言うとおり、大阪の守備の弱点はサイドだった。
大阪の右サイドバックは、加井(3年)。
90分アップダウンを続けるスタミナと、安定した守備力が特徴である。
上がってる裏をつかれることも多いが、これは加井の実力というよりチームの戦略で、ちゃんとポジションを取ってさえいれば、そう簡単にやられるシーンは見ない。
弱点と呼ばれるサイドは主に左サイド、金髪の1年生、安井だった。
1年生ということもあり、特に守備では軽い対応が目立つ。
カバーがいない局面で飛び込んでしまったり、最終ラインでのパスミスなど、失点に直結するミスも少なくない。
実際、10失点のうち2つは安井のミスだったし、7失点はミスかどうかはともかく、安井のサイドからの失点だった。
試合開始の直前、名古屋は戦略の最終確認をしていた。
「大阪の左サイドを、徹底して狙え」
守備は、人数をかけスペースを消し、裏を通させない。
攻撃時は、左サイドの安井が上がった裏へのロングボールを徹底。
そこから長身のクリントンへ合わせる。
大阪には高さがない。
サイドと高さ、大阪にとって2つの弱点を、名古屋は2つのストロングポイントとして持っていた。